見出し画像

春物…寒の戻り?

お彼岸の入り。
サクランボの花も散って、そこここにすみれが光を集めている。
我が家の近くの山には、
「かたまって 薄き光の すみれ草」
渡辺水巴の句碑が立っているほどの絶景である。

流石、我が家の菫は、真愛に似て強い。
石とアスファルトの間から芽を出ししっかりと咲いている。厚洋さんが元気な頃から、道の菫は毟らないでいてくれた。
真愛も厚洋さんも「おのろばえ」と言う自然に飛んだ種から生えた花が好きだった。豪華な真っ赤な薔薇も好きだが、「ここです。」って咲いている花が愛しかった。

今日も見つけた。↑ノースポールだ。
10年以上も前に3株植えた。土手に飛び、山に飛び、花壇の隅に飛びと10年も繋ぎ続けている命だ。思わず、
「アンタは偉い!」
と声に出して、言ってしまった。
春だ。
生命を知らせてくれる春だ。

で、春物を引き摺り出して、冬のセーターをしまった。
着たくて買ったのに着ていく所がなくて仕舞う服。去年は着られたのに今年は苦しくて着られなかった服。捨てればいいのに、直せば着られるかも?「痩せればいいのだ!」と自分を誤魔化し、3時間も掛けて入れ替えをした。
ところが、昼の天気予報で
「暖冬だった冬の後は、大きな寒の戻りが有りますね。4月に入って雪が降るかもしれませんよ。冬物はまだ出して置きましょう」
だと。
「今しまい終わったばっかりだ!」

でも、クロッカスは、黙って咲いている。
春の今の日差しをいっぱいに浴びて。

今 咲くんだ。
明日は、開くよ!

人に頼って 
人に動かされて
人の所為にして
情けない人間だ 私は
ちょっと消臭剤臭い春物を着て
出かけることにしよう。

ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります