雨水
雨水とは、降る雪が雨へと変わり、雪解けが始まる頃のこと。
あまみずではなく「うすい」と読む。
山に積もった雪は、ゆっくりと解け出し、
田畑を潤す。
昔から、雨水は農耕を始める時期の目安とされて来た。
真愛も畑を始めた頃は、寒中に天地返しをし、雨水を境に土を元に戻し、畝を作った。
「天地返し」とは、深く穴を掘って、下にある土を地上に晒し悪い虫や細菌を死滅させるような作業である。
8年前には、まだ力も体力もあったので、
1メートルほどの深さまで掘り起こすことができたが、ここ3年は寒中に耕運機で耕す事すらしなくなった。
雨水になって
「さぁ、種芋を…。」
なんて畑仕事を始めても、良い作物が育つわけはない。
良いものを育てるには、「雨水」準備の前の準備が必要なのである。
「雨水」雪が雨に変わる時期というが、北海道東北はまだまだ雪が降る。
真愛の住む千葉の山の中でも、2月はまだまだ雪が降る。スタッドレスタイヤを履き替えるのは3月末である。
例外だが、4月の中学校入学式の日・4月8日「花まつり」に雪が降った事もある。
二十四節気が誕生したのは古代中国。
当時使われていた月の満ち欠けに太陽の動きを組み合わせた「太陰太陽暦」を農作業の目安として活用していた。
しかし、月日と季節にずれが生じていたので、太陽の動きをもとにして季節を知る二十四節気が考案されたという。
日本には飛鳥時代に暦とともに伝わり、幾度もの改良が重ねられ現在に至っている。
という事は、作った人は古代中国の人で、中国大陸の地域対象である。
日本に入って飛鳥時代から改良したとするならば、当然、関西地方の地域対象である。
「雨水」の定義が全国の地域に当てはまるわけではなく、ましてや奈良から遠い我が家では当てはまらなくて当然。
納得!である。
でも、立春を過ぎてなんだか陽の光が暖かくなってきた気がする。
雨水を過ぎたら、もっと春を感じるのだろう。
早く庭木の剪定をしないとみんな芽吹いてしまう。そうなると新芽が切れなくてまた伸び放題となる。
アレよアレよと言っているうちに
「啓蟄」になって、真愛の苦手なムカデも蜂もお出ましになる。
二十四節気に合わせて農作業を進めることが大正解である。
七十二侯
土脉潤起 2月19日〜2月23日
(つちのしょううるおいおこる)
冷たい雪が暖かい春の雨に代わり、
大地に潤いをあたえる頃。
寒さもゆるみ、眠っていた動物も目覚める頃
霞始靆 2月24日〜2月28日
(かすみはじめてたなびく)
霧やもやのため、遠くの山や景色がほのかに現れては消え、山野の情景に趣が加わる頃。
春に出る霧を霞(かすみ)と呼び、夜の霞は朧(おぼろ)と呼ばれる。
草木萠動 2月29日〜3月4日頃
(そうもくめばえいずる)
足もとや庭木の先にほんのりと薄緑に色づく芽が見られる頃。やわらかい春の日差しの中、草木が芽吹き、新しい命が生まれる。
七十二侯も中国から入ってきたものだというが、渋川春海という人が、日本風に改定してくれたのだそうだ。
だから、霞・朧なんていう素敵な表現が出てくるのだろう。
言葉の国「日本」に生まれてきてよかったと思う。
明日は、「雨水」である。
河津桜が鮮やかに春を告げている。
ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります