貴方が逝って1500日
今年も「ホトトギス」が咲きました。
貴方が福野の山から引き抜いて来た3本と真愛が蔵玉からの帰り道に見つけた一本がこんなに増えて、群れ成して飛ぶホトトギスです。
山野草が大好きだった二人は、お店に山野草が置かれる度に買って帰ってきましたね。
一緒に行った時は、一鉢で済むのに別々に出かけた時は帰ってきてから笑うこともありましたね。
白い花を描くことが好きだった真愛に、厚洋さんが「鷺草」を買って来てくれていたのに、真愛も同じお店で買って来て、
「あっ!」
「なんだ。お前も買ったのか⁈」
同じ「鷺草」が二鉢。
折角の厚洋さんの思いやりを無にしてしまった様でバツが悪いやら、真愛の欲しいものを分かってくれて嬉しいやら…。
ちゃんと「ありがとう❣️」っていたのか覚えていませんが、1500日目の今日、思い出したので、改めて言います。
「ありがとう❣️
何時も、真愛が描きたい白い花を
すぐ描ける様に用意してくれて、
本当に嬉しかったです。」
その日のうちに「鷺草」の花を描きました。
入院している時に、真愛の描いた「鷺草」の
花に詩をつけてくれましたね。
病院には、根の張っている植木鉢は縁起が悪いから、この花を切ってベットの横に飾りました。
「お?
鷺草が咲いたんだね。」
そして、真愛の白い花の絵「鷺草」を見ながら詩を作ってくれました。
サギソウが咲いたんだ
飛んでいるねぇ
俺はこれからどこへ飛んでいくんだろう
真愛はこれからどうするんだろう
泣くんだろうな
一人残して ごめん
俺にはどうすることもできない明日
明日を切り開ける真愛だ。
とどまることなく歩め
飛べ 自由に
大空を飛べ
きっと となりを飛んでやるから (厚洋)
って、作ってくれた。
その詩に対しての真愛の詩は、
ー 白い花が咲きました
小さい鷺が飛んでます
正気になる時間がほしくて
蜜柑も持って行きましょう
蜜柑の皮を剥く
狭くなった肺に
初秋の香りが流れる
壊れていた厚洋さんが還ってきた
「もう秋なんだ
秋の空を飛行機が落ちていくね」
飛んでなんか行かないで
ずっと私のそばにいて
笑顔じゃなくてもいい
正気に戻らなくてもいい
あなたの胸で
ずっと抱いて 私を (真愛)
あの時青かった蜜柑も、もうしっかりと色をつける季節になりました。
食べてくれる主がいなくなった蜜柑は、暖かい秋の日をたくさん浴びているので、きっと、真愛の好きな甘い温州蜜柑になっていますね。
雑学博士の貴方が教えてくれたのは、
「ホトトギスってね。
あの紫の斑点模様が、鳥のホトトギスの胸の
模様に似ていることからつけられたらしいよ
鳴き声だけは、夏によく聞くだろう?
テッペンカケタカ!とか。特許許可局!
って。オスはね。ホットトトギス!って鳴く
ほっといてかね?
メスはね。ピッピピピピって可愛いけど、
自分の卵を鶯の巣に産み落として、
育てさせるそうだ。
いやぁ。女はどこも怖いねぇ。」
なんて言ってましたね。
何かの話の後には、必ず真愛をイジイジさせることを言ってましたね。
揶揄ってくれる貴方が居なくて寂しいです。
1500日目の今日。
ホトトギスの花言葉を調べました。
ホトトギスが日陰で力強く咲いている姿から「秘めた意志」という言葉がメインですが、
「永遠にあなたのもの」「永遠の若さ」という
ロマンチックな花言葉もついていました。
花持ちが長く、生花によく使われるからなのでしょうね。
【永遠に貴方のもの】なんて、貴方が元気なうちに教えてあげたかったですね。
真愛の心は、永遠にあなたのものです。
厚洋さんの愛も永遠に真愛のものです。
先に逝ってしまうと、後でどんなふうに言われようと否定できませんね。
一人残されて寂しい思いはしていますけど、真愛お得意の勝手な妄想で、貴方からの愛を永遠にさせてしまっています。
寂しいけど逝かせた者の強みですね。
ちょっとは強くなりました。
ちょっとは泣かなくなりました。涙は溢れず瞬きすれば誤魔化せます。
dry eyeの真愛にはちょうどよくなったのかもしれません。
1500日が経ちました。
出来れば、甘い蜜柑を食べに来てください。
ちゃんと剥いてあげますから…。
ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります