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子育てパニック 3学期

 冬休みもお正月連休も終わり、いよいよ3学期が始動する。
 今日から全日日程で進めたい学校は、先週の金曜日に始業式をやって、今日から給食もあって、午後の学習もあって全日日程をこなす。
 これは、真愛が勤めていた頃の公立小学校の考え方なので、受験がある中学校や高校には全く当てはまらない。
 TVで放映されるサッカーやバスケット・ジャンプ・駅伝・相撲・剣道なんて部活を持っている学校なんかは、休みなんかは無いのだろう。
 有名校の有迷項である。
 そうでなくても、今の学校現場はどこも大変な気がする。
 コロナ禍で変化した人間関係や指導要領の改正で増えた学習内容。そんな事を考えたら、始業式をやって
「はい。今日はこれでお終い。
 明日から、3学期の本格的な学習日です。」
なんて言っていられないのだ。
 最近、教員希望の学生が少ないらしい。
 なんとなく分かる。

校庭に子どもが溢れる様子は最高だ

 さて、「何が子育てパニックなのか?」という事だが、「3学期」というのは、教師も子ども一定の流れの中で、ある程度の慣れを覚えた上での学年のまとめに入るのだ。
・学年相応の学力を身につけさせて
 おかなければいけない。
 わかり易く言えば、1年生の国語では
 配当漢字80字が理解できている事だ。
 これは国語学習の極一部でまだまだある。
 算数だって、沢山ある。
 それをベースにして、2年生の学習をするの
 だから、積み残しがあってはならないのだ。
 しかし、全ての子どもが全ての学習内容を
 習得して進級するわけでは無い。

 こんなに忙しくなかった時代に育った真愛だが、なんだか小学校2年生あたりの算数を落としたまま、今のお婆さんになっている。
 掛け算九九の七の段辺りからあやふやであり、大きな数の引き算や足し算が苦手である。
(教員の時も子どもに負けていたし、
 初任の時に板書した「も」の書き順が
 間違っていると講師から叱られた。)
 それでも教員採用試験に合格したんだから、良い加減な時代だったのだ。
 そういうわけで、3学期は学年のまとめ。
 子どもの学力差が明確になる時期でもある。
 その上、3学期になるとその子に対する固定観念もついてしまう。
 何も話さない子。一人でいる子。笑わない子。真愛の小学校一年生はこれだったと思う。
 家に帰れば喋りまくっていた子なのに、貧しく当時の保育園に通っていなかったこともあり、同じ年齢の子とどう接して良いのか、何を話せば良いのか、集団に入る術を知らなかった。(4年生から、人が変わったように積極的になるのだが…。その話は別の機会で…。)
 3学期になると凡そ、その子が学級でどんな位置にあるかが分かる。
 リーダー格であるとか、いじめっ子・いじめられっ子。陰のドン!とかである。
 それについて、小さいながら本人も気づいているのが3学期だろう。
 だから厄介な学期なのだ。
 それに登校日数も極めて少ない。
 卒業式に結構な時数を使うのは、1番大切な6年の3学期だ。(あの偉大な行事を有効利用して学力や心を育てないと勿体無い学期でもある。)

入園式の日


 その3学期がスタートする。
 子育てパニックである。
 親も完全に学校に通わせることに慣れている。まして、学力も体力も心もすくすくと育ち、楽しく学校に通ってくれていると問題を見逃してしまう3学期でもある。
 新学期の時には、
「どう?
 学校は楽しい?
 お勉強は何をやったの?
 先生はどんな人?」
と必ず聞いたのに、
「お帰り!
 ちゃんと手洗ってね。うがいも!
 コロナはX BB1.5だって、8波は
 まだ増えるねー。
 宿題やったらオヤツね。」
で、宿題がどんな問題かも見なくなった。
 素晴らしく嬉しい慣れである。
 子どもさんが今の集団に順応しているからこそ感じる安心感からの慣れだからである。
 ここで真愛婆ちゃんは言いたい。
「子どもの心の声を開放してあげて!」
ということだ。
 問題が起こってから「子どもの声に傾聴を」では遅いのだ。
 本当に問題を抱えてからでは、その問題を話すことは難しい。
 一年生の入学式翌日のように、もう一度
「学校どうだった?
 先生は元気だった?
 面白いことはあった?」
と聞いて欲しい。
 そして、子どもがどんなことを口にしても、
全て聞いてあげて欲しい。
 何を話しても、「否定されたり、意見を押し付けられたり、説教されたりしない事」が話し手にとって安心安全な気持ちになる事であり、ちょっとした問題を吐き出す時なのだから。
 もしも、問題を発見したからと言って、アドバイスしたり、「じゃ、先生に言ってあげる」なんて口が裂けても言わないで欲しい。
 唯一の味方が、敵になる瞬間である。
 知り得た秘密は、守秘義務があるのだ。

 なんでも話せる相互関係を、もう一度作って欲しい3学期なのだ。

 問題を感じたら、「傾聴」である。
・ちゃんと向き合って聞いてください。
・子どもに分かるように頷いて聞いてください
・気持ちと呼吸を子どもに合わせてください。
・声のトーンも子どもに合わせてください。
・子どもの感情を見逃さず、その言葉を
 しっかり繰り返してください。

「そう、嬉しかったねえ。」
「そうか。悲しかったね。」
・言葉にならない感情を代弁してあげて。
・話が一段落したところで、子どもの話を
 まとめてあげてください。」
・子どもが自己決定や意思決定をした時には、
 逃さず承認し、称賛してあげてください。

 今日一日で楽しかった話を沢山してくれたら、嬉しいですね。
 今日一日で発見した事を話してくれるのも嬉しいですね。
 学校だけが、生活ではないですもの。
「ママが今日はすごく優しいね。」
なんて発見されたら、最高の3学期スタートかもしれません。

 2023年はスタートしましたが、2022年度は、締めくくりの「慣れ」の中で始まった学期なのですから。

ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります