子育てパニック 夏休み明け前
見出しの画像の赤ちゃんの子どもが大きくなって、子育てに大奮闘していた24歳の真愛はおばあちゃんとして「ランドセル祝い」をする年になった。
台風一過、酷暑の日に家族そろって、
「真愛ちゃん。お誕生日おめでとう🎁」
と可愛いお誕生日カードを作って持って来てくれた。
パパと一緒に玄関まで来た。
「ありがとうございます。
これは、真愛ちゃんからです。」
と小さなランドセルをプレゼントした。
中には、「きみぴょんのクッキー」と「入学準備祝い」と記しニトリのランドセルが買えるぐらいのお祝いを入れた。
「一人の子育てでも大変なのに、
二人も育てている貴方達は偉い!」みたいな手紙もつけて…。
折角の来てくれたのだから、北海道のスイカや地元のアスパラやフルーツトマトなんか詰めて渡すと、
「入りたくなっちゃった。」
と何度も言う。
パパママに言われていたのだ。
「おばあちゃんが大事だから、
お家の中には入りません。また、今度ね。
ちゃんと我慢するのよ。」
と。
それを守る孫を見て、
(我慢酢良くなったなあ。)と思った。
息子や嫁がLINEで送ってくれる孫の様子を見ていてもずいぶんしっかりして来ている。
外で、ママと小学校の話をしていると、
孫が車の中から、盛んに言っている。
「私は、今5歳です!」
「コアラに行っています。」
「へっ?まだ、5歳??」
10分程度しか滞在せずに帰る息子家族を見送りながら、間違えに気がついた。
そして、すぐLINEを送った。
「先程はありがとう。
とっても素敵なプレゼント。
頑張って作品を描き上げなくてはと
思いました。
若返りの秘薬も嬉しかったです。
で、tumuさんの歳を間違えていました。
kaoちゃんに言われて。???でした。
ボケたかな?笑笑。
ランドセルの中のものは、
パパとママのお小遣いにしてください。
ランドセル祝いは、また、
来年の夏に来た時に!
ボケないようにプールに行ってきます。」
と送った。
入学する8ヶ月前のお盆休みに、孫が来たらランドセルを買いにいく。いつ頃から始まったのだろうか?
早い早い入学準備なのである。
さて、本題はお盆が終わる日に思い出した
「夏休み明け前」「準備中の不安感」である。
教員をやっていた頃には、お盆が終わったら二学期の準備をしなければならない。
息子が小学校の頃は、カツオ君ではないが宿題をどう終わらせるか親の面子もあって大騒ぎとなった。
教員の自分でも、長期休業の後の出勤は面倒くさかった。今でもそうだが、締め切りギリギリまでグズグズとエンジンが掛からない性格は、息子にもしっかり遺伝していた。
厚洋さんのように、手際よく課題を解決して後はのんびり遊んで過ごす様な性格になりたいと何度も思った。
その頃は、自分の事と息子の事で手一杯だった。今思うと教え子達に申し訳ないと思う。
真愛の担任した子ども達に「登校を渋る子」がいなかったから、気づかなかったのであり、そういう子がいても、無理矢理登校させていたから気づけなかったのだと思う。
我が教え子の中には、きっと切ない思いをしていた子もいたのだろう。
8月21日の登校日に
「宿題なんかやってこなくてもいいんだぞ。
やるもんか!と決めて、何にも出さない
ことができたら、凄いことだ。
やってみろ!」
なんて、言う担任だったから、怖くて残りの10日間で何とか全部やって来る。
あれは、正しく「脅し」であった。
一人一人の子どもにあった夏休みの在り方を考えてあげていたら、真愛の教え子はもっと立派になっていたと思う。
(今でも、十分に立派な人になり、
更に成長しているが…。)
不登校の傾向がある子どもは、そろそろその兆候が出てくる時期でもある。
みんなが休みになっている時は、精神的に安定している。休んでいて良いからだ。
心に何らかの不安があり、友達と同じ事ができない自分を良くない人間ってだと思ってしまう。
「休んではいけない。」
「学校に行かななくてはいけない。」
と、自分自身で脅迫観念を持ってしまう。
「2021年の小中高生の自殺が、
過去最多だった2020年を上回るペース
になっていることがわかった」と書かれた
去年に日記。
文科省や専門家は、コロナ禍が子どもの心に与える影響を危惧しているが、事態がよくなる兆しは見えていない。
コロナ禍は、第七波の高止まり中。
そんな中もっとも注意すべき、夏休み明けを迎える。
「自殺の増加の背景」
「前触れとなるサイン」
「周囲にお願いしたいこと」
厚労省によれば、2020年の小中高生の自殺者数は499人。
統計を取り始めた1980年以降、最も多くなったと言う。
上半期(1月から6月)を比較すると、20年は203人、21年は234人と21年のほうが上回っている。(2021年7月29日時点の暫定値)。
文科省の有識者会議では「新型コロナウイルス感染症の拡大による家庭や学校の環境変化などによる影響」が背景にあると指摘した。
コロナストレスは放射能ストレスに類似していると言う。
臨床現場で子どもたちを診ている心療内科医は、コロナが広がっていることの心への影響を指摘する。
コロナが子どもの心に与える影響は、東日本大震災の「原発・放射能ストレスに似ていると言う。
放射能ストレスの特徴は
「どこが安全か危険かわからない」
「いつ終息するか分からない」などで、
もやもやしたストレスが長期に渡り続くことだった。
現在のコロナ禍も同じような状況。
こうした状況がボディブローのように子どもたちの心の健康に影響を与え続け、その結果として、過剰な手洗いや外出恐怖などの強迫症状、不登校などのかたちであらわれている」という。
驚いたことに、4人に1人の子どもがうつ症状だという。
多くの子どもたちが慢性的なストレスを抱えていることは、国立成育医療研究センターの調査でも明らかになった。
国立成育医療研究センターでは、2020年度末、小学4年生から高校3年生の924名にアンケート調査を行ない分析。
その結果、23.6%の子どもが中程度以上のうつ症状。およそ4人に1人だという。
2021年2月から3月にかけて行なわれた調査では「もう死にたい 心の限界が近づいている」(中1・男子)と、苦しい気持ちを抱え込んでいる自由記述なども見られた。
不登校の相談も増えているそうで、「コロナ禍の影響を受けた不登校」がある。
小1の2月末からコロナ禍によって休校が開始。
通常登校が始まったのは小2の6月。
朝、登校しようとすると「お腹が痛い」と動けない日々が続いた。
何が原因なのか親は理解ができないまま欠席が重なり、不登校になった。
この子の場合、小1のころから「宿題ができない」とパニックを起こしたり、心因性の病気があったりなど、学校は「疲れる場」だったようだ。
それでもなんとか通っていたが、コロナ禍でストレスも重なり、行けなくなったのではないだろうか。
休校明けから突然、いじめを受けて学校へ行けなくなったというケースもある。
中1、仲良しだったはずの2人から、急に無視、陰口などを言われるようになり、内容はしだいにエスカレート。
きっかけもわからないまま、その子は教室に入るだけで涙が出るほど精神的に追い詰められた。
そこで一旦不登校をして様子を見ることにしたのだ。
いじめた2人はコロナストレスを強く感じ、その発散先にその子を選んだのではないだろうか。
いじめる原因も、コロナ禍による心への影響からも含まれるようになったのだ。
理由が不透明なまま不登校になったり、大人が見えないところでいじめが起きたりしているのも事実である。
子どもを見守っていく際、とくに注意すべきは夏休み明け。
学校で苦しいことを経験した子は、新学期の準備に入る8月後半から
「また同じような生活がはじまってしまう」
と不安にかられるのだ。
「ジェットコースターに乗ったときと同じような心理になる」とも言われている。
ジェットコースターは急降下で落ちている最中よりも、落ちる直前のほうが強い恐怖を感じる。
あの長い列に並んで、「富士山」に乗るまでが乗っている時よりも怖かった。
見えない未来に、今までの経験を入れて、最大限の恐怖が襲うのだ。
同じように子どもにとって新学期前日の夜がまさにジェットコースターが落ちる前なのだ。
恐怖を感じたまま新学期の朝を迎え、悲しい選択をしてしまう子が毎年何人もいるのだ。
自殺を考える子も多い。
小中高生の月別自殺者数でも、その傾向は顕著である。
コロナの影響で夏休みが短縮されたために
2020年は例年と同様に9月にピークが来ていた。さらに言えば、コロナ禍の2021年8月は前年の倍近い自殺者数がでたそうだ。
「学校へ行きたくない」
は命に関わるSOSなのだ!
一方、自殺防止に向けて、その兆候をつかむヒントもある。
調査によれば、ネット上で「学校 行きたくない」というワードの検索数が増加したあと、子どもの自殺者数が増加したという関連性が判明。
この調査結果は、20年間、不登校を取材してきた医師の実感に沿う説得力のあることだったという。
「学校へ行きたくない」と苦しんでいる子のなかには「死にたい」と思うほど追い詰められる子も多いのだ。
「いじめ自殺」で亡くなった子のなかには、「行きたくない」という気持ちを言葉や態度で示していた子もいる。
「学校へ行きたくない」という訴えは、命に関わるSOSである。
不登校!
沢山の原因と苦しみでもがいているのだ。
子どもを持つ親や教育関係者に向けて…。
①「学校へ行きたくない」
という訴えは命に関わるSOSです。
②命を守るために「行きたくない」
という訴えを見逃さないでください。
③より多くの命を守るため『TALKの原則』
に沿った対応をしてほしいという。
「学校へ行きたくない」という訴えは、
切実なものであり、周囲の返答次第では子どもを追い詰めてしまう。
勉強も社会性もあとから十分に取り返すことができる。
子どもは親や周囲に言えないことで悩んでいる場合もあるのだ。
「行きたくない」という言葉や態度が見えたら、躊躇せずに休ませよう。
学校は命を削ってまで通うところではない。
自殺予防の対応原則「TALKの原則」とは
子どもが精神的に不安定になったり、学校を行きしぶったりなど、周囲が異変を感じたら「TALKの原則」に沿った対応をお願いします。なお異変を示すサインは多様にありますが、親や教員自身が「どこか、おかしい」と感じたら、その直感もサインです。
「TALKの原則」とは、カナダの自殺予防のグループがつくったもので、文部科学省や病院のガイドラインなどでも示されています。
(1)Tell:言葉に出して心配していること
を伝える。
(2)Ask:「死にたい」という気持ちに
ついて、率直に尋ねる。
(3)Listen:絶望的な気持ちを傾聴する。
(4)Keep safe:安全を確保する。
(文科省『教師が知っておきたい「子どもの自殺予防」』より)
「安全確保」とは、
緊急時ならば目を離さないこと、
いじめが起きている場合は学校へ登校させないこと。
いじめなどの暴力を受けていると、恐怖感のあまり不登校を本人が拒む場合もあるが、危険な場所からは本人を遠ざける。
心身の安全が確保できた段階で、あらためて
本人の意思確認を行なったり、
精神科など専門家へ相談をしたり
といった対応をするのもいいだろう。
○ポイントは2つ。
ひとつは『自殺についてはっきりと尋ねる(Ask)』ことは悪いことではない。
けっして『崖っぷちにいる人の背中を押す』ことにはならないということらしい。
知識のない真愛などはあたふたしてしまい、
怖くて尋ねられない気がする。
そして、「相手の訴えに傾聴する(Listen)』は、
『バカなこと言わないの』
『冗談はやめてよ』と相手の話を遮ったり、『死んではいけない』
『死んだら残された人はどうするのだ』
などといった正論をぶつけたりしないことが大事だそうだ。
【いま悩んでいる方へ伝えたいこと】
として、
⭐︎どんな言葉も信じられないかもしれないが、
ひとつ信じてもらいたいのは、
「学校へ行かなくても、その先の人生がある」ということ。
学校よりも自分を大切にして欲しいということ。
もしも「行きたくない」と思ったら、
どんな理由であるにせよ、
今のあなたの心のサインです。
学校と距離を取ってみるのも一つの手だ。
勇気を持って「不登校」をしてみることだ。
入学準備を間違えたおばあちゃんが、心から心配をしている。
子育ては、神ではない人間が、
心を読めない人間が、
人を育てるのだ。
ちょっとした変化で、
オロオロとパニックになっても仕方がないと思う。
愛するがゆえに
パニックになる事もあるだろう。
愛するがゆえに
何も語れなくなってしまうこともある
長期休暇明け前が、
一番ドキドキしているのだ。
その子に合った準備をしてあげてほしい。
ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります