1423素数日
昨日は、単の着物を着て、三絃のお稽古に行く事が出来ました。
「貝の口を結んだの。
見て!見て!
ちょっと小粋でいいでしょう?」
写真の厚洋さんは、ちょっと首を傾けて笑っているだけでした。
厚洋さんが「着物を着た人が好きだ。」というから、頑張って着付け教室(ハクビ)で習って、真っ白い割烹着を着てあなたの帰りを待ちました。
結婚する前の話ですね。
好きこそ物の上手なれってのは、本当のこと。
貴方に喜んでもらえるように、帯結びの本も買って色々結べるようになりました。
貴方と一緒にいなかったら、真愛は着物を一人で着られる人にはならなかったの。
貴方が「三味線を弾いてみたい。」って言ったから、三味線も買ったけどお稽古なんて「ご縁」がなかった。
貴方が逝った後に訪れた「ご縁」。
お三味線をもらって、弾きたいって思って
お師匠さんに恵まれて…。
貴方がやりたかった事を、
貴方にやりせてあげたかった事を、
貴方が真愛にやらせてくれています。
こうやって、一つ一つ望んでいた事が、願っていた事が、できていくのですね。
ただ、いつもなら、褒めてくれる貴方がいないのが、切ないです。
「よく、頑張ったな!」
って、頭をボンボンと撫でてくれる厚洋さんが恋しいです。
一年前の今日は、ワクチンの一回目接種前でドキドキと不安がっている真愛がいました。
「13:40からワクチン接種。
近づけば近づく程、悪い未来を想像する。
真愛は、根っからのビビリである事が
分かった。
厚洋さんがいたから、突っ走って強がって
いられたのだと思う。
若いは、馬鹿いって事もあったけど、
あれだけやれたのは、厚洋さんが、何時も
『いいんじゃない⁈
やってみれば!」
のGOサインだった。
やっぱり愛しい人は、人生の応援者であり、
厚洋先生!
師匠だったんだね。
ビビリの真愛を育ててくれていたのね。」
と、一年前の日記に書いてありました。
今日は、
貴方が逝って1423日めの素数日。
ちょっと怖がりで、なんでもやりたがって、
今でも、厚洋さんが大好きな真愛のまま元気に生きています。
ワクチン接種も3回受けました。
でも、コロナ禍は進みBA5とやらが猛威を振るい第七波の真っ最中です。
「ちょっと怖がりぐらいが良いな。
俺が守らなくっちゃって思えたもんな。
俺が男でいられたのは
お前が女だったからだよ。
弱いってのも悪くないぞ。」
毎日、ニュースで感染者数を確認しては、自主的行動制限をしている真愛の右肩で厚洋さんが言うのです。
プールに行くのも空いてる時間に。
どこに行くのもマスクをして、帰って来れば必ず手洗い、そしてうがい、着替えもします。
「ちゃんとやってるな。
人がなんと言おうと俺の言う事を聞け!」
厚洋さんがずっと言っていた事をやっています。
いつものコーヒー屋さんは、明日からお盆休みになるんだそうです。
人のいない4時過ぎにきます。
厚洋さんの看護に通った道を通って来ました。貴方が逝ってから、4年が経とうとしているのですね。
新型コロナの全国の感染者数は25万を超えました。
ちょっと怖がりのままの真愛でいいと確認した「厚洋さんの素数日」でした。
真愛は、強く生きています。
ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります