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子育てパニック 新年度

 学校の新年度が始まってから3週間が過ぎた。どこの学校でもそうだと思うが、子どもも職員もそろそろ疲れが溜まってきている頃だろう。
 昔は、サザエさん症候群といって、日曜日のサザエさんが始まると、「明日からまた学校が始まるんだ。嫌だなあ。」と思い始めて、サザエさんが終わる頃には、「宿題やってないし、今からやるのも嫌だし、明日休みたい。」と思うのだ。
 宿題をやっていたとしても、自由に伸びやかに過ごしていたのが、明日から「拘束状態」になるのだ。教員である真愛自身も感じたし、「仕事をする事」は、大変だと思った。


 我が家の孫も保育園に入園した。
 パパと遊ぶのが好きなようで、パパのスケボーに触って乗って大喜びしている。
 ママも大好きで料理の手伝いもするらしい。ママは、二人の娘を分け隔てなく育て、パパのテレワークの邪魔にならないようによく外に遊びに出かけている。
 だから、色々なところに行っている。
 学校以上に初等教育をしている気がする。
 その孫が、慣らしをしてから、保育園に入園した。
 真愛に似たらしく、気が弱かったようだ。
 4日めに高熱を出し、1週間も休むことになった。
 熱は上がったり下がったり、感染症ではなかったが、父親は初めてのことで大慌てだった。
 ママは、いつも、子供のそばにいるので大体の様子が分かり、多少の熱でも動じない。
(新しい環境でストレスを抱えたかな?様子を見よう。)と思うのが母親だ。
 嫁さんも母親としてしっかりしている子だ。
 ところが、通常体温や発熱時の様子をよく分からない父親(息子)は、ドタバタしてしまった。
 真愛の息子だけあって、真愛によく似ている。
 私も「息子」が熱を出した時は、大騒ぎをした。
 日頃よく世話をしている母(息子の祖母)は、動じなかったし、父親の厚洋さんも落ち着いていた。
 私は、可愛がるだけで、しっかり世話をしなかったからかもしれない。
 息子は真愛よりもマシだった。下熱のためのシップや子供用の水分補給剤を購入しに行ったようだ。
 彼が帰ってくると孫はすでに寝ていた。
「熱下がった!寝てる?って
 触ろうと思ったら、
「寝かせておいて!」
 って叱られた。笑笑。」
とLINEが返ってきた。
 
 真愛は、大騒ぎする割に何もできず、更に、
世話をしてくれている人に、ああだこうだと自分の知識を言う。
 要するに「困った母親」だったと思う。

 新学期を迎えると、孫のような子供が多い。
 多少なりとも、ストレスによるなんらかの症状を起こす。

 良い反応は、
 新しい先生が好きで、学校に行くのが好きになり、明るく元気になる。
 そんな子は、好きな先生に良いところを見せたくなり、頑張りすぎる傾向がある。
 新しい先生が若く、たくさん遊んでくれたりすると、嬉しくって大はしゃぎ、運動量も増えてエネルギー不足になって、疲れのためのダウン!が起こる。
 発熱! 欠席である。
 本人は苦しいが、担任としても親としても嬉しい状態である。

 困った反応は、新しい先生と感覚が合わず、日々ストレスが溜まり、何もかもがうまく回らなくなる状態だ。
 先生の言うことが聞きたく無いので、聞かない。
 聞かないとやることが分からずみんなと一緒に出来ない。
 みんなと一緒にやれないとそこにいたくなくなる。先生にも注意されることが多くなり、学校に行きたくなくなる。
 親も心配する「先生が見てくれない。」と申し出ると「僕だけ特別に見られるのが嫌だ。」と先生を避ける。
 
 もっとも、この負の連鎖を断ち切る為には、先生が己を振り返るのが最初だ。
 自分が子どもにどう接していたか省みて、その子に寄り添っていたか考えればいい。

 たとえ、先生と合わなくても、
     (先生は僕を見てくれている。)
みんなと一緒にやれなくても
     (じっくり、待ってくれる。
      やり方を何度も教えてくれる。
      嫌な顔をしない。)
と感じれば、少しずつであるが、信頼関係が築かれていく。
 
 もう一つは、友達同士の関係である。
 ここには、教師が入ることができない世界がある。
 特に、新年度スタート直後は子どもの交友関係は全く掴めない。
 1学期終了ごろになって、クラスのボスとか、クラスのいじめられっ子が分かってくる。
 そんな不安定な子どもの世界で生活しているのだから、子どもなりに気苦労が多いのだ。
 熱も出るし、熱がなくても学校を休みたくなる子もいるだろう。

 新年度は、子供だけでは無い。
 社会全体が新年度なので、子ども同様ストレスを抱える。
 会社でのストレス。大人社会でのストレスなので、学校以上に辛い人もいるだろう。↓
「卯の花」「卯木の花」

 テレビで出勤風景を見るが、多くの人が「やや下」を向いて歩いている。
 ら視線の先には何もなく、ただまっすぐ向いて歩いている。
「あゝ。空が綺麗だ!」
なんて人はあまり見ない。
 みんなストレスを抱えているのだろうなあと思う。
 一年の中で1番自死が多いのは、この新年度・4月末と連休直後の5月らしい。
 生きてい事に耐えられなくならくらいのストレスを抱えてしまうのだ。
 ここで一言何かを言って、ストレスがなくなるならば、体験談を話してあげたい。
 しかし、この新年度ストレスは、人それぞれで、原因が一律では無い。
 だから、何もいえない。↓
「エビネラン」

 取り留めのない話を書いてしまったが、
「新年度」と言う魔物に飲み込まれず、「自分を失わず」元気にストレスを乗り越えてほしいと思う。
 
 親は「子育てパニック」を起こしても、動じない事だ。
 子どもは親が「ドキドキ」していれば、自分も「ドキドキ」してしまう。
 少しの期間「三ヶ月ぐらい」は、肝っ玉かあさんとして、ドーンと構えていてあげてください。
 未来のある素晴らしい命なのです。
 どんなに素晴らしい人になるか分からないのです。
 新学期スタートで、人生が決まることはないのだと思っています。
 みんなみんな頑張っていて、ストレスになるのです。
 熱が出たら、「知恵熱」です。
 ゆっくり休ませてあげてください。
 

 と書いて保存していたら、2週間登園したら「緊急事態宣言」が発令されて、どうなることやら…。
 孫は東京に住んでいて、保育園は他県にある。そうなると、県を跨いでの移動は控えると言う事になるので、きっと連休明けまでお休みなのだろうなあ。
 こんな時代に育つ孫たちが心配になった。

ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります