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子育てパニック 近視

 入学式が終わると、学校に慣れながら、全校児童が対象の健康診断の行事が行われる。
 身長体重測定から始まり、聴力視力検査も行われる。
 そこで楽しいのは、視力検査のお手伝いだ。ランドルド環を使って
「空いてるのはどっちですか?」
と聞くのだが、右手で右目を押さえて、左手を器用に動かしながら空いてる方を指で指すのだ。
 左で右を、左手で上を、左手で下を指すのは簡単だが、左手人差し指で左を刺すのが可愛い。
 右に向けていた人差し指をそのまま手首を返して、手の甲を前に見せたまま左を指せば良いのだが、そこはとんでもないことをやるのが、宇宙人みたいに可愛い子たちだ。
 人差し指を左に向けるのに手首が2回3回と回転し、人差し指は下回りに肘まで回る。
凄い時には体全体が左を向く。
 笑いを堪えながら、検査をさせてもらうのが至福の時であった。
 更に入学前の視力検査には、鳥とか、犬とか絵のシルエットを見せるのだ。
「うーん。カラス!」と言ったり、
「その犬。柴犬かな?ちょっと大きいな。」
なんて子もいるのでそれも楽しい。
 どの子もみんな
「良い眼ですね。
 大事にしてくださいね。」
と検査を締めくくる。
 濁りのない瞳を持った、素晴らしい子どもたちの眼である。
 ところが、数年経つとその視力が低下する子が増えてくる。
 日本のこどもの近視は増加傾向にあり、文科省の学校保健統計調査によると、裸眼視力が1.0未満の割合はここ10年で小学生が約7%増加。中学生が約8.7%増、高校生が約3.5%増になっているそうだ。
 近視は、遺伝的要因と環境要因の両方が関係すると言われているが、近年になって近視が増えているのは、環境による影響が大きいと考えられている。
 最近では、後付け因果も多いので証明するのは難しいそうだ。
 しかし、ゲーム・スマホなど手元の近いところを見続ける「近業」が増えた影響が大きいという。

自慢の息子

 人が物を見る機能は3歳頃までに急速に発達するそうだ。
 そう言えば、人の持つ五感のうち聴覚は、骨伝導などを通して胎児の頃から聞いているらしい。触覚はオムツが濡れて不快を感じるのだから意外に早い。しかし、味覚は大人になっても発達しないままの者もいる。
 生まれて間もない赤ちゃんは、はっきりとものが見えず、朧げに母親を見つけているらしい。
 息子が生まれた時に
「赤ちゃんは赤い色はよく見えるらしい。」
と厚洋さんも真愛もよく赤い服を着た。
 息子の気を引こうという魂胆だったのが笑える。
 視力は一番発達が著しい感覚器官なので、その後の息子の澄んだ瞳は、親バカをしっかりと呆れて見ていたのだと思う。
 視力は、6から8歳、遅くとも10歳くらいまでには完成してしまう。
 だから、近視が出始めるのは大体7歳。
 要するに宇宙人のような可愛い動きをしながら視力検査を受ける頃の小学校1年生なのだ。
 近業を続ければ、中高生になっても近視は進むという。
 したがって、小児期に近視を予防するのが大事な事なのである。

大きな眼

 小学校1年生にがスマホを見ている時に、
「目が悪くなるから気をつけなさい。」
と言っても素直に聞いてくれない。
 見えない感覚がどういう事か分からないのでいうことを聞かないのだ。
 それに、スマホやデジタル機器は暮らしや学習に欠かせない物になっていて、使わせない事はできない。
 仕方がないから、遠回しに「近視予防」を習慣付けるしかない。

🟢真愛は、40歳あたりで近眼になった。
 病院に行って「近眼になってのですが…。」
 と言うと、優しく笑いながら眼医者さんは
「加齢による近眼なので、老眼ですね。」
 と言われた。
 近くの物が見えにくくなる老眼とは、
「目の老化現象」のひとつであり、通常であれ
 ば4歳前後から始まるそうだ。
 40歳まで持ったのは立派である。
 しかし、スマートフォンの長時間使用などが 
 きっかけで起こる「スマホ老眼」は、小児や
 成人でも20代30代など若い世代の方にも
 みられる現象である。

 近くの物を見るとき、カメラのレンズのよう
 な役割を担う水晶体は分厚く膨らみピントを
 合わせている。
 この厚みを調整するのは毛様体筋という筋肉
 であり、近くを見るときは緊張した状態。
 スマホ老眼とは、至近距離のものを見続ける
 ことで筋肉の緊張状態が長時間続いてしまい
 結果として調節機能の低下により近方も遠方
 もぼやけて見える状態。

ガラケイが好きな孫

 スマホ老眼と聞くと、多くの方は「眼球の問題」だけに目を向ける傾向があるが、物体を見るという行為は、脳・神経系の情報処理により成立する行為である。
 毛様体筋を緊張させて水晶体を膨らませるよう指令を出しているのは、ほかならぬ大脳である。
 ゲームという娯楽行為を行っているにも関わらず、脳の中の血流量はパソコン作業を行っているときと同じように「自覚的疲労度」も徐々に高まるのだそうだ。
 ゲームを繰り返すことで脳の中で疲労を感知する「眼窩前頭前野」の血流変化が顕著にみられ、水晶体や眼球ではなく脳の疲労であることになる。
 だから、スマホや手持ちタイプのゲーム機は、画面が小さく、横になって楽な姿勢で見ることができる。
 その為目と画面の距離が近くなり、凝視してしまう。寄り目が長時間続くと内斜視の原因にもなる。
⭐️ゲームは、スマホよりタブレット。
 タブレットよりはパソコンが良いな!
⭐️太陽の光を浴びると近視の進行が抑制される
 そうだ。
 部屋の中で近くを見るのでなく、外遊びや
 スポーツをしながら遠くを見る事も大事。
(試合や練習中には、遠くを見て思いに
 耽っちゃダメ。)
⭐️姿勢を良くしよう。
 30センチは離しましょ!
 頬杖もダメ。猫背もダメね。
⭐️20-20-20のルール。
 ・画面を20分見続けたら
 ・20フィート、6m先を
 ・20秒間見続ける。
⭐️眼鏡で矯正
 子どもの目の異常
 目を細める。目を近づける等等に気づいたら
 眼鏡で矯正する事も大切。

眼鏡なんて面倒くさい

 近眼も老眼も面倒くさい!
 老眼は加齢でなるけど、近眼は面倒くさい生活をするとなるのかもしれない。

ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります