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検査

 検査とは何のためにするのか?
 関電図やマンモグラフィー・心エコーなんて色々な検査を受けた。
 待合で座っている時間で、noteを公開しながら考えた。
(いつ死んでも良いと思っているなら
 何故、検査なんてするのだろう。)
 もう捨てた命なら、いつお迎えが来ても騒がぬはずなのに…。
 癌になろうが、除細動心房であろうが良いではないか。
 結論は、
「自分で死ねない以上、苦しまないで、
前日まで元気に過ごし、
 翌朝起きてこないので見に行ったら
 あちらに逝っていた。」
という死に方がしたいのだ。
 そのためには、元気でいなければいけない。
 食生活も気をつける、運動もする、そして、早期発見して、痛くなくギリギリまで元気よく全ての臓器器官を動かしておきたいのだ。
 転んで骨折して、寝たきりになって認知症なんて嫌だ。
(認知症は本人は幸せなんだが…。)

掲示

 若い人たちは、まだこれからの未来のために、健康診断を受けて、早期発見して治療しなければならない。
 しかし、厚洋さんなんて「健康診断は一度も受けていない。」保健の先生がわがままをいう厚洋さんに困って、校長先生に泣きついたという逸話もある。
 それでも受けなかったのは、すでに自分の体の様子がおかしい事を知っていたのだと思う。
 真愛が泣いて頼んで、仕方がなく肺の画像を調べてもらった時は、既に「肺気腫」すぐにゴロゴロを引っ張って歩くことになった。
 そして、酸素ボンベを繋がれて1ヶ月後、入院。全身に癌が転移している状態だった。 
 亡くなる15年ぐらい前から、変調はあったのだ。
 健康診断や内臓機能の検査をしていたら、今も元気で真愛を馬鹿にしながら晩酌を楽しんでいたのだろうと思うと、多くの若い人に
「今吸ってるそのタバコを捨てて禁煙!
 必ず健康診断を受けましょう。」
と叫びたい。
 厚洋さんはそれでも70歳と10ヶ月。
 70歳と8ヶ月まで、男性の平均健康寿命まで元気にしていたのだから…。
「俺は俺の人生を楽しんだぞ。
 我が人生に悔なし!
 真愛にも愛されたし、最後まで〇〇したし
 お前を置いていくのは心配だったけど、
 十分幸せだったよ。」
と厚洋さんの笑い声が聞こえる。
 真愛が泣いて頼んでも病院にいってくれない人なのだから、仕方がないかと最近は諦めている。

 しけし、真愛は女性であり、加藤登紀子さんに言わせれば、
「女は強いわよ。
 旦那が先に逝った女は長生きするんだから
 大変よ!頑張ってね❣️」
であり、まだまだ生きそうだ。
 生きるんだったら、痛かったり、苦しかったりするのは嫌だ。
 だから、健康診断をする。
 ところが、「70歳ご別れ道」には、医者を信用するなとか、健康診断を礼賛するな!と書いてある。

胃カメラの後

 しかし、今日も腹部エコーと胃カメラで検査をしてもらいにやって来た。
 毎年検査を欠かさずしている健康オタクの60代の男性も虚血性心不全とかで亡くなったと、プールのお友達が教えてくれた。
 前出の本には
「そもそも、日本の検診で示される「判定」のほとんどは、健康と考えられる人の平均値を挟んで95%の人を正常とし、そこから5%外れたものを異常とする統計的なものだ。」と書かれていた。
 更に面白い事は、お医者さんでありながら「健康診断を妄信するな!」というのだ。
 健康診断で異常と判定されると医師の指導を受けて一生懸命正常値に戻そうと薬を飲む。
 この事は、その人を健康にするどころか老化を加速させる。血糖値や血圧を下げれば、身体は怠く頭もはっきりしない。活動レベルはグッと落ちてしまう。コレステロールを下げようと、食事制限をしたり薬を飲んだりすれば、免疫力が下がってしまう。男性ホルモンの生成も落ちるので意欲が減退し鬱のリスクも高まる。
 で、
「意味のない検査数値に踊らされるぐらいなら、私は検診など受けない方がいいと考えます。」というのが筆者・和田秀樹先生の考え。
 心筋梗塞や脳梗塞を本当に予防したいなら、心臓ドックや脳ドックをお勧めともおっしゃる。

血管が細くて手首から

 どんどん医療が進んでいく現在。
 寿命が100歳近くまで延びていくこれからの時代は、事故やまだ未解明な病気で早死にするか、100歳近くまで長生きをして呆けて亡くなるかのどっちかという時代になってくるはずだというのだ。
 真愛は、後者は嫌なのだから、健康診断なんか受けなくてもいいのに、心のどっかで
「死にたくない!」
と思っているのだ。
「生きたい」「デレデレ生きていたくない」
なんだが矛盾した考えがぐるぐる巡りながら最終検査の胃カメラを飲んだ。
 喉の麻酔をしてもらい、麻酔を血管から入れようとしたが、血管が細くて針を入れにくかった。
「俺は血管が太いから病気になっても
 楽なんだ。
 楽な奴はなかなか病気にならない。
 お前はなかなか血管が出ないから
 病気になった時、
 腕とか手の甲とかに針を刺すんだぞ。
 そんな奴ほど病気になるんだなぁ。」
と、若い時に肺気胸で入院した厚洋さんは言った。
 その通り、その後何度も入院した真愛は、血管を探される度に彼の言葉を思い出した。
 結果としては、手術の多かった真愛が長生きをし、あまり病気にならなかった厚洋さんが癌で逝ってしまった。

 検査後ベットで1時間ほどぐっすりと寝た。厚洋さんの夢も見ないで…。
  なんだか、良性のポリープが見つかったからと検体をとってピロリ菌の検査をするって言っていた。
 真愛も癌で早死にするのかな?
 ボケて生きながらえるのかな?


   

ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります