見出し画像

birthday

 6月がお誕生日という大切な人が沢山いる。真愛の生まれ月と相性がいいのかもしれない。
 真愛は、8月生まれだから、真愛が生まれた月にその人たちは、あかあさんが命を宿したことになる。
 8月〇〇日。現世に誕生。
 8月〇〇日。ママのお腹の中で生命の誕生。
 無理矢理こじつけた相性の良さだが、四柱推命の相性で確認すると「丙が守るべき己」だったり、「丙と気の合う丁」だったり、「丙を守ってくれる甲」だったりする。
 真愛の思い込み相性占いもまんざらではない。
 このnoteに「笑顔を思う」と題して、三絃のお師匠さんの名前について書いた。
https://note.com/am4234/nn66127b862f80  「お師匠さん。伺っても良いですか?
 お名前、潤子さんですよね。
 それって、6月のJuneから取ったのですか?」
という真愛の質問に、お師匠さんは相好を崩して笑った。
「そうなの!父がね。
 英語でjune!
 笑っちゃうわよね。
 父がとっても色んなことをやった人で、
 紙問屋を手広くやってたらしいの。
 大陸に渡って商いもしたらしいわ。
 お軸の絵も描いてたりしてたらしいわ。
(日本画を描く真愛を知っていらっしゃるので、
 更に教えてくださったのだと思う。)
 潤ってね。みんなから好かれるようにって、
 父がつけてくれたのよ。
 若い頃は、恥ずかしい名前だったわ。」
と語ってくれた。
 素晴らしい、想像通りのお父さんだった。
 そのお父さんの娘だからこそ、芸術的にも素晴らしい感性を持たれたお師匠さんが生まれたのだ。
 そして、誰からも愛される可愛いお師匠さんであることにも納得した。
 笑顔を思い、「楽しい幸せな時間」も頂き、
更に、「名前をつけるという親の心」の素晴らしさも発見できたお師匠さんのbirthdayだった。

明月院ブルー

 優しい前の前田さんが15日。
 可愛いお師匠さんが16日。
 美人の通訳さんも16日。
 そして、元気な孫のtumが21日。
 それぞれにbirthday presentを考えるのが楽しかった。

 お誕生日ってなんだろう。
 真愛のような年になると、誕生日なんてあんまり嬉しくない。
(あゝぁ。
 また一つ、歳をとったんだね。)
 佐藤愛子さんの「90歳何がめでたい」ではないが、目出度いことなど感じない。
 厚洋さんも還暦を過ぎてから、同じような事を言っていた。
「前に向かって生きてるうちは、
 誕生日も成長の証で嬉しいが、
 還暦過ぎてUターン開始!
 あっちが痛い、こっちが痛い。 
 賢くなるより認知症に近づく。
 めでたくなんかあるもんか!」
と。
 しかし、大好きなお酒をプレゼントされ、おつまみを豪華に並べられ、お気に入りのバックをもらったりするのは嬉しそうだった。
 ケーキは、birthday cakeではなく、ロンシャンのロールケーキとサバランだった。これは飾るだけで頂くのは真愛だからだ。
 その頃から、真愛が言った言葉は、
「お誕生日おめでとう。
 生まれてくれてありがとう。
 元気でいてくれてありがとう。」
になった。
 歳を取ったら、明日のことはわからないのだから、こんな事は、毎日言わなければならない事なのに、やっぱり気恥ずかしいので言えない。
 毎日言われても、耳タコで感動もないだろう。

 厚洋さんは真愛よりもっと恥ずかしがり屋なので、言葉ではなく行動だった。
 birthday に買ってくれる真っ赤な薔薇の花束を渡すのも、
「おい!誕生日だろう?
 はい❣️」
って、料理をしている真愛に渡す。
「わあー❣️ありがとう。」
と最大限の喜びアクションをする真愛。
「デブになるから。」
と渡してくれるピアスや玄関に飾るニャンコグッズ。真愛は、すぐ開けて、大喜びする。
(本当に欲しいものだったから、
    オーバーアクションになった。)

 結婚する前、彼からのプレゼントに感謝のリアクションが足らずに
「要らないなら良いよ。
 やらない!」
と、ムッとされ。
 ♫感謝知らずの女🎶
「井上陽水さんの歌」🎶を
しつこく歌われた気がする。
 それからは、どんな小さなものでも頂き物には最大級の感謝表現をする様になった。
 それは、厚洋さんだけではなく、誰に対してでもあった。
(厚洋さんが教えてくれた思いやりの心の表現
 だ。
 自分のことを考えてしてくれたのだ。
 その心を頂くのだ。
 心からのありがとうをすべきだと
 思えるようになった。
 こう育ててくれたことにも感謝である。)

 しかし、厚洋さんの感謝表現は、どんなに嬉しくても
「おっ。ありがとう。」
と口角を2ミリほどあげる程度だった。
 だから、真愛が代わりに沢山の感謝の言葉を浴びせた。
「お誕生日おめでとう。
 生まれてくれてありがとう。
 元気でいてくれてありがとう。」

真っ赤な薔薇とチャーちゃん

 そして、彼が逝ってから一年後の誕生日に初めて思った事は、
「真愛は、幸せである。
 厚洋さんと出会えて幸せだった。
 この世に生まれて幸せだった。
 真愛を産んでくれてありがとう。」
と、亡き母に感謝し、父と出会ってくれたことにも感謝した。
 更に、厚洋さんを産んで育ててくれた北海道の父や母にも、真愛に繋がるご先祖様たちにも、厚洋さんに繋がるご先祖様にも、
 そして、今を生きている幸せを感じさせてくれている厚洋さんの教え子さんにも友達にも、真愛の教え子さんにも友達にも…。

お揃いを着て

 Happy birthday
 お誕生日の幸せは、産んでくれた母に感謝する日である。
 真愛の母は、自分の誕生日には、「白粥と梅干し」を食べた。
「産後の肥立ちが悪くて、早くに亡くなった
 実の母は、私が生まれたその日には、
「白粥」を食べることしかできなかったのよ。
 母がいなければ私はいない。
 そう思うようになってからは、美味しいもの
 を食べるよりは、「白粥」を食べて母のこと
 を思うようにしてるの。」
 我が母ながら、素晴らしい人だと思ったが、素直には母を褒められなかった。
 しかし、愛しい人に愛された幸せな日々を思い出した時、その自分が存在するのは父母のお陰なのであると気づいたのだ。
 本当に真愛は、色々な大切なことに気付くのが遅い。

可愛い孫

 孫のtumちゃん(ママ)から、荷物が届いたとお礼のLINEが入ったので、返事を書いた。

[tumちゃんのお誕生日ということは、
 貴女が彼女の歳プラス10ヶ月も頑張って来た
 ということなのです。
 本当は、お母さんありがとうの日なんだけどね
 今度来た時にママ・パパありがとうの日を
 しましょう。
 お砂糖菓子が入っているので、
 歯には良くないです。
 見せない方が良いかも?
 カードだけはひらがなで書いてあります。
 あんまり期待しないでください。

 この孫がもう少し大きくなったら、真愛がおばあさんになって気づいた「birthdayの意味」を
早めに伝えてあげられれば…いいなと思った。

ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります