どうして?
書きたかったが、読んだ方からの曲解で自分が傷つくのが嫌だったので書かなかった事だが、この期を逃したら、真愛と同じように思っている方と共感することができなくなってしまうと思った。
あえて書きたい。
今のウクライナとロシアの紛争。
言い直そう。戦争についてだ。
言い直そう、プーチンさんについてだ。
何年も前のプーチンさんだ。
綺麗な一本背負いが決まった。若いプーチンさんだ。
厚洋さんのお父さんはソ連によってシベリア抑留され、酷い扱いを受けたと聞いた。
北方四島の返還がない事。釧路から数キロいった岬からは島が見える。そこに日本人が生活をしていたのに不当だと思った。
ポツダム宣言を受諾したのに抑留では無いと言うソビエト連邦(ロシア)が嫌いだった。
それを聞いて育った厚洋さんの中にも少なからず反ロシア感情があったと思うが、釧路という大きな港町での大学生は、アルバイトでロシアの人とも通訳を通して仲良くなった。
自由と平等を愛した彼は、父とは少し違っていた。
ソビエト連邦からロシアになり、プーチン大統領の一本背負いを見た時に
「いい世の中になったな。
柔よく剛を制す。心の持ちようが良いよな。」
と言った。
真愛の父もソビエト連邦の頃、彼方で死んだと聞いているが、彼と結婚して考え方が変わった。
人の皮一枚剥がせば、皆同じ。赤い血が流れ、白い骨が出る。
音楽を楽しみ、何かに縋り、人を愛して生きている。
父の死様も分からず、遺体も不明・行方知れずのままだから、こんな事が言えるのかも知れないが、ロシアやプーチン大統領の印象はすこぶる良かった。
更に、愛犬家のプーチンさんに秋田犬をプレゼントすることになり、「ゆめちゃん」がもらわれていった。
お母さんは優姫号、お父さんは好古号。
秋田犬はマタギの犬。
北海道犬と同じである。
「優姫号」と聞いた時に、
「俺のうちで飼ってた北海道犬もマタギ犬だよ。
ユリヒメ号って言う血統書付きだった。
犬を可愛がった親父が、これ見たら、
本当に平和になったって思うのだろうなあ。」
と言った。
物言えぬものに対する優しさがある人は、優しい人なのだ。
真愛も「平和」であると思った10年前だ。
犬を掴んで持ち上げる人を見て、慌ててその犬を抱き上げて「よしよし。」と頬擦りをするそんな人が、何故、今回のような事をするのだろう。
何故なのだろう。
孤立しながら手に入れたいものはなんなのだろう。
真愛の「どうして?」の問いに答えてくれた気がするのは、「どこかの国で戦争が起きたとテレビのニュース…。」
まさに、今のことだ。
「他人事みたいな顔で人が死ぬ場面を見てるんだ。」
洗い物をしながら、振り返れば ニュースはもうお笑い番組に変わっているのだ。
何十年も何百年も人の営みは変わっていないのだ。自分には関係ない場所の出来事と思う人が、山ほどいるのだ。真愛のように…。
今は、便利で自分は幸せなのだ。
要するに「どうして?」と答えは、
「真愛の無関心」だったのだ。
恐ろしいのは武器ではなく人の心。
ナイフが刀になり槍になり鉄砲になり、
原爆になった。
もっともっと恐ろしい武器を考え出すのが
人間ってという生き物。
「悪魔は武器ではなく人の心に潜んでいます」
どうして?
人の心なのだ。
願わくば、プーチンさんがあの頃の子犬の掴み方を心配する心。
弱きもの小さきものを慈しむ心を思い出してくれて、この戦いを終わらせてほしい。
3匹のにゃんこを抱いて頬擦りする姿が本当の彼の本当の姿だと信じたい。
孤立するのではなく、触れられなくても心の手を繋ぎ合う世の中でありたい。
願いが届くように祈るしかない真愛である。