シジュウカラが喋ってた
真愛の目覚めは、小鳥の囀りによってである。最近は朝が早いので、天気の良い日は寝坊ができない。
「はい!朝です。
起きてください。
いいお天気ですよ。
大好きな洗濯物がたくさん干せますよ。
ほら、起きる!」
厚洋さんが、真愛を起こしてくれる時は、
「メシ❣️
食わないの❣️」
と、階下の壁をどんどん叩き、「お父ん」の起こし方だった。
理想的には、ベッドサイドに座り、「真愛、朝だよ。起きて❣️」って甘いオデコへのキスが良かったのだが、新婚の頃だけで終わった。
それに、新婚の頃は真愛が朝ごはんを頑張って作っていたので、私の方が早く起きた。
「あら、厚洋さん起きちゃったの。
ご飯まだなので、まだ、寝てて❣️」
って言うことの方が多かったのかな。
今は、厚洋さんの代わりに、シジュウカラとウグイスが起こしてくれる。
今夜のNHKで、「シジュウカラが話す」と言う番組をやっていた。
毎朝、起こされている真愛はシジュウカラ語が知りたかった。
なんでも、それの研究者は面白い。
沢山の個体を観察していると、その鳴き方のルールと行動のルールを関連づけることが出来るのだ。
真愛の窓辺のシジュウカラは、
「ピッツーピッピッ」となくことが多い。
しかし、
「ジュッジュジュッ」と鳴いている時は、
「みんな集まれ!」と言う意味らしい。
シジュウカラやヤマガラ・ゴジュウカラなどは、混群と言ってけっこう一緒に住んでいるらしく。
美味しいものがあると
「おい。おーい!
集まれ、美味しいものがあるぞ。」
と鳴くらしい。
この鳴き方で、小鳥たちが集まってくる映像が面白かった。
我が家の椿の花が咲く頃。コロコロ落ちるように枝から地面に飛び降りていたのは、シジュウカラの子供たちだったのかもしれない。
5月も末の昨日。
シジュウカラが玄関近くの水仙の枯葉の中から飛び出してきてびっくりした。
何処にでも冒険家はいるらしく、相手もビックリしていた。
子どもは親の鳴き方を真似して覚えるのだと言う。シジュウカラの言語教育である。
面白い番組だ。
厚洋さんが良く見ていた番組で、毎回のように言った。
「流石にNHK。いい番組だ。
もの言えぬものの行動を長く観察して
その言葉をも理解する。
民間の番組では、なかなかやれないな。」
明日からまた学校が始まると言う日曜日の夜に「believe」を聞きながら、言った言葉だ。
たとえば君が 傷ついて
くじけそうに なった時は
かならず僕が そばにいて
ささえてあげるよ その肩を
世界中の 希望のせて
この地球は まわってる
いま未来の 扉を開けるとき
悲しみや 苦しみが
いつの日か 喜びに変わるだろう
I believe in future 信じてる
もしも誰かが 君のそばで
泣きだしそうに なった時は
だまって腕を とりながら
いっしょに歩いて くれるよね
世界中の やさしさで
この地球をつつみたい
いま素直な 気持ちになれるなら
憧れや 愛しさが
大空に 弾けてひかるだろう
I believe in future 信じてる
いま未来の扉を開けるとき
I believe in future 信じてる
シジュウカラ語は、なんと他の鳥達も理解しているらしい。
シジュウカラがああ言っているのだから、
「危ないぞ!」と判断するのだそうだ。
素晴らしい。
偽物の蛇でも、ちゃんと叫んだそうだ。
シジュウカラも凄いが、研究者も凄い。
小学校4年生の説明文に「花を見つける手がかり」という教材があり、「モンシロチョウが花を見つける手がかりについての研究」が書かれている。
「日高敏隆先生と東京農業大学の人たち」
と括られた研究者達に子どもも私も何時も感心した。
そして、
「モンシロチョウは何も語ってくれませんが、
実験と観察を繰り返すことによって…。」
モンシロチョウも話してくれるのだというまとめが素晴らしい説明文だった。
まさしくその通りだ。
せっかく森に住んでいるのに、森の仲間達のことをよく知らない自分に気がついた。
ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります