好きな人だから、好きな物を!
兄が久々に我が家に寄った。お土産は、TOKYONEKONEKOのパンだ。
厚洋さんが亡くなってから、真愛を心配してこちらに来た折には、ネコ好きな真愛が大喜びするので、ネコネコパンをたくさん買って来てくれる。
パンは、炭水化物。
ダイエットには良くない。
しかし、折角、真愛の事を思って買って来てくれたのに、「ダイエット中です。とは言えない。」
兄妹だからだろう。
お互いが、お互いを思うので、真愛も兄の好きな物・美味しい物を探して特別に購入する。
気がついたら、全く同じ物だった。
猫ではないが、「八天堂の塩バター食パン」と「プレーンデニッシュ」
ドーンと二本だ。
更に、真愛は、教え子が作った苺「ほのか」を用意し、兄は、「福岡県産の「あまおう」をお土産に持って来てくれた。
テーブルの上には、パン屋さんと苺屋さんが開けるほどになった。
厚洋さんとも同じものがダブる事が、多かった。
「テレビ、見てて食べたそうだったから。」
と、二人で塩大福を二つずつ買って来てしまい、真愛が3つも食べる事になった。
「レバーの良いのがあったぞ!」とか、
「寿司食いに行くか?」とかいってくれる時は、必ず真愛もそう思う時だった。
真愛は、夫婦は同じ物を食べているから、栄養状態が似ているので、「食べたい物」も似てくるのかなと思った事がある。
今、気づいたのでは申し訳ないが、彼とブッキングしていたのは、彼が真愛のことを思っていてくれたからなのだ。
「厚洋さんの喜ぶ顔が見たかった。」ことは、自分の事だからちゃんと覚えている。
厚洋さんも「アイツの喜ぶ顔が見たい。」と、真愛を思ってくれていたのだ。
ニャンコグッズをたくさん買ってくれた事も、美味しそうなものを食べに入れて行ってくれた事もだ。
必ずペアで買ってくれるようになったのも、真愛が「ペアで可愛い。」と喜ぶのが多くなってからだと思う。
(お前の喜ぶ顔が見たい!)と口下手な厚洋さんが取った行為なのだと思った。
シャガの花を植えてくれたのも、
ライラックを植えたのも
この家をここに建ててくれたのも、そうだったのだ。
新築のこの家には、真愛の部屋があった。
最初は、夫婦の部屋ではなく、真愛のベッドとあつひろさんのベッドとは別々だった。
「なぜ?」
と、ショックだった真愛に向かって
「小さい頃から、自分の部屋を持った事がなか
ったろう?
だから、ちょっと気分だけ、
自分の部屋で好きな事やれよ。」
と言ってくれた。
真愛は、(妻として用無しなのかしら?)と切なく思っていたが、誤解していたのだ。
結局、「一緒に隣で寝たい!」とわざわざ厚洋さんの部屋に真愛のベッドを移動、ベッドルームにしてしまい、真愛の部屋は書斎になった。
亡くなってから937日。
厚洋さんが、夢の中で
「俺と一緒に進もう!」
と、手を取って言ってくれてから、まる2年。
これでもかって言うくらい厚洋さんに可愛がってもらっていた事「お前の喜ぶ顔が見たい」と思っていてくれていた事に気がついた。
兄との朝食は、兄の好きなもので、身体に良いものを考えて作った。
野菜嫌いな兄も食べられるように、ほうれん草のスープ・人参えんどうのSiriSiri・ブロッコリー・はんぺん・ウインナー・目玉焼き,パン・“金柑・ブルーベリー・夏みかん・苺のジャム”は全てオリゴ糖での手作り・R1も・グァテマラのコーヒー…。
厚洋さんのおつまみも毎晩(彼の喜ぶ顔を見たくて作った)同じだ。
好きな人には、好きな物をあげたら「喜んでくれる」その時の笑顔が見たかったのだ。
厚洋さんが真愛の朝ご飯を作ってくれた時も、(真愛が喜ぶ顔が見たかったのだ)更に、(真愛の健康の事も考えていてくれた)。
好きな人だから、好きな物を!
大好きな旦那様。大好きな兄貴。
いえ、大好きな女友達にも、好きな物をプレゼントしたい。
厚洋さんもきっと楽しんでくれると思う
《我が街初めてのウイスキー》【BOSO】を女友達にプレゼントした。
相手が喜んでくれる事が嬉しい。
その人の笑顔が見られる事が幸せ。
ー基本的に好きな人の笑顔が見たいのだー
好きな人の幸せが真愛の幸せなのだ。
己の幸せのために、人の幸せを考えることなんて、なんと素晴らしい事だろう。
「そう思える人がいっぱいいるって、
お前は、本当に幸せだな。良かった!」
って厚洋さんが笑っている気がした。
ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります