見出し画像

happy Mothers day

 happy mothers day
 息子のお嫁さんから、一番欲しい物を頂いた。「ニャンコのアイマスク」である。
 厚洋さんが亡くなってから、急激に視力が衰え、調べた所白内障と判明。
 暫く点眼薬で進行を遅らせ、免許の更新はできたのだが、さらに黄斑変性が見つかった。
 生活に支障はないが、白内障は眼球が若いうちに手術した方がレンズとの相性が良いという。
 コロナ禍なので悩んでいたが、かかりつけの先生のところに「帝京大学の先生」が来ていた。 
 真愛の情報ではK C病院は最近あまり上手ではないと聞いていたので、そこには行きたくなかった。
 そんな時、偶然「帝京の先生」にお会いして、話したらとても真摯な先生だった。
 厚洋さんが「S病院のT先生」に
「俺の命、あんたに任せる。」
と言った言葉を思い出す。
 手術の上手下手なんて素人には分からない。 
 ただその先生に、全てを任せられる人かどうかというのは「感性」で決定することだと思う。
 「医は仁術」である。
 この先生なら、「命を任せられる」感覚が一番大事だ。
 大きなストレスを抱えるのだから、それを取り除くことが大切だと思うのだ。
 更に、真愛の様に肝油を飲ませられて、風邪を治してしまう人には一番大事なことだ。
 しかし、こんなに手術のことを書くくらいだから、相当な不安を抱えていると思う。
 心ない人は、
「目を開けて手術するんでしょ
 メスが迫ってきたら怖いでしょ?」
なんて、怖がらせる。
 そんな日々が続いている中、薫ちゃん(息子の嫁さん)にアイマスクをもらった。

 真愛の大好きなニャンコグッズのホットアイマスクだ。
 黄斑変性は、血流の悪さから発症するという。
 眼は、冷やすのではなくてゆっくりと温める方が良いそうだ。市販のアイマスクを買って使っている。
 ちょっと高いので毎日は使えない。
 そんな時のプレゼントだ。
 最高である。

 早速試したら、
「怪盗ニャンコ」
 みたいになってしまった。 
 亡くなった厚洋さんのTシャツを着て
 (着られるほど痩せた。)
 自撮り画像をよくみたら、猫ではなくてキツネみたいだ。
 息子夫婦は、厚洋さんに「父の日のプレゼント」もしてくれた。
 確か具合が悪くなり始めていた頃。
 外に出かけられなくなったので、
「お家で2人で、鰻を楽しんでください。」
と大きなうなぎの蒲焼きが贈られてきた。
「拓には勿体ないいい嫁が来た。」
と、厚洋さんがニコニコして、鰻をツマミに飲んでいてのを思い出す。

 真愛も厚洋さんのお父さんお母さんには、「父の日」「母の日」「誕生日」には、必ずプレゼントをした。
 北海道で遠くて会えないことが切なかったが、送った後電話がかかって来てお話をするのが好きだった。
 厚洋さんも真愛と母さんが長話をしているのが嬉しかった様だった。
 薫ちゃんの様に、お母さんの欲しい物を渡せたか心配だったが、お母さんの「ありがとう」と喜んでくれるのが嬉しかった。
 厚洋さんの嬉しそうな顔も嬉しかった。
 真愛は、自分の親にはなかなか恥ずかしくってちゃんとあげられなかった。
 その分、厚洋さんが
「お母さん、いつもお世話になってます。
 はい。俺達からの気持ちです。」
と、大好きなチョコレートとカーネーションとお茶(玉露だった)とかを渡していた。
 だから、最初は結婚に反対だった母は、
「あんたより、厚洋さんの方がずっと優しい。」と言った。
 厚洋さんが自然気胸になり、ICUに緊急入院して時には、真愛より母の方が彼の面倒を見た。
 厚洋さんは、
「もしも離婚をするならば、俺はお母さんを貰っていく。」
と言って、呆れたことを覚えている。

 だから、彼が入院して、真愛がやせ細り、寝ずの介護をした時は
「俺さぁ。
 お前が下の世話なんてできるとは思わなかっ
 た。
 病気になったら捨てられると思ってたよ。」
と笑って言った。 
「入院するなら真愛と一緒じゃなくちゃ嫌だ。と言ったのはだれでしたっけ?」
と、仇はとってやった。

 母に産んでもらって、厚洋さんのお母さんが産んだ彼と会い、拓を産みました。
 薫ちゃんのお母さん園子さんが、お父さん隆明さんと出会い、薫ちゃんを産んでくれて、2人が出会って真愛の娘になりました。
 命を生み出し、命を育んでくれた父・母に感謝ですね。
 コロナ禍で会えないけれど、いっぱいの幸せをもらいました。

 息子にも「感謝」の意を伝えると、
「家族だから、普通のことだろう?」
と笑っていました。
 今、普通のことが普通にできることが少ない様です。
 「家族が家族を思いやる心を普通。」
と言えることが本当に「幸せ」と思いました。

ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります