隣にいると思って良いよね
むかしファンだった木村拓哉さんの主演ドラマ「believe」が終わった。
直ぐにこの思いを書きたかったが、「何がこんなに感動させたのか」ということが自分の中でまとめられなかった。
「believe・信じる」ということがどう繋がるのか何度も考えさせられたし、上辺では分かるが釈然としない。
獄にあって妻をどう信じて良いのか。
脱獄を許す刑務所の区長を信じて良いのか。
弁護士を信じて良いのか。
信じて真実を託した部下を信じられるか。
事故死させてしまった弟の刑事は信じられるのか。
本人ですら、真実を偽って刑に服したはずなのに、妻の「余命宣告と離婚届け、『会うのはこれが最後だから…。』と告げられたことで、「信じてほしい!俺は会社のために偽証したのだ。生きているうちに真実を伝えたい。」と脱獄を計画する。
今までの、正義と真実を大上段に構えて演じた木村拓哉さんではなかった。
(厚洋さんは
『キムタクか?
大根役者だな。何の役をやってもキムタクに
なっちゃうな。』とファンの真愛に向かって
悪口を言った。)
厚洋さんが逝ってからの「教場」も好きだったし、『ちょっと変わったよ。』と言いたかったが、まだまだ(正義の味方)だった。
それが今回の「脱獄犯」「偽証」で、再逮捕される役なのだ。
(結局は、誠実で愛妻家で正義の漢だったの
だが…。)
さて、脱獄してまで守りたかった【妻へ知らせる自分の身の潔白という愛の証】は、一転二転と韓国ドラマのような伏線で語られ、法廷で真実が明らかにされる。
1年後、脱獄の罪の刑期を終えて出所した狩山(木村拓哉さん)は、妻・玲子(天海祐希さん)とともに、かねてから一緒に行こうと約束していた思い出の地「碓氷峠」へ向かうシーンがendingである。
重度のガンで余命宣告をされていた妻は…。
(良かった!
そうか、がん治療をして回復したのだ。
天海祐希さんが好きな女優さんなので
本当に嬉しかった。)
夫婦は、いつも通りお馬鹿なことを言いながら旅支度をする。
そして、碓氷峠の大好きな橋を高所恐怖症の妻の腕を取り歩くのだ。
真愛が、ドラマの最後のシーンが好きなのは、「ホッとするhappy end」なのた。
モヤモヤした終わり方は体に良くない。
やや物足りなさはあったが、この終わり方でも良いかと思った。
しかし、
(放映時間的にこれで終わらないよね。
ひょっとすると天海さん亡くなってる?)
腕を組んだ夫といつものように軽口を叩きながら橋を渡る。
大好きな橋の話をしながら、振り返ると妻の姿がない。
奥様はすでに亡くなっていたのだ。
やっぱり、待っていることはできなかったのだ。
回想の形で、刑を終えて帰って来た木村さんが天海さんからの手紙を読む。
そこには、
「陸、待っててあげられなくてごめんね」
という無念の気持ちとともに、
「やっぱりあなたと居て楽しかった」
「碓氷峠に行く約束を果たせなかったのは
残念だったかな。
だから代わりに行ってきて。
きっとあの橋から、
あなたはまた出発できる」
と…。
この時に妻の香りを追うように手紙に顔を埋める仕草も切なくて泣けた。
真愛も亡くなった夫の香りを追い求めて事を思い出した。今でも、彼の好きだった「ロングピース」の香りを嗅ぐと切なくなるが、彼を感じる事ができるのだ。
橋の上で、夫は妻が最期に書き残した遺書を読み終える。
そして、楽しく話し合ったテラスを書き加えた自分達の家の設計図を見つめ、それで顔を覆ってしまう。
泣けた。
人が見ていないのだから、涙を流してもいいのに、それを見せない夫の思いが切なくて愛しい。
真愛が厚洋さんの手紙を胸に抱くのと同じ感じがした。表現しきれない妻への深い愛を感じた。
彼は家の図面を丁寧に折りたたんで紙飛行機にし、碓氷の谷間に飛ばすのだ。
いやぁ、泣けた泣けた。
「いい演技だ!」
と思った。
顔を覆うのも
設計図を折るのも、
それを飛ばすのも、
言葉にしない動きが堪らなく切なさと「頑張って生きるよ」の誓いのような気がしたのだ。
木村拓哉さんらしくなくて良かった。
木村拓哉離れをしていたが、やっぱり良い男だと思った。
最近は、ワルイコアツマレでSMAPの香取くん・吾郎ちゃん草彅くんが頑張っている。
好きな番組になっている。
さだまさしさんのグレープ再結成ではないが、SMAPの再結成はないのだろうか。
厚洋さんに馬鹿にされながら「SMAP✖️SMAP」を見ていた頃が懐かしく
みんな素敵なカッコいい俳優になってると知らせたかった。
狩山(木村拓哉さん」)は、妻玲子(天海祐希さん」の幻の言葉に勇気をもらい、再び橋屋としてスタートを切る。
夫を亡くしている真愛のそばにも、必ず厚洋さんがいて、必ず応援の言葉を語ってくれているんだと信じられるドラマだった。
そうだそうだ。
believeは証拠になるUSBのパスワード。
「これを開くパスワードは?」
「いつも思っていること
BELIE…。」
と告げる時の表情に「これだったんだ。」と思った。
たくさんの猜疑心に囲まれた世の中である。
信じるか信じないかは私自身で決めることだ。
ならば、狩山陸さんのように「自分が傷ついても全てを信じて生きる」事が、本当の幸せなのかもしれないと思った。
しかし、あんなに強く生きられないから
「やっぱり人を疑ってしまう嫌な真愛」も一緒に生き続け、苦しみながら生きていくのだろうなと思う。
「ねぇ。厚洋さん。
貴方はいつも真愛の隣にいるよね❣️」
という事だけは信じられる素敵なドラマだった。
ありがとうございます。 愛しい亡き夫厚洋さんに育てられた妻「真愛」として、読み手が安らぐものが書ける様頑張ります