日本でフランス語をどうやって勉強する? ー3人のだだ喋りからの記録ー
国内でDALF取得した修士学生と、渡仏未経験なのに話せる学部学生と、地方都市で社会人をやってる人の話を記事化します。
どうも。
掲題の通り、「どうやってフランス語を勉強しているの?」という一億二千万回くらいしてきた会話ですが、私の独断と偏見で「国内でめちゃめちゃ勉強している」人に、きいてみました。深夜の長いSkype談義の一部を切り取って、お役立ちできるような情報になればと。
では、それぞれのプロフィールを。
・Sちゃん (20代後半)
現在はフランス政府給費生として、フランスに住みながら修士課程中。
生まれた時からフランス語を勉強。
国内の勉強のみでDALF C2を取得。
学部学生時代に長期交換留学を経験、フランス滞在歴合計2年。
・Dくん (20代前半)
某私立大学フランス文学専攻。現在修士課程を目指し勉強中。
フランス語学習歴3年。
フランス語コンクール(スピーチコンテスト)入賞。
渡仏未経験。
・アリサ (筆者・30代前半)
大学卒業後、大手生命保険会社勤務を経て、保険代理店立ち上げ。
フランス語学習歴13年
フランス語コンクール(スピーチコンテスト)入賞。
フランス滞在歴1年と1ヶ月。
現在副業でフランス語観光ガイド。
この記事作成のきっかけ
・筆者がよく質問をいただくので。
・でも、この二人に聞いた方が良くない?って思っていたので。
で、どうやって勉強してる?
アリサ
「私は社会人なので、朝6時くらいの起床とともに目覚ましがわりにHugoのPodcast聴いているのだけれど…。で、体力があったらそれをシャドーウィングしてます。」
Sちゃん
「わたしは、10分とにかく寝る前に聞く、ですね。長いと続かないので、本当に短いやつで全然いいんです。」
夜派・朝型わかれる模様。
Dくん
「コレージュドフランスの講義録があるんですよ。この世代の人の話し方ってゆっくりなので、スピードも全然ついていける。例として、女流作家のエルノーのノーベル賞の基調講演などが見れたりします。Folioで本になっていますよ。」
「リンクのコレージュ・ド・フランスの動画はアントワーヌ・コンパニョンという教授のものです!(ゆっくり喋ってる)講義fin de la litterature とそれを書籍にしたもの(la vie derriere soi)を合わせてみたり、コレージュの就任演説(la litterature pour quoi faire)の動画とそれを文字起こしした書籍版で勉強したりしてます」
※Dくんは大学でエルノーを研究中。
※コレージュドフランスとは?
コレージュ・ド・フランス (Collège de France) は、フランス・パリにて16世紀に設立された歴史ある教育研究施設。通常の大学とは異なり、授業料が無料。最先端の学問分野における講義や研究が行われ、その成果を広く一般に公開することを目的とする。学問の「最高の場」とも呼ばれる。
Dくん
「アニー・エルノーのノーベル賞受賞演説も(だいぶ?)ゆっくり喋ってて文字起こしも無料でpdfが落ちてるのでおすすめです。」
https://www.nobelprize.org/uploads/2022/12/ernaux-lecture-french.pdf
アリサ
「個人的に、Passion simpleをオリンピック開会式でその作品を知って。だいぶ大人の恋愛だなあと思ってたけど、この方だったのね。」
Sちゃん
「耳のトレーニングで大事なのはFrance Info流しっぱなしにしていることですかね。知らぬ間に鍛えられている。例えば家で1時間ずっといる場合、ずっと流しておく。」
Sちゃん
「あと、シャドウイング大事ですね。France 24のニュースが1本2-3分なんです。この動画のシャドウイング。たくさんする必要はないですよ。」
↑確かにほとんどの動画が2〜3分でした。Sちゃんは通訳という職業修士課程をとっているのでとにかく耳のトレーニングが大事。
Dくん
「会話と読み書きとは違った能力だけども、、、聞くのは現代よりも昔のの映画がいい。50-60年代は速度が聴きやすいです。この年代以降、映画の様式が切り替わるんです。切り替わる前の時代は、今よりも早口じゃないから聞きやすい。」
「勝手にしやがれスクリプト、、もしかしたら、有料かもしれないけれど、本で手に入ります。パリのロケだから、生のフランス語なのでいいかも。ただ、注意したいのは、ちょっと表現が古いこと。80を、quatre-vingtsとは言っていない。huitanteと言っているんです。こういうのは注意です。」
Dくん
「あと好きなシャンソンがあればいいですけどね。好きなのがあれば、それを聞く、それだけじゃなくて何回も聴いて覚えちゃう。ヴォードレールのレオ・フェレの歌を覚えているっていうと、先生とか一目置いてくれるので。」
アリサ
「私、ラップばっかり聴いてた…笑 あと、個人的には私は日本の歌謡曲だったり音楽の方が好きで、この日本語の歌詞を訳して歌ってみたら楽しいかも?って感じでChatGPTを使いながら遊んでみたり。」
Sちゃん
「あとは、何のために勉強するかということで、パートナーがフランス語話者だから、っていうのとても多いと思うんですけど、もし共通語が英語の時、彼らの間で言語のパワーバランスが取れていると思うんです。イーブンだから、フランス語が出にくい問題がありますよね。お互いの歩み寄りでフランス語を話すハードルを低くしなければならないとは思います。」
Sちゃん
「あと、もし一休みしたい時とかはeasy French 聞くとかもいいかもしれないです!」
↓確かにめちゃくちゃリスナーは多いし、「ほんとのフランス語」って感じがしますね。
記事作成にあたり、「とりあえず生の、そのままの言葉」を意識しました。あえて作り込んだ内容にはしていなくて、会話の流れそのままを載せています。
国内学部生、フランス修士課程、国内社会人という年齢も立場も違うわたし達ですが、それぞれにそれぞれのやり方が工夫されてます。
もっと深掘りしたいです。
ここまで読んでくださりありがとうございました。
好評でしたら続けます。