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思い出しても泣かなくなるその日まで

私には、7年間も片思いをした相手がいる。
片思いというか、お互いのことを好きだと思っていたタイミングもあったけれど、いろんなことが邪魔をして結局一度も恋人同士にはならなかった。

懐かしい歌を聞いてしまったせいなのか、懐かしい映画を見たせいなのか、古い写真を漁ってしまって、消したと思っていた動画が残っているのを見つけてしまった。
見てはいけないこともわかっていたのに見てしまった。

当時は気づかなかったけれど、私と彼のどちらの声や話し方からも恋をしている、相手のことが好きだっていうことが伝わってきて、胸が痛んだ。

お互いがインスタグラム用の写真を撮っているのを邪魔したり、カメラに向かって笑う私に「かわいい」って言う彼の声が入っていたり。
久しぶりに見た当時の、若かった頃の二人は可愛かった。

そしてやめておけばいいのに、さらにラインのメッセージのやり取りを見返してしまった。
その当時の私は仕事がうまくいかなくて苦しんでいて、彼に弱音を吐くことが多かった。
「辛かったらいつでも連絡してね」や「もう寝てる?」というメッセージと通話の履歴。
夜中に地震があった時には、すぐに気遣うメッセージを送ってきてくれていた。

そんなのを見て、改めて、好きだったなぁと思ってしまった。
そしてこんなにも好きだったのに、それでも上手くいかなかったんだと思うと、遣る瀬無さと未来への希望が揺らぐのを感じた。

出会ってからもう10年。連絡を取るのをやめてからも、もう3年。
今でも彼を思い出しては泣いてしまうのが悔しい。

“You made the right choice letting go”
あなたは手放すという正しい選択をしたんだよ。
“You made the right choice deciding not to go round and round in circle again”
何度も同じことを繰り返すのをやめるという正しい選択をしたんだよ。
“あなたはあなたの想像上の彼に恋をしているだけ”

だとかと言う、インスタグラム上のアファメーションの動画を見ては、自分に言い聞かせてる。

“If I made the right decision, why does it hurt so bad”
これが正しい選択なら、どうしてこんなにも辛いの?

そのリール動画に寄せられていたこのコメントを見ないふりをしながら。

彼が今どんな人生を歩んでいるのか死ぬほど知りたくても、もう連絡をしないほうがいいことはわかっている。

いつになったら私は彼を全く思い出さなくなるだろう。
いつになったら私は彼との日々を恋しく思わなくなるだろう。

3年前、もう終わりにしようと決めた自分とその選択に敬意を払って、
過去を羨むのではなくて、未来でもっと素敵で幸せな恋愛ができると信じて、
彼にはもう連絡はしないけれど。

暖かくて懐かしい動画とメッセージたちをいつか消せますように。




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