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振り返ると人生のどの瞬間にも宇多田ヒカルの歌が流れている - その1
宇多田ヒカルを好きになったのは、今から十九年前。小学生の頃だった。テレビゲーム、キングダムハーツⅡの主題歌だった”Passion”が、私がHikkiを好きになったきっかけの曲である。
気がつけば私はおとなになっていて、知らない間に私という歴史もなかなかに長くなってきたな、と思うようになってきた。(というほど長くはまだ生きていないのだけれど)
その時々で他にも好きなアーティストやバンドはいくつかいたけれど、Hikkiほど変わらずにずっと好きでいられるアーティストは他にいない。
だから人生のどの場面を振り返っても宇多田ヒカルの歌が流れている。
そしてこの四月には二枚目のベストアルバム”SCIENCE FICTION”が発売された。ベストアルバム、ということでこれまでの曲が再収録された”だけ”と思うかもしれないが(そして私も正直そう思っていたのだが)、これは全く新しいアルバムといっても過言ではないのではないかと思うほど、感情が揺さぶられた。
いや、むしろ再録だからこそ、長年に渡って私の人生に染みついた曲たちが再録されたりリミックスされたりして、今の、その曲をリリースした頃よりもおとなになったHikkiが歌うことで、Hikkiと私と人生の変遷や人間としての成長を見ているような気がした。
音楽に対する知識は皆無ないちファンが、SCIENCE FICTIONに収録されているいくつかの曲について好き勝手書こうと思う。
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