自閉スペクトラム症の息子あるある
本日は、世界自閉症啓発デーですね!
少しでも自閉症児が生きている世界を知って欲しいので、日頃の息子あるあるをご紹介します。この記事に記載している内容は、あくまでも息子の場合の話です。自閉スペクトラム症(発達障害)は、個人差の大きい障害ですので、全ての人が同じというわけではありません。息子の個性、障害の特性、全てが合わさってのあるあるです。こんな子もいるんだなって読んでもらえたら嬉しいです。
不安を感じやすい
先の見通しが立たないと、次にどうしたら良いのかが分からなくて不安になります。毎日、または毎週、習慣化している出来事であったとしても、順を追ってスケジュールをコマ割りにして説明すると理解しやすくなります。
聴覚よりも視覚優位
声で説明されるよりも、目で見て確認できる方が理解しやすいです。言葉だけの説明よりも、イラストや実物を見ながら説明される方が物事のイメージがしやすく、間違いや勘違いが少なくなります。スケジュールを掲示、または紙で渡すなどの工夫をすると、何度も好きな時に確認できるので、不安を防ぐことも出来ます。
変化にすぐに気が付く
いつもとは違う、些細な変化にも逸早く気が付きます。
道端の小さな花が今日は咲いていた。ここにあった石がなくなっている。商品の売り場が変わった。壁に貼ってあるポスターが違う。
めまぐるしく変化する日常を一つ一つ体感し、その都度、心が動かされるのです。
変化に不安を感じる
予定の変更、または環境の変化に不安を感じやすいです。それは前述の通り、変化にすぐに気が付くので、この世界のめまぐるしい変化を自分の事のように体感しているからです。
例えば、私がヘアカットで髪型を変えたら、まるで急に自分自身も変えられてしまったかのような衝撃を受け、いつもとは違うという気持ちから、不安につながっていくのです。
感覚過敏と鈍麻のアンバランスさ
障害特性の一つ、感覚過敏では大きな音、子どもの声、眩しい光、強いシャワーの水、ズボンの着衣、手が汚れる、特定の食べ物の食感など苦手なものがあります。
また逆に、感覚鈍麻では痛みに鈍く、転んで膝を擦りむき出血していても、地面についた手のひらが汚れた事で泣くほどです。また、自分が痛みに鈍いために他人の痛みを想像する事が難しく、手加減が難しい場合があります。怒って頭突きをしたら、自分は全く痛みを感じないのに、相手が痛がっていても不思議で仕方がないといった状況になりますが、相手を軽んじているわけではなく、痛みそのものの感覚が鈍いために理解しづらいのが原因です。
偏食それは食物アレルギーのような
息子には、感覚過敏による食感の不快感から食べられない物があります。それはまるで食物アレルギーのような存在であり、無理に食べさせて慣れさせれば良いというものでもありません。ワガママな好き嫌いだろうと軽視し、無理矢理に食べさせる事で、ストレスやトラウマに繋がり、心身ともに害するリスクが大きいので周りの理解が必要です。
息子の場合は野菜全般(トマト、キュウリなど例外もある)、こってりとして柔らかいもの(グラタンや豚の角煮など)、ステーキ肉の繊維などが苦手で食べられません。無理に食べさせようとすると、嘔吐してしまいます。
満腹感は突然に
食事時で注意が必要なのは、食感による偏食だけではありません。満腹中枢の認知機能の鈍さがあるのか、満腹感をリアルタイムで自覚する事ができません。あとどれくらいで自分が満腹になるのかが全く予想がつかないのです。食べていると、突然に満腹がやってくるので、「おかわりをしたのに一口も食べられない」なんて事は、本当によくある事なのです。あと一口で完食ってところで「ごちそうさま」と食事を終えてしまう事もしばしば。「そこまで食べたなら、最後までキレイに食べてしまいなさい」と言ってしまいたくなりますが、その一口を食べさせると嘔吐してしまいます。満腹の限界が本当に突然やってくるのです。
明るかったら朝 暗ければ夕方
認知機能の低下から時間感覚が鈍く、時間の経過が体感できません。そんな息子が時間帯を把握する方法は、外の明るさ、お腹の空き具合、疲労の度合いなどです。「朝起きて外が明るければ朝。もし暗ければ、夕方まで寝てた!?」というような感じになります。
時間の経過が分からないので、時間に合わせて予定をこなす事も難しいです。普通であれば、約束の時間に合わせて間に合うように見通しを立てて行動すべきところですが、約束の時間までどのくらいか、準備にどのくらいの時間が必要かが分からないのです。時間にルーズだと誤解を受ける事が多いですが、決して怠けているわけではありません。
配慮はメガネや補聴器と同じ
今回、いくつかの息子あるあるをご紹介しましたが、これはほんの一部分に過ぎません。日々、息子を通して見る自閉スペクトラム症の世界は、本当に奇妙で興味深い事ばかりです。
息子がこの世界で生活していくには、様々な配慮が必要な事は確かですが、配慮が必要だからと言って、何も理解できないし、何も感じないというわけでは決してありません。
私たちが視力の矯正にメガネを使用するように、聴力の補助に補聴器を使用するように、彼ら自閉スペクトラム症にとってのメガネや補聴器が当たり前のように使用できる世界になって欲しいと願っています。
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