見出し画像

カカラキという男の裏話

2019年10月に行われた、SOMECITYの過去の大会を含めても最も注目度が高く世界中からボーラーが集った、通称 ”ULTRABALL”

会場は渋谷ストリームの広場にイエローコートを敷き詰め、
メインゲームになるにつれてあたりは暗くなっていくナイトゲームだ。SOMECITY独特の雰囲気も感じれる空間だった。
今大会を観に来た人もいれば、通りすがりの人もたくさんいただろう。
観れるスペースは全て満員。最高の空間だった。

僕自身もTeam TOKYOとして出場。この記事のタイトルにも出てきているカカラキ率いる”Los Angeles”と準々決勝で対戦し敗北した。
唯一の救いは、彼らと対戦できたこと。
フィジカルがやっぱり強かった。やっぱあいつらすげー。のまれて何もできなかったけどいい経験だった。なんて今までの自分の経験からするとありえない。最初から戦えるマインドで自分自身は望めたと思う。

カカラキの紹介はスパッと終わらせようと思う。
彼は、Los Angeles (以下 Los)のベニスビーチで行われているVBL(Venice Basketball League)でMVPを獲ったこともある選手。年齢は30歳ちょっとだったはず。

ここから本題に入って行く。

僕は、ballaholicやSOMECITYを運営する会社の正社員でもあり、このULTRABALLの大会準備・コートの設営などを前日から行なっていた。
前日の夕方頃に一通り設営が終わり、夜はLosをはじめ香港や中国など外国人が大会の説明も兼ねてコート利用を許可されていた。
それを取り仕切るのは同じく正社員でもあるK-TAさん。英語もペラペラ。

この時の出来事をK-TAさんから大会が終了して数日後に会社で聞くことになる。

外国人のコート上での説明会が終わり、そのまま利用をどうぞという流れで、ある中国人選手らが、バスケットをする人間なら当たり前のようにする、床をキュッキュッとする動作をした。

「滑るなぁ」と声を漏らしたという。

普通はこういう発言はあるあるで特に気にする事でもない。
しかし、これに対してカカラキはボソッと言いながらシュート打ち始めた。

「関係ねぇよ、だから弱ぇんだよ」

その後彼は、今大会で優勝しMVPも獲った。この日観にきた人全員が口を揃えて彼がすごかったというだろう。僕もその1人だ。

この出来事が本当に衝撃的で、ずっと頭に残っている。こんな言い訳がダサいということは理解していたが、きっとどこかで言い訳している自分がいたのだと思う。
きっと彼は100%言い訳してないんだろうな。
この出来事、一言から文化の違いをまざまざと感じる。

アジアがアメリカに勝てない理由がここにあるのだと思う。
場所・環境・レベル関係ない。その場にいる人間全員が同じ条件のはずだ。
その瞬間を一生懸命やる・楽しむそれだけのこと。
ここの文化は変えていけることだと思っている。
日本だからは理由にならないし、僕はしたくもない。
ハングリーかどうか、ハングリーになれるかどうかの話だ。

この”ハングリー”というところは自分色にしてほしい。
自分なら何が当てはまるのか。人に合わせる必要はない。
その目的に向かって純粋にプレーすることができれば最高な話だと思う。

今回、このエピソードが好きすぎて記事にした。
僕は指導者になると決めてここ2ヶ月くらいまともにバスケの練習はできていない。入院も続いたのもあるが、したいとも思わなかったのが正直なところだ。
最近は愛媛から東京での仲間の活動を動画越しで見ることが多い。
ここ数日思うのが、また彼らと一緒にプレーできるようになりたい。と思う自分がいる。
観る側としてYouTubeでSOMECITY Xを観てもやはり元気をもらった。
あー、観る人ってこういう感覚だったのかと。
少し練習というかボール突きに行きたいなと久々に感じている。
だから今日は午後からボールを持って外へ出ようと思う。

Photo by TANA_WIZARD


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?