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舞台『波濤を越えて』観劇記録

源平について調べたりと用意を重ねてきた舞台『波濤を越えて』
ついに観劇してまいりました…!

公演名:舞台『波濤を越えて 』
日時:2022/11/12 17:00〜
        2022/11/13 12:00〜
場所:京都 南座

↓前回のお勉強の話

⚠️ネタバレを含みます
⚠️平家物語をもとにした創作で事実と異なる部分がたくさん出てくる舞台です。あくまでこの舞台の話です。
⚠️ただのオタクの備忘録です

始まる前に

20分前、10分前に見どころや役の紹介を兼ねた影アナあり。
多分順番があるのだと思うけれど
わたしが当たったのは
12夜 20分前壱太郎さん、10分前影山
13昼 20分前嶋﨑、10分前壱太郎さんだった。(多分)

第一幕

プロローグ

物語は琵琶法師の奏でる平家物語から始まる。

その後ろには知盛の魂を納めた赤い球と義経の魂を納めた白い球。
太郎坊、次郎坊という2人の天狗の使い?が見守り続けた2つの球が何者かによって封印が解かれ動き始める。
怨念に塗れた姿の祇王が2人の魂を復活させたのだった。
ハイ!知盛登場!義経登場!ババーン!
どうしよ!復活しちゃった!大天狗様(偉い人)に伝えなきゃ!わたわたするじろたろの前におばば登場。
おばば「我の力で過去に戻す!それで解決させよう!」

・(多分)歌舞伎多めのセクション
・平家物語がプロジェクションマッピングのような舞台前方に透けた幕を張って空に文字を浮かび上がらせるあれ使っててわかりやすかった。
・じろたろは「やや!」とか「〜であろう」とか馴染みのない言葉が多くて、発声もパーンと届く。これが歌舞伎…
・能面をした方が薙刀で舞い踊っているのが怖い半分美しい半分。(能楽師さんだった)
・登場シーンで薙刀の刀にスポットがあたって反射している演出が素敵だった
・ウッドブロック(違う)の音に合わせてタッタタッタと花道を抜けていくシーンなど、『歌舞伎!!!』
・宝塚のような大階段から知盛、義経登場(Mステのオープニングみたいだあ…)
・影山知盛お靴大きくて転げ落ちないかソワソワする

牛若丸の旅たち

オババの力で時代は遡り、鞍馬山の牛若丸が現れる。
武術のお稽古をしている最中、大天狗様に呼ばれ家来を見つけて旅に出るよう言われる。
その時オババに『戦乱のない世の中を目指すんだよ』って言われ、旅に出る。(地名言ってたけど思い出せない)

・コメディセクション
・桃天狗、梅天狗って楽しい女形さんが登場
・歌舞伎って至る所で拍手をしている印象はあるのだけど、馴染みがないからどこで叩いていいのかわからない…って思ってたら「拍手は推し活なのよ〜」
・アクティビティを入れながら手を叩きやすい雰囲気づくりをして盛り上げてくれて、歌舞伎初心者に優しい作りになっていた。
・桃天狗&梅天狗「牛若丸さまはどこ〜?」「Lilかんさいの嶋﨑斗亜くんに似てる方なんですがあ!」「え?あそこ?」って観客を巻き込んでくれて楽しい!
・梅、桃の絡みに斗亜「うるさいなあ!(大阪弁)」
・TikTokのズンズン進むやつ?でみなさん登場したり、みんなでキツネダンス。
・その間の義経、胡座組んだりむーってしたり、まーたやってるって退屈そうな怠そうな仕草で斗亜「もう終わったー?(大阪弁)」
・かわいい。

知盛と清盛の関係性

笛を吹き月を見ていた知盛。
父の清盛は「源氏の残党が騒ぎ立て始めているのに月をみていたなんて!そんな余裕ないだろ!いい身分だな!」とご立腹。
清盛「お前は本当に使えないな、他の優秀な兄弟達がきたのでわたしはもう行く」と去ってしまう。
…かなしみの知盛。

・すっぽんから知盛登場。笛を吹く目を閉じた影山の目頭切開メイクが綺麗で見惚れた
・すっぽんて妖怪とかこの世のものじゃないものしか出てこないって聞いたんだけど今回のはどうなんだろう・・・
・この作品の清盛偉そうだし(偉いんだけど)、知盛に辛くあたるからきらーい。

弁慶との出会い / 家康の呪い

五条大橋で弁慶を打ち負かすシーン
義経「戦乱を終わらせて戦いのない世界を作りたい」と夢を語る
なんやかんやで弁慶仲間になる
家康はいきなり現れた祇王の亡霊に義経を信じるなと言われる。
二人の対比で1幕エンド

・一幕が終了後、客席の至る所から「かわいい・・」が漏れてた。わかる。
・橋の大道具と月のシルエットが素敵
・弁慶のビジュアルをちゃんと見たことないはずなのにあれは弁慶ってわかる豪快さと声量に驚いた

第二幕

義経と静御前の舞

2部のあたまは義経と静御前の舞?からスタート
優しい顔で二人とも素敵
最後に義経が桜を捕まえてフッと静御前に飛ばす

・唯一のラブラブセクション(言い方)
・恋人役がおっさんで申し訳ない(意訳)って言ってた壱太郎さんの言葉がふと浮かんだが、あれは女性だ。美しかった
・どこから女性らしい艶のある声が出るのか不思議。

知盛が祇王を手打ち

清盛「知盛がワシを早く死んでほしいと思っているのは知っている」
知盛「そんなはずないじゃないですか!わたしはそんなこと考えておりません」言い返すのだけど、清盛は信用しない。
知盛は清盛の言うことはなんでも聞きますというと、酒の肴に祇王を殺せと指示
知盛「そんな!罪なき者を殺すなんて!」「父のためならできると言ったであろう?」
祇王「はあ!?女だからってそんな道具のように殺すのか!」「女子はいっぱいおる」
・・・悩んだ結果、知盛は祇王を手討ちにする

が、清盛は女子一人にそんな時間かかって!
酒がまず不味くなった!と席を立つ

…知盛の喪失感エグい。

・ほんっと清盛きらい。思い込み激しくない?
・知盛の無駄な殺生はしたくない心優しい気持ちと父に認められたい苦悩からの苦しそうな表情
・祇王が死に際に影の頬に血の跡をつけるのだけど、その時の知盛の目を背けたい仕草と苦々しい顔が良い・・
・祇王を手にかけてしまった罪悪感、そこまでしても父に認めてもらえなかった辛さ、喪失感の表情
・影山知盛の表情の作り方がとても上手で苦しい様子が響いた…すごく良かった…
・壱太郎さんの早替えも2度目でやっとわかった!すごいなあ!

転換後の梅桃セクション

客席通路から梅天狗、桃天狗登場
ほんと悲しいシーンよねえ!って今までの流れと省略部分を現代言葉でわかりやすーく解説。
清盛や知盛の兄弟が死去したこと、知盛が大将になったこと
源氏→白、平氏→赤
運動会や紅白歌合戦の紅白はこれが由来になったとの小ネタも。
影山くんあそこ(下手二階)で太鼓叩いてた〜って滝沢歌舞伎の腹筋太鼓の話
インパクグローブ(模造品)着用
日替わりネタはお悩み解決ヒーロー斗亜眉ゲッツ

・パッと明るくなるような梅天狗、桃天狗セクション
・ジャニオタしかわからんかなりコアなネタを入れてくれたり、「推しが出てるから足を運んだジャニオタ」を引き込む&置いてけぼりにしない構成でとてもありがたかった。

壇ノ浦の戦い

紅白のフラッグを使って戦いを表現
知盛は薙刀で応戦 → 平氏負ける。
義経、兄に認められたい気持ちで知盛を殺そうとするが弁慶の「あなたの正義とは何?」って言葉で我に帰る。
天皇は無事、ちゃんと育てる、知盛には出家するよう伝える。
知盛は罪なき祇王を殺した自分が生きながらえても・・と最後の力を振り絞り海に身を投げる
義経「知盛どのおおお!!!!!」

・先ほどの紅白の話はここにつながるのか!どちらが押しているかなども含めて、すごくわかりやすい演出!
・矢が無数に飛んでくる演出が素敵だった。
・薙刀を使いフラッグと戦う知盛。いつも観ていた殺陣とは違って面白い。担いでくるくる回るやつ面白かった。
・弁慶いいやつだなあ。

頼朝と静御前

太郎坊、次郎坊のナレーションベースで義経の自害発覚
頼朝は静御前に義経の追悼の舞を舞わせる。
その後、頼朝に祇王の亡霊は「義経の子を身籠もっている静御前を殺せ」とそそのかす。
義経を殺したのもお前だよな?とこれで殺せと矢を渡され、義朝は暫し考えたのちに「覚悟を決めた」と祇王の亡霊を矢で刺す。
タイミングを見計らって出てきた太郎坊次郎坊は祇王を除霊
地獄?に連れていかれる祇王

・金剛力士像のような大道具4体と掛け軸の空間。大道具が豪華すぎる。
・封印?前の地獄のような禍々しさをたくさんの人間が蛙飛びで表現してて素敵だった
・担がれて飲み込まれていく祇王の顔の迫力がすごい

ラスト

じろたろがなんであんなにタイミングよく祇王を封印?できたかというと、義経がおばばに伝えていたからだった。

「憎しみが戦いの芽になるし人の心は変わりやすい」
「戦乱のない世の中なんて作れないのか」
「新たな戦いの目が現れたら摘めばいい」
「男も女も関係ない世界ができたらいいね」

「そしてまた1人現れた」と知盛がくる。
そして浄化?された祇王も。

戦乱の世が繰り返されぬように
わたしは歴史のなかで語り継がれてもらえればいい
こんな時代の上に今の(平和な)世の中があるということを忘れてはいけない

2度と繰り返されぬように語り繋がれようじゃないか
私たちは見守ろう。

でエンド!


まとめ

過去の物語でありながらも戦争やジェンダー問題などの現代でも問題視されているものとリンクしてて「物語」として最後まで楽しい舞台だった。

歌舞伎って言葉よりも行動、表情で魅せる部分が多いのだなと思った。悲しい顔、優しい顔、様々な表情と表現に出会えて幸せ。

本来の歴史と違うからこそ戸惑うところはあったけれど、勉強してから観に行って本当によかったなと思ってる。
自分の短所である「覚えられない」の部分が緩和されて内容がスッと入ってきたし事前情報があったからこそ、うんうん頷きながら観れる部分もたくさんあった。

過去の積み重ねで今があって、その中には沢山の成功や失敗がある。
それを知ることによって過ちを繰り返さないこと、成功を学ぶことが歴史を学ぶの価値だと思っているのだけど、この舞台もそれを伝えたいのかなって思った。

観るまでは正直楽しめるか不安だったのだけど、歌舞伎を観たことがない世代へ向けたアプローチとフォローが手厚くて本当に観てよかった。
誰が観てもちゃんと楽しめると思う!わたしももう一度観たい!


ここからはただのジャニオタ目線
影山氏
・ポテンシャルエグすぎ
・影アナ上手すぎない?声も良いし声優さんとかもできるんじゃないか…?
・祇王を殺せと言われたあの絶望の顔が印象的で上手いなあ…!ってなった。ベストオブ影山。
・声も良いし表現もすきだし最高。
・また舞台あったら観に行きたいくらいによかった!

嶋﨑氏
・覚悟を決めたキリッとしたキメ顔なのに目の水分量が多いのか、ライトに反射してぴかぴかきゅるきゅるでかわいい
・(わたしが)気を抜くと桃太郎に見えるかわいい
・横顔が美しすぎて見惚れるかわいい
・グァッと低い声を出したり、姿勢をスッとさせてたり抜けなく義経を演じている姿にグッときた。沢山努力したんだろうな…
・義経は基本的にはキリッと!笑顔を見せるシーンはほとんどなかったからカーテンコールで義経が抜けてへにゃへにゃ笑顔の斗亜ちゃんかわいかった。ギャップ。
・階段になってて下の方から挨拶をしていくのだけど、にやにや瞬きパチパチ落ち着きなくてスッとした周りの方々との対比。面白かった。
・手を叩くかどうか迷走しててかわいかった。
・ダブルアンコールのスタンディングオーベーションではみんなに手を振ってくれていたのだけど、隣のおばば?ともニコニコ手を振り合っててかわいかった。
・かわいかったしか言ってないけどかっこよかったしかわいかった。最高。

以上!本当に行ってよかった!最高でした!

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