マガジンのカバー画像

オードリー若林さんを想う

46
オードリー若林さんについて綴ったnoteの纏めです
運営しているクリエイター

#オードリーのオールナイトニッポン

思考の余白を残すオードリー若林さん

「メディア側はすぐ消費したがるから、タレントを」 星野源さんのオールナイトニッポンにて、ゲスト出演の一期一会について語った若林さん。 「(星野さんのラジオに)ゲストでどうですかっていう話が何度かあったけど、まだ機が熟してないっていうか、タイミングがまだだっていうので、でもホント今日で1番ベストタイミングなんでしょうね」 「もうちょっと早かったら、俺もうちょっと卑屈に下から入ってましたね」 若林さんは、熱を帯びるニッポン放送石井玄さんからの度重なる出演オファーにも、焦ら

オードリー若林さんに続くか?3色のトークスキルを持つ注目の若手芸人とは?

トーク番組界隈に新風が吹いている。フレッシュさには欠けるものの、安定感があり暫くは吹き続けそうな、そんな予感のする、どこか懐かしいニオイのする風だ。 先週の『あちこちオードリー』、ゲストは伊集院光さんと見取り図の2人。 昨年のM-1最終決戦進出から東京のテレビでの露出が増えている見取り図だが、盛山さんの確かなフリートークの力で各番組で存在感を放っており、若林さん相手にどういうムーブを見せるか楽しみにしていた。 結果、十分な手数と安定感で存在感を発揮し、今回も業界内での信

オードリー若林さんは『審査員長・松本人志』のフォーマットでは、くりぃむ上田さんに勝てないのか?

『審査員長・松本人志』の第3回が4月28日(水)に放送された。 時間は21時からの2時間に拡大。 3回目にしてついにゴールデン進出だ。 番組を観て、改めてこれは若林さんの番組ではないのかな〜と感じた。同じように感じた人も多いのではないか。 今回は、この感覚的な「若林さんじゃない感」を、前回投稿で用いた 『おもしろい』=①事実②見解③発想の総量 の切り口を用いて紐解いてみたいと思う。 1.『審査員長・松本人志』のおさらいまず『審査員長・松本人志』のおさらいをしたい。番組

オードリー若林さんの『おもしろい』の正体とは?

『おもしろい』とは何なのか? 「おもしろい番組」 「おもしろい企画」 「おもしろい話」 幸運にも世の中には『おもしろい』コンテンツが溢れているが、人それぞれ、その時々で『おもしろい』に込められる意味合いは異なる。 同じバラエティでも 『カメラが捉えた衝撃の瞬間25選』と 「オードリーのトーク番組」の『おもしろい』 は異なるし、 同じオードリーのトーク番組でも 『あちこちオードリー』と『オールナイトニッポン』の『おもしろい』も異なる。 今回は、コンテンツの『おもしろい

"未来のカツアゲを食らう"弘中アナと活字に宿るオードリー若林さんの凄み

「弘中ちゃんも、未来のカツアゲ食らって大変なんだなぁって(笑)」 「本当にそうですよ!!30歳、フリー、結婚、どうすんの?ってみんな軽く聞きすぎです!」 「今日のことで精一杯です!で、いいんじゃない!?」 女性アナ人気No.1の弘中アナの初エッセイ『弘中綾香の純度100%』の中での、弘中アナと若林さんの対談、締めの一幕。 この締めのくだりも含め、対談の内容に、 「やっぱ若林さん、すげーわ、、」と、単純にめちゃくちゃ興奮した。(いやはや、新鮮な興奮です) 若林さんの人気の

オードリー若林さんの出演番組ポートフォリオの最適化と事務所との折り合い

人に与えられた時間は等しく、イーロン・マスクも僕も同じ1日24時間だ(何という平等)。 その限られた時間は得意とする分野に割り当てて欲しい!と、本人の想いや事情を無視して外野は無責任に期待する。 マイケル・ジョーダンには野球を挟まずバスケを続けて欲しかったし、橋下徹さんには政治評論家としてではなく政治家として暴れて欲しいし、若林さんには独自色が出せない番組からは降りて欲しい。 若林さんの余力を捻出するには若林さんはとにかくレギュラーが多すぎて、若林さんにしか創り出せない

2周目に入った「あちこちオードリー」と大人達がオードリー若林さんに抱く思惑

今週の「あちこちオードリー」、ゲストはCreepy Nuts、前回の出演から約1年振り2回目の登場だ。 この1年でテレビの出演が増え、テレビに対する考え方や所作が変わってきた事を中心に話が盛り上がる(来週も楽しみだ◎)。 「あちこちオードリー」もレギュラー化して1年と4ヶ月が過ぎ、2周目のゲストを迎え、いよいよフォルムが固まってきた。 ゲストにとっては、普段のテレビでは言えない本音やメディアでの発言の裏に隠されている思惑などを語れる場となっており、 ゲストの違う一面や

オードリー若林さんが内蔵する3つのスタンドと輝くフィールド

前回の投稿で若林さんの独自の価値を、 『人の内面に眠る真理を、独創的な着眼点と言語化の才能を駆使し、笑いの世界観で紐解く力』 とそれっぽく表現してみた。 うん、何ともそれっぽい。どことなく成立している感がある。 このそれっぽい表現をキャッチーにすると、 若林さんって、 哲学者×作家×お笑い のスタンド使いだよね、ということだ。 この複数スタンドの内蔵が若林さんの他芸人さんとの絶対的な棲み分けだ。 この3つのスタンドミックスはフィールドにより配分が変わり、その配分がその

盛り上がりを見せる音声市場とオードリー若林さんが求められるコンテンツ提供モデル

音声SNSのClubhouseが注目されている(自分はまだアプリも入れてないですが)。コロナ禍の巣篭もり需要を含め、動画市場に並び音声市場も更なる盛り上がりを見せているようだ。 音声市場におけるコンテンツの王様は長きにわたり音楽であり、最もビジネス面での変革が早いと言われる音楽市場は既にAmazon, Appleの巨人に加え、Spotifyなどの新興勢力によるサブスクリプションプラットフォームが市場を占拠している。 音楽以外の音声コンテンツに目を向けると、YouTubeの

自己肯定感で救いを与えるオードリー若林さんと現代日本社会のチャップリン

noteで若林さんに関する色々な方の投稿を読ませて頂いていると、「若林さんに救われた」と表現している方が少なくない事に気づく。 「好き」を超え「救われた」と。 なぜ若林さんに「救われた」と感じるのだろうか。この「救われた」とは具体的にはどのような状態なのだろうか。 どうやら最近よく耳にする「自己肯定感」という言葉が、本件の解像度を高めてくれる鍵となりそうだ。今回はここを起点に若林さんの人気の秘密を紐解いてみたい。 現代社会のパワーワード「自己肯定感」「救われた」という言

期待値とのギャップに苦悩するオードリー若林さんと「ホントのところ・エコノミー」

IPPONグランプリ放送後、「あの猫はどうすればよかったのよ!?」と、若林さんはnoteとラジオで繰り返し悔しさを露わにしていた。 ここ最近ここまで引っ張る姿を見ていなかったので、よほど期待値とのギャップがあったのだと思う。 2015~2016年で4回連続で出場した際は初優勝を果たし、3年前は準優勝、2年前はグループ内でしっかりトップ争いを演じて、今回久々のIPPONグランプリ。 この間、MCを担う番組も増え、エッセイはヒットし、業界内のポジションを着実に上げての登場。

恩を通り過ごしたくないオードリー若林さんと受けた施しの可視化

「春日は恩をすぐに通り過ぎる。すぐにお尻から出しちゃう」 オールナイトニッポンで、"むつみ荘"の大家さんとの思い出を本にしたためないのか、を話題としたトーク中で、若林さんが冗談の中に本音を込めたであろう一幕だ。 若林さんは、恩を通り過ごしたくない人だ 元々若林さんも人と距離感を保ってきた人であり、義理を果たすといったことを積極的に行動してきた人ではないと思う。 ただ、お父さんの死去などを通じて人生の意味を見つめていった中で、人との絆の大切さを理解し、恩を返すことも意識

深夜の公園でバスケに没頭するオードリー若林さんと継続の仕組みが欠落する管楽器の演奏

若林さんは、エッセイ「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」の中で、サル山と資本主義の格差と分断から自由になる隠しコマンドは、"血の通った関係と没頭"であると綴った。 "血の通った関係"は、エッセイ「ナナメの夕暮れ」の結論『合う人に会う』にも通じており、若林さんの中で一貫して大切にしている価値観だ。 ※『合う人に会う』についてはこちらをどうぞ「なぜオードリー若林さんに惹かれるのか」 等身大“没頭”については、”等身大”であることが通行証なのではないかと思っている。