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ALVARK MIP 2023-24 (from ALVARCARS) 決定

小酒部 泰暉 #75

2023-24”もっと評価されるべき”選手が、2024-25の最も評価される選手になることに期待を抱きつつ、この賞を贈りたいと思う。

(C)SHOJIRO

["ディフェンスのアルバルク"を背負う存在に]

毎年イメージはあっても、「今年もアルバルクのディフェンスは強固だ」と思わせるのはそんな簡単なことではない。
田中大貴、菊地祥平といったディフェンスを象徴する選手が抜けた後にも、そのカルチャーを維持できている理由の一つには"小酒部泰暉"の存在が大きいように感じる。
もちろんバスケのディフェンスが一人でどうにかなるものではなく、後にも出てくるビッグマンやベンチメンバー含めた全員のチームディフェンスによって成り立っている訳だが、相手の流れをシャットアウトしたり、自軍に流れを引き込むような個人のディフェンスは存在する。
その役割を果たしている小酒部の存在はアルバルクにとって非常に大きい。

[他チームへの脅威]

彼のディフェンスが良いことは、アルバルカーズには周知の事実であるが、
そのディフェンス力は年々レベルアップし、対戦相手の選手やブースターにとっても嫌な存在になってきていると感じるほどだ。
Bリーグ公式のアワードであるベストディフェンダー賞の結果投票でもそれが見て取れる。
これらのアワードは1位以外はあまり目に留まりにくいが、ブロック王:ジョシュ・ホーキンソン(3位・134pt)、スティール王:コー・フリッピン(5位・92pt)を抑え、小酒部(182pt)は第2位にランクインしている。Gリーグやオーストラリア、代表戦でもグッドディフェンダーとして評価される1位の馬場雄大(188pt)とはわずか6pt差となっており、これはワールドクラスの証と捉えても間違いではないはずだ。


Bリーグ ベストディフェンダー
※レギュラーシーズンの成績が対象
※B1の全選手・全HC、メディアによる投票
※チャンピオンシップは含まれない


[レギュラーシーズン60試合フル出場]

4シーズン目にして(シーズン途中の特別指定(2019-20)はのぞく)、ついにレギュラーシーズン60試合フル出場を果たした。
この賞において、毎年このポイントは選考における大きな要素となっている。バスケはコンタクトスポーツだけに、怪我無く、コンディションを整えて試合に出続けるのは簡単なことではない。特に身体能力の高い選手はそれ故に体に負荷がかかり過ぎるケースも少なくないように感じる。
彼は、シーズンを通して、前出のディフェンスの脅威を全ての試合で対戦相手に与えたことになる。

[昨シーズン以上にアグレッシブさが見えたオフェンス]

小酒部泰暉への期待はディフェンスだけではない。
2019年関東大学リーグ(1部)で得点王を獲得した時代を知っているファンからすると、彼はまだポテンシャルを出し切っていないと感じている。
ただ、変化を感じる瞬間が今季には何度かあった。
ドライブからリングへのアタックやペリメーターでのプルアップといった積極性を感じさせた。
これまではやや他の先輩方に遠慮がちだったように感じる部分も多かったが、(同い年のテーブス海の影響もあったのかもしれない)自分が決めるという強い意志がプレイに宿る瞬間があった。
彼は、特別器用なタイプでは無いように感じているが、高い身体能力と、努力を積み上げる強さを持っているように思う。
ここは私のイメージになるが、大学でのスコアリングを一度ゼロに戻してでもプロとしての下地を作ることに努力を費やしてきたように感じている。森コーチのドリルのもと、最初はぎこちなさの方が目についたハンドリングやPnRも無意識にその形へ近づいているように感じる。
勝手に身体が動く状態で、本来の彼のオフェンス本能を前面に出すことでプロとしての小酒部泰暉のオフェンスが完成するのではと期待している。

[今季最もインプレッシブで熱狂を巻き起こした3P and1]

レギュラーシーズン中にも、度々アルバルカーズに期待を抱かせたそのオフェンスを、来季は「必ずもっとやってくれる!」と確信に変えさせてくれたのが、負けたら終わりのCS QuarterFinal Game3の4Q残り1:05、53対57と4点ビハインドの場面だ。
レオとグダのPnRで琉球ディフェンスを崩し切れず、ショットクロック残り6秒で一度小酒部にボールを預けることとなった。レオはリターンを受け取る準備を見せていたが、小酒部がワンドリブルから迷わず打ったスリーポイントシュートはファウルを受けながらリングへと吸い込まれた!
彼の意識は間違いなく最初からゴールへと向かっていた。
この最高の瞬間を生で見られただけで、チケット代は安いものと感じることになる(笑)
これがスポーツ観戦の本当のダイナミックプライシングだ!!
惜しくもこの日でシーズンは終了となってしまったが、これまでもそうだったように、彼は必ず”やられたらやり返してくれる”ため、すでにアルバルカーズは来季への希望に満ちている。

MIPだけでは足りないの声

このMIPを選考するオンラインミーティングで、ここ数年毎年耳にするのが、「この選手にも何か賞をあげたい!」の声である。
元々がその目的で始まった、このALVARK MIPだが、このMIP以外にも何かしらの賞を、、、そんな声が毎年上がるようになってきている。
選手たちの素晴らしい一面を日々見つけようとしているアルバルカーズの本気度が伺える。そんな声を今後どう選手たちに届けることが出来るか、そこも今後の課題として、たくさんのアルバルカーズが意識を持って欲しいという願いを込めつつ、今回MIP受賞とはならなかったものの素晴らしい活躍を見せてくれた選手について記していく。

[テーブス海]

小酒部同様に今季のレギュラーシーズン60試合、CS3試合をフル出場しているのはテーブス海、もう一人だけである。
また、全試合出場×全試合スターターは唯一となる。
1シーズンでアルバルクのエースガードを不動のものとし、チーム、ファンの信頼を勝ち取った。
元々、個人スキルが高いことは知られていたが、アルバルクへ来てさらに高めた評価は、安定感とゲームの支配力ではないだろうか。特に、競ったゲームで、自分が勝負を決めるという強い意志を感じることが多くみられ、
クラッチタイムでの期待の高さは日に日に上がっていったように感じる。
代表選手としての期待値や評価を考えると、十分に高い評価を得ていると感じる部分もあるが、成長度はアルバルカーズの想像をはるかに超えていたように思う。

[橋本竜馬]

シーズンスタート前から「優勝」ただひとつを目標にかかげ、シーズンスローガン「ONE FOCUS」をアルバルカーズ含めて強く意識させてくれた闘将。他チームにいる時でも感じていた素晴らしいメンタリティは、間近でみることで、その心強さがリーグでも随一である確信を得た。

[平岩玄]

毎シーズンこの賞へ名前が上がるようになってきた平岩玄。昨シーズン、アルバルカーズを最も沸かせた男は今シーズンもやってくれた!彼の仕事がガベージタイムだけではないことを毎シーズンしっかりと証明している。
それを他チームファンはあまり知らないだろうが、我々アルバルカーズはしっかりと評価している。彼が出場し、活躍した時にアルバルカーズが最も沸くことがそれを物語っている。
彼はいつでも試合に出られる準備をしているだけでなく、自分がチームのために出来ることは何でもやろうという心構えを常に持っているように感じる。とあるアルバルカーズがたまたま見かけた空港でのシーンを教えてくれた。手荷物カルーセルから流れてくるチームの荷物を一つ一つすべて下ろしている姿を見かけたという。
中々試合に出られない選手が、ベンチで腐らず愚直に努力を重ね、チームのために献身的に行動する。
こういうチームは必ず強い。そう思ってしまう。

[レオナルド・メインデル]

ブラジル代表としても活躍する彼のシーズン前の不安要素としては、Bリーグにマッチするのか?の部分くらいだったかと思うが、1シーズン目からエースとしての活躍を見せるのみならず、アルバルカーズや初めてBリーグを目にする多くのファンを虜にした。
特に、ゲーム外でのやわらかい笑顔とは大きなギャップとなるクラッチショット後の咆哮は、やや斜に構えがちな東京のファンを情熱的に変化させた。彼のような存在は、戦力としてだけでなく、東京の地のバスケファンを熱くするという意味でも必要であると考える。

[アルトゥーラス・グダイティス]

彼もまた終盤まで選考員を悩ませた一人である。
外国籍ビッグマンで、FTがやや苦手、シュートレンジが狭いというのは、素人目には評価されにくい傾向にあるように思うが、
彼のディフェンス力は本当に素晴らしいし、フィジカルの強さには何度も驚かされた。Bリーグでもパワー系と言われるセンター相手に押し込まれないどころか、押し返し、タフショットを誘発させる姿には何度も興奮させられた。
レフリーと戦ってしまうこともなく、黙々と仕事をこなし続ける職人気質のそのプレイスタイルはこれからバスケ選手を志す子供たちにとっても良いお手本となる。

[ライアン・ロシター]

最後まで選考員を悩ませたのが、ライアン・ロシターだ。
貢献度の意味では間違いなくチーム一の活躍を見せた彼を満場一致で推すことにならない理由は、おそらくこの賞の意味合いだけのように感じる。これまでの宇都宮ブレックスでの功績、リーグでの知名度、リーダーシップ、
ファンサービス、どれをとってもプロフェッショナルで、今我々があえて表彰するまでもない。そう感じる一方で、今季はオールスターやベストファイブに選出されるわけでもなく、スタッツリーダーに名を連ねるわけでもない今だからこそ我々が再度評価する必要があるのでは?そんな声もあがった。”アルバルクのロシター”として縁の下で支えてくれている。
CSでは誰よりも長くコートに立ち、勝利への執着心を表現してくれた。GAME3でのフローターを責めるアルバルカーズは誰もいない。ただただシーズンを通しての感謝を伝える機会があっても良いのでは?本賞とはやや離れる位置付けであってもそれを評価する点については誰も否定的ではなく、むしろこの賞でも当てはめられないか?そのレベルでの話し合いになった。

最後に

今回、選出されなかった選手に対しても、我々アルバルカーズが様々な観点から評価し、本気で感謝していることを伝えたい!そんな思いが終始あふれる素晴らしい会となりました。
今回も長時間におよぶ会議に参加してくださったみなさまには感謝しかありませんし、毎年アルバルクへの熱い思いを共有できる幸せを、会議からしばらく経った今も感じています。

ファンとして出来ること、ファンがやるからこそ価値のあることは必ずあります。この賞を続け、より価値のあるものにしていくためにもたくさんの方に興味を持って頂けると幸いです。

《ALVARK MIPとは》
2017-18シーズンから始めた、アルバルカーズが選出する「もっと評価されるべき選手」に送られる賞です。元々はそのシーズンの優勝に大きく貢献したアレックス・カーク選手に見合うBリーグの賞が無かった事から、それならばファンで作ってしまおうという発想の元生まれた賞となります。人気投票ではなく選考員による選考会議にて決定しています。スタッツのみではなくオフコートでの振舞い等ファンが目にする全てが選考対象。メディアや世間一般の評価とのギャップにも注目。

《ALVARK MIP選考員条件》難しい条件はありません。アルバルク東京が好きならファンクラブ1年目でもクリア出来ると思います。
①アルバルカーズ会員(公式ファンクラブ)
②レギュラーシーズン、CSのアルバルク戦全試合を見た方(見逃し動画可)。
③ある程度のスタッツを理解出来る(BOXスコアを見て何かが分かればOK)
④特定の選手だけでなくチーム推しである。

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