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より多くの人に日本酒の魅力を。

180mlのアルミ日本酒缶「ICHI-GO-CAN®」。
(株)Agnavi(以下「Agnavi」)と東洋製罐グループとの業務提携による「ICHI-GO-CAN®」は、「適量」「オシャレ」「持ち運びベンリ」「環境にも優しい」の"4拍子"が揃っています。

全国の蔵元が醸造した美味しい日本酒を、より多くの人たちに飲んでもらうきっかけを作りたい、そして貴重な日本酒文化を守りたいという想いが一致して誕生したといいます。
Agnavi 代表取締役の玄さんと、東洋製罐(株)(以下「東洋製罐」) 販売第一部 販売第二課長の落合さんにお話を伺いました。

Agnavi 代表取締役
玄 成秀 さん

「"ICHI-GO-CAN®"でお気に入りの銘柄を見つけてほしい。いずれは四合瓶、一升瓶での購入につながるといいですね。」
東洋製罐 販売第一部 販売第二課長
落合 正樹 さん

「蔵元によってはリキュールなども手がけているところもあるので、今後はそれも同じアルミ缶でやっていきたいです。」

Agnaviが日本酒事業を始めたきっかけを教えてください。

:Agnaviは、アグリフードテックベンチャー企業として2020年2月に設立しました。しかしその翌月からコロナ感染が拡大して飲食店の休業が続き、多くの日本酒蔵元が在庫過多になってしまいました。
そこで、全国56の蔵を支援するプロジェクトを立ち上げたのです。

当時は通常のガラス瓶で販売していましたが、運搬時に割れたり、重くて物流コストが高くつくという問題がありました。また消費者から「四合瓶や一升瓶は量が多くて飲みきれない」、「瓶が大きくて冷蔵庫の中で邪魔になる」などの意見がありました。

これらの課題を解決できる容器はないかと探していたところで東洋製罐さんと出会い、アルミ缶180ml(一合)でやってみよういうことに。まずは漫画「もやしもん」とのコラボ缶をスタートさせ、大きな反響を呼びました。

今、日本酒の消費が低迷していますが、それはスーパーでもコンビニでも日本酒の選択肢が少ないことが問題だと思います。

アルミ缶による小容量化や、バラエティに富んだ中身やデザインを取り入れることで消費者の選択肢は大きく広がり、日本酒市場全体が活性化するだろうという想いから、私たちの日本酒事業は始まりました。

東洋製罐ではアルミ缶だけでなく充填機も扱っているそうですね。

落合:東洋製罐の日本酒用アルミ缶の歴史は古く、50年以上前から製造販売をしています。当時から缶のスペックは変わっていません。我々にはアルミ缶は良い容器という自信がありましたが、大手酒造メーカー以外はなかなか販売量が増えませんでした。

そこで「詰太郎」という日本酒用アルミ缶充填機を開発して、レンタル事業を始めました。これは「缶+充填」のシステムです。

「詰太郎」は日本酒の充填とアルミ缶蓋の巻締め機能を持つコンパクトな装置です。これをトラックで蔵元まで運び、作業終了後は持って帰ります。


お酒の充填と蓋の巻締を行う様子
1分間に20缶のスピードで作られている

アルミ缶を導入したことによって、蔵元からどのような反応がありましたか?

玄:多くの蔵元は醸造設備には投資しても、充填設備への投資は難しいというのが現状です。それが東洋製罐さんのシステムのおかげで、最小限の投資コストで新たに缶を導入できるようになりました。

こうしてコスト問題がクリアしましたが、今度は「充填した日本酒缶の売り方がわからない」。蔵元では営業活動をする人材が不足しているんですね。

落合:「詰太郎」の事業は2018年にスタートしましたが最初は全く売れず、その理由は日本酒缶の営業販売の問題だったと思います。

そこで私たちは、蔵元ばかりでなく販売代理店まで売り先を広げてみたところ、徐々に売れるようになったのです。缶の充填から営業販売先までフォローすることによって、国内の日本酒流通への若者層へのアプローチを図り、海外販路という新たなマーケットの拡大につなげています。

ちょうどその頃に玄さんと出会い、日本酒市場全体の活性化について私たちと全く同じ想いだったので、これはもうぜひ一緒にやるしかないと。多くの人たちに日本酒を飲んでもらうきっかけを作ろうということになり、今に至っています。おかげで「詰太郎」の業績もぐんと伸びました。

これまでアルミ缶を使ってきて、どのように感じていますか?

玄:アルミ缶には、遮光性が高く日本酒の品質が保たれる、リサイクル性が高く環境に優しい、軽くて持ち運びやすく輸送コストおよび輸送時のCO₂が削減できる、缶の全体にラベルデザインができるなど、さまざまなメリットがあると思います。

このうちデザインは結構大事なことだと思います。スタイリッシュであれば若者も手に取りやすくなりますね。また私たちは、蔵元名をきちんと全面に出すことにしていますが、同時にトレードマークとしての「ICHI-GO-CAN®」もしっかりラベルに入れています。

消費者が「日本酒は銘柄が多くて何を飲んで良いかわからない」という時に「「ICHI-GO-CAN®」なら間違いなく美味しい、だから選ぼう」と思ってほしい。そうなるようなブランド設計をしているのです。現在は「ICHI-GO-CAN®」ブランドで、全国110蔵元の170種類の日本酒缶を展開しています。

またアルミ缶は軽量なので、海外輸出に向いています。現在「ICHI-GO-CAN®」は、海外10カ国ほどに輸出しており、まだまだ伸びていく市場だと思いますし、国内とは違う銘柄が海外の好みに合うという面白さもあると思います。

これからも「ICHI-GO-CAN®」を通して、国内と海外のもっと多くの人たちに日本酒の魅力を知ってもらえればうれしいですね。

一合缶は直径57mm、高さ99mmの飲切りサイズ。
フルオープン蓋なので香りを存分に楽しめる。