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多くの人から支持される「魅力あるリサイクルシステム」

アルミ缶やPETボトル、古紙をリサイクルすることはもはや常識。
しかし、その回収方法は利用者にとって不便に感じる点もあるようです。

そこで今回は、積極的に参加したくなるリサイクルの仕組みを実現したティーエムエルデ株式会社様にお話を伺いました。
                      (取材日:2023年12月)

「利用者が参加したくなるリサイクルの仕組み」とはどのようなものでしょうか?

アルミ缶やPETボトルの飲料はいつでも購入することができますが、飲み終わった容器の資源回収日や時間帯が決まっているため、排出需要とのバランスが残念ながら取れていません。

そこで私たちは飲料容器回収機を設置して、消費者が自由なタイミングで参加できるようなシステムをつくっています。

使用済みアルミ缶やPETボトルを「いつでも」回収。ポイントをコツコツ貯めるのも楽しみに!

ティーエムエルデという社名は“TM”が「トータルマネージメント」、“エルデ”はドイツ語で「地球」を意味しています。

私たちは地球全体の環境問題解決に貢献できるように、地域や場所にフィットした仕組みを提供しています。

「地球全体の環境問題解決に貢献できるように」という想いをこめた社名とロゴ

20年以上継続利用している地域があるようですね。

1997年から一部施行された「容器包装リサイクル法」を受けて、岐阜県瑞穂市(当時の瑞穂町)は海外から導入した飲料容器回収機を市内10拠点(現在は12拠点)に設置しました。

現在、住民の皆さんには回収機の会員証が1世帯に1枚ずつ配布されています。このカードを使って回収機で回収するとポイントが貯まります。

容器1本につき0.5ポイント付与され、500ポイントで有料の市指定ゴミ袋や地域振興券などに交換できます。しかも回収機は毎日6:00〜22:00と長い時間、利用できます。

瑞穂市住民に市から配付されるポイントカード。
これで飲料容器回収機を利用すると、回収した容器の数に応じてポイントを貰える。

自治体以外では、どのようなところで導入されていますか?

12年程前から、スーパーマーケットやドラッグストアなど大型量販店の店頭で、リサイクルステーション「ecoひろば」を展開しています。当時は回収対象が飲料容器だけでしたので、利用者のメリットが少なく、設置費用も発生するので量販店ではなかなか導入されませんでした。

そこで、段ボールなどの古紙リサイクルも始めることにしました。利用者にとって、買い物ついでにアルミ缶・PETボトル・古紙を一度に出せる場所があれば便利だろうと考えたのです。古紙はその場で計量され、重さに応じてポイント付与するシステムを自社開発しました。

また回収機管理をスムーズにできるように、回収物の量を検知し店舗の管理用端末と連動させました。付与ポイントを各店舗専用のショッピングカードと連携させることで、設置店舗の販売促進にも貢献できる仕組みになりました。

スーパーマーケット店舗の回収の様子。
回収機の利用でドリンクをプレゼントするなど、店舗の販売キャンペーンにも利用される。

飲料容器を回収するだけではなく、さまざまなメリットがあるのですね。その経緯を教えてください。

行政および店舗回収事業の場合、一般的な回収ボックスでは異物混入による回収の停止や、ご家庭からの大量の持込みによって、せっかく持って行っても回収ボックスが満杯で持ち帰らなければいけない場合がありえます。

その点、飲料容器回収機は異物は受け入れられず、回収物は機内で圧縮されてコンパクトになります。設置店舗の管理もラクになり、リサイクル業者への運搬回数も減ります。つまり管理・運搬コストが減らせるのと同時にCO2削減にも役立ちます。

またもう一つの取り組みとして手がけているのが、環境省が推進する「エコ・アクション・ポイント」事業です。

「エコ・アクション・ポイント」は、環境省が推進するエコアクション(環境にやさしい商品の購入、サービスの利用など)に特化した全国胸中のポイントプログラム。
アプリをダウンロードして会員登録すれば、誰でも無料で参加することができる。
お得な情報がいっぱい。

誰でも参加できる制度で、エコな活動に応じて全国で使えるポイントが付与されます。自分のエコ貢献度が可視化され、達成感を感じていただけます。

私たちは、これからもリサイクル事業に関わってくださる地域の方々にさまざまなご提案をしていこうと思います。ご興味がある方は、ぜひお気軽にご連絡いただけるとうれしいです。

※こちらの記事は、日本アルミニウム協会HPにて2023年12月に公開したものです。noteへの移設に伴い、再掲しました