チェンジメーカーとは?
衣類廃棄の課題はめちゃくちゃスケールが大きなテーマです。
ニュースでなんとなくは知ってはいるけど、家の周りがゴミだらけではないし、自分も服を捨てるったって年に1.2度だからなぁ〜と遠いお話のように思います。
「世界全体で、およそ「1 秒ごとにトラック 1 台分」の衣料品が 焼却あるいは埋め立て処分されている」
こう聞くと、え!そんなにも。と少しでも感じていただけたら嬉しいです。
日本では不要となった衣類は海外の発展途上国などの回収インフラの整っていない国に輸出される ことが多く、結局最後は埋め立てられています。自分の机は綺麗だけど、隣の友達の机に自分の衣類ゴミが集まってるって感じですね。
原因は大量生産、大量消費です。アパレル業界の経済構造の課題が本質なんですね。前で話した環境への影響はもちろんですが、衣類は有害物質を含むものが多いので人への健康被害、大量生産が産む過剰労働などの人権侵害、生産者のフェアトレードなど様々な課題も含まれます。
私も初めはBBCニュースの「衣類の墓場」をみて、やばいやん!と思ったのが初めてでした。そこから課題解決のソーシャルビジネス事業を立ち上げよ
うと思いました。
事業計画を作る中で、地元香川や山形、岩手、兵庫などのローカルの地場産業の方々や30代40代の地元の人々に50人弱ほどヒアリングさせていただきました。
見えてきたのは「売る責任」です。
服をたくさん買い、短期間で廃棄してしまう消費と廃棄のあり方を変えていかないといけない。
衣類廃棄を無くすためにやることは流通構造を変えていくことが必要だと思います。大量生産をしないことですね。
もう一つは消費者の行動が変わっていくことも大切です。
◆マッキンゼーの報告書(2016)では、2000年⇒2014年(世界)
①購入枚数が60%増えた ②手元に置く期間は半分になった との報告
◆エレンマッカーサーの報告書(2017)
①平均的な人は一世代前に比べて2倍もの多くの服を購入
②過去15年で衣服の使用率は36%低下
③生産量の約半分が1年以内で捨てられる。
との資料があります。
着る時間を少しでも長くできればいいんですね。このふたつを指標にしたのがSDGs12の作る責任と使う責任です。
私はそこに加えて「売る責任」があると考えています。
ここで少し私たちの活動をご紹介しますと、
2022年7月から本格的に活動スタート。
7月
店舗事業でプランニング開始
(90R Seafood Store)→断念
8月
藍染×生活古着の構想を計画
(オルタナ)
津田地区で店舗開発を模索
9月
津田地区での実店舗の立ち上げ断念
10月
古着の回収開始
各地イベント販売開始
生活古着や国内の古着を藍染で染め直す事業開始
(オルタナプロジェクト)
11月
ECサイト立ち上げ
(オルタナクロージングストア)
12月
回収及び県内の古着屋から購入した古着をアップサイクルする商品開発を開始
2月
for goodでクラウドファウンディング開始
販売の場所つくりの構想をプランニング中
はじめは、捨てられた衣類をどうにかしようと生活古着と呼ばれる古着屋さんでも流通しにくい家庭ゴミの衣類に着目しました。※現在クラファン中の取り組みです。
捨てられたモノをもう一度、再生する考え方です。
事業者さんや消費者さんにヒアリングした結果、見えてきた事があります。思う以上にSDGSでいう「作る責任、使う責任」を意識していました。例えば、生産者は環境保全に設備投資したり、家庭から服を捨てるのは年に数回です。
さらに見えた課題は、生産側が環境に設備投資しても上代には転嫁できにくい、若い世代に聞けば服は環境負荷が高いと学んでいるので、服そのものを買わない選択肢も増えてきています。
ここに私は、なにか寂しいような違和感を感じています。
私は服を着るのが好きです、身だしなみを整えると気持ちが良いです。好きな人におしゃれだね!って言われると嬉しいです。服は着る人の自己肯定感を高める役割があります。
だけど服は環境に悪いから買わない。
確かにそうなんやけどなぁ〜
なんかなぁ、、
買わないのならベストな選択肢だとしたら生産者はどうしたらいいでしょう。
買うのをやめるのではなくて捨てないこと。
最適量、自分に本当に必要な量を持つ、その服を大切に着る。凄く大切なことです。
そこで気づいたのですが。
「売る責任」はどうでしょうか?
私は20年あまりアパレル小売業をしていました。販売員として売上を1%でも上げることも目標に仕事をしていました。その時の私は環境に配慮していただろうか?お客様に1着を少しでも長くきて頂けるようなアドバイスが本当にできたいただろうか?
そう自分に問いました。
自分の中で、出した答えは今の捨てられたモノを再生する取り組みに加えて、一方で捨てない為の選択をする、もともと環境負荷の少ない取り組みをする。販売員として、あの時の私にもっとできることがあったんじゃないかなぁと感じています。
売る側が、お客さまが服を捨てる日まで寄り添うことができたら
香川に移住して地域には沢山の素晴らしいものづくりの技術と産業があることを知りました。
しかし売る場所がない、きちんと売れる人がいない(本当はいるんですが)
国内の地域や職人の製品を直接、販売のプロがお客様に届ける。国内のサスティナブルなアパレルの直売所。
きちんと販売するお店です。人や環境、動物に配慮した服を集めて、衣類を大切に使ってファッションをスローに楽しむお店です。売りっぱなしにしない、お客さまからいつでも服のお困りごとの相談にのれる店、私はそんな場所を作りたいと今、強く思っています。
初めは衣類廃棄の現状に驚き、始めた藍染のアップサイクルと古着の取り組みですが、地場産業の課題、など改めて取り組むべきことがありました。アパレルが社会にどんなインパクトがだせるのかを考えながら活動して行きたいと考えています。
商店街にあったような「服屋さん」
スーパーマーケットで無くて商店街の服屋さんにヒントがあると思っています。
街の服屋さんが増えたら社会は変わっていくと信じています。サーキュラーエコノミーの考え方が近いのですが、その詳細はまた後日、note買いていこうと思います。
肩書きはなんでもいいのですが、これまであまり売る責任を考えずきた販売員として、私ができることはアパレル業界のチェンジメーカーです。その思いで「社会起業家」と名乗っています。
まだまだ微量な私たちですが、みなさま、また今後ともよろしくお願い申し上げます。
さぬき本藍染のキマイラさんとクラウドファウンディングをしています。ご興味のある方は是非ご覧ください。
一部画像は「さぬき市再発見ブログ〜遊びの達人〜」より