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会津の神社仏閣の文化的価値、造形美に習った厨子 長床

福島県喜多方市にある熊野神社の拝殿として建立された長床ながとこ
神聖感ある象徴的な柱と、雄大に広がる屋根の存在感が心を穏やかにさせる厨子です。

製作の背景
アルテマイスターの本社がある会津は京都、奈良、鎌倉、平泉と並び、日本の五大仏都のひとつと称され、旧跡や名所、歴史ある建物が点在しています。古来より、神仏に関する造形表現は、各時代の一級の造形師である宮大工や工芸家、絵師などが係わり、それぞれの時代の祈りの文化を形成し、今日に至っています。

“ここ会津から祈りの文化を発信する意味”を大切に、会津の神社仏閣の歴史的・文化的価値、造形美に習った厨子づくりを始めました。

佇まいの美しい神社に学ぶ
福島県喜多方市にある新宮熊野神社の拝殿として、平安時代に建立された寝殿造の建物「長床」。44本の柱からなる吹き抜けが特徴で、長く会津の人の親しまれてきました。その神聖感ある象徴的な柱と、雄大に広がる屋根の意匠に習い、かたちづくりました。

実際の長床。側には秋に一面を黄色に染める大銀杏が立つ。
特徴である44本の柱。心地よい風が吹き抜ける
工房厨子・長床。特徴である柱を生かし、神聖感ある厨子として仕上げました

2段階に開く扉
実際の長床の神殿に壁・扉はありませんが、「大切なものを納める」厨子には、扉・壁を設け厨子としての佇まいを持たせました。

長・短2枚を連結させている扉
扉は全開にすると側面にぴったりと納まります
中央部だけを開けることもできます
全て閉じた状態

また、長床の重厚感と風情ある様子にならい、神代欅の色合いで仕上げました。過去のnote記事で、神代欅についてお伝えしています。

3つに仕切られた内部空間
内部空間が3つに仕切られているので、複数のものを納めていただけます。個人ではもちろん、複数人でシェアをしてお使いいただくこともできます。使い方次第では、ご家族以外にも、地域コミュニティなどでもお使いいただけたら嬉しいです。

仏像を納める。ゆくゆく、両サイドにお位牌を納めることもできます
会津の民芸品・会津中湯川人形と起き上がり小法師を納めてみました


秋の黄葉が有名な長床ですが、新緑の季節も、とても美しく清々しいです。併設されている熊野神社宝物殿には銅鉢をはじめ、多くの国、県指定文化財が保存されています。
お近くにお越しの際は、ぜひお立ち寄りください。

そもそも厨子って? note記事はこちらから
厨子のこと。


この他にも、さまざまな厨子があります。
こちらからご覧いただけます。


注)掲載内容は2023年5月時点のものです

文/むらかみ