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お厨子のこと。

アルテマイスターの厨子のお話。
「大切なものを入れる箱」ということを原点に、アルテマイスターでは20年にわたり厨子を提案し続けてきました。”新しい祈りのかたち”をテーマにデザイナーや作家の方々と多くの厨子を創りだしています。

厨子の中にご本尊はもちろんですが、何をおさめてもかまわない、というのが”新しい祈りのかたち”として伝え続けてきたことです。

◇自分だけの仏様をプライベートな空間に。
◇子供の成長を願う節句飾り。立雛を厨子にしつらえることも。
◇思い出の品を大切に納める”箱”として。

暮らしの中に自分自身と向き合う時間を。
一人暮らしの部屋でも、厨子には、自分の好きなものを入れていてもかまいません。大切なものを納めて眺めていると、自分自身と向き合う時間が生まれ元気になれるような気がしてきます。

そもそも「厨子」の起源とは?
厨子は、古来日本に中国大陸から伝わったもののひとつ。収納具や室内装飾家具として使用されたほかに、仏像や経典を納めるための「仏龕ブツガン」とも呼ばれる仏具が【厨子】として大切にされてきました。

[写真:法隆寺が所蔵する「玉虫厨子」]


国宝にも指定されている「玉虫厨子タマムシノズシ」は推古天皇が自らが信仰する念持仏ネンジブツ(身近に置いて崇拝する仏像)を安置しておくために制作されたと伝えられています。

鎌倉時代には戦場におもむく際、自身の本尊を携帯するために小型化していき、現代の形態に近いものになっていきます。

現代の様々な祈りのかたち。
アルテマイスターの厨子は「こうでなくてはならない」といったことではなく、その人の心に添うような祈りのかたちを考えていくことを心がけています。

◇仏像を納めたいと厨子を求めた若い女性の方もいらしたそう。
◇嫁ぎ先にご実家のお位牌をお祀りしたいといった方も。
◇ご自身の彫られた仏像を納められる方も。



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引越しを機に、お厨子を神棚として暮らしの中に取り入れました。朝に扉を開け、夜に扉を閉じる。祈ることの所作の中で自然と心が整理される、古の知恵なのかなと感じる日々です。
アルテマイスターの厨子を通して良い出会いが広く届きますように。

文/すずき