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一番大事な「ひとつ」を納める。美しい佇まいの厨子 経筒写し

アルテマイスターの工房厨子「経筒写しきょうづつうつし」は、古来、大切なものを納める箱として使われていた経筒を現代の祈りの箱に見立てた厨子です。

経筒とは
経典を納めるための筒状の容器。陶製や石製のほか銅や鉄など金属製のものが多く残されています。

一番大事な「ひとつ」を納められる厨子
お仏壇の代わりとして厨子を求めるお客様が多い一方で、「中に全てを納めない厨子」があってもいいのでは、と思い製作した厨子が、この経筒写しです。経筒本来の美しい佇まいを生かした厨子の中には、一番大事な「ひとつ」をしっかりと納めていただけます。花立てなどの器は外に(敷板の上に)お祀りいただくスタイルです。

経筒写し Ⅱ型

無垢材へのこだわり
Ⅰ型Ⅱ型Ⅲ型はそれぞれ異なるデザインかつ特徴ある屋根・台座の形状。それぞれのイメージに合う材料として、けやきとちせんの無垢材を選びました。当社では、原木の買付・丸太の製材からものづくりを始めています。厨子に合う木材の木目や厚みを自分たちでコントロールできるのも、当社のものづくりの特徴です。

Ⅰ型 … けやき / 神社仏閣の建材としても使用される堅牢で木目の美しい材。
Ⅱ型 … とち / 肌目が極めて緻密で滑らか。塗装で独特の光沢が生まれる。
Ⅲ型 … せん / 柔らかく加工性に富むため、家具材として親しまれる材。

欅の丸太
資材工場で無垢材を切り出す

過去のnote記事で、原木買付の様子をお伝えしています。

経筒の美しさを神代欅の色味で再現
「経筒写し Ⅰ型」で特にこだわったのはこの色味。当社の資材工場にある神代欅じんだいけやきを見比べながら調色し、塗装を施しました。元の経筒は金属特有の細かい仕上げで装飾されていて、プロポーションも金属ならではのスッキリとした仕上がり。木材でも、なるべくこの美しさを再現できるよう、細部にこだわりました。

経筒写し Ⅰ型

神代欅とは
「神代」とは長い年月にわたって地中に埋もれていた間に、黒褐色などの濃い色合いに変色をした木の呼称です。埋もれ木とも呼ばれます。浮き出るように表れた、緻密で光沢のある木目が美しいため、細工した器具や装飾品がつくられるようになりました。伊達藩の武士が城の警備中に埋もれ木を発見して持ち帰り、食べ物を盛る器をつくったのが、埋もれ木細工の始まりと云われています。

実際の神代欅。この深みのある色味を再現した。

それぞれ異なる3つのデザイン・材・色味ですが、共通する“佇まいの美しさ”を楽しんでいただける厨子が生まれました。

経筒写し Ⅰ型
経筒写し Ⅱ型
経筒写し Ⅲ型

※注)掲載内容は2023年5月時点のものです

この他にも、さまざまな厨子があります。
こちらからご覧いただけます。


そもそも厨子って? note記事はこちらから
厨子のこと。


文/むらかみ