#4 推し


1.推しがいること

突然だが、皆さんには「推し」がいるだろうか。
推しというのは「人に勧めたくなるくらい好感を寄せている人物」を指す俗語で、最近よく耳にすることが増えたように思う。

推しに当たるのはアイドルや芸能人などで、人によっては給料の大半を推しのために使うこともあるそうだ。生活を豊かにするためではなく、なくてはならない存在となっているといえる。

「推しは生きるモチベーション」

友人が口癖のように言う。噛み砕いて言うなら「推しがいることで楽しみが生まれ、辛いことや苦しいことも乗り越えることができる」といった感じだろうか。


2.推しがいないこと

上のことを踏まえると推しがいないことは不幸なことだろうか。
何かにのめり込むことで生きることが楽になるなら、のめり込めない者は不幸せだろうか。

僕には推しはいない。

正確に言うと推しは作らないのだが、これにはいくつか理由がある。

第一に推しは永遠ではないということだ。
一般に推しは自分の手の届くところにいないし、いつか誰かのものになる。
例えば、アイドルを推すにしてもいずれ卒業するし、終いにはよくわからない俳優と結婚なんてされてしまえば、僕の元から壊れているメンタルは崩壊し、二度と立ち直れないのではないかと心配で、心配で。夜も眠れなくなること必至である。

第二に一方的な好意を寄せることに耐えられないからだ。
これは好意を送る相手には好意を返してほしいという、完全な僕のわがままである。親や友人への無償の愛は別物として、そこに金銭的な、何かビジネスの匂いがする好意には何かしらの見返りがないと、冷める。
推しはファンの好意の百分の一も受け取れない。


3.終わり

つらつらと稚説を垂れ流したが何が言いたいかというと、推すのにも向き不向きがあるんだなぁと感じたということだ。

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