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『任意提出資料の目次』は、資料全体の構成とセットでデザインを考える
前回(だいぶ空いてしまいました...てか空き過ぎ御免)の表紙デザインに続き、今回は「目次」のページをどのようにデザインしていくか、のお話です。
目次のデザインは、"What"と"How"で分けて考える
先にお話ししておくと、例えば学校課題のレポートや卒業論文、企画書、提案書の類は、目次を考えることに多くの時間を割いてから、本編の執筆に入ることを推奨しています。
目次の"What"とは、「各ページで『何を』伝えるか」のことです。コンテンツとも呼んだりします。対して、"How"とは、「『何を』の一覧を『どのように』魅せるか」です。考える順番としては『何を』→『どのように』伝えるか、となりますので、表面的なデザイン表現や真似したい雑誌のテイストを先に作るのではなく、「どんなキーワードで資料全体を構成するか」をきちんと考えた上で、デザインの作業に移っていくことが良いでしょう。
資料を作り始める最初の「構成(目次)を考えること」に多くの時間を割いた方が、後々の作業がスムーズに進みます。
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全体の構成をいくつかの要素で分解したものが目次
資料全体の骨格ともいうべき「構成要素を一覧にして見やすくしたもの」が目次です。最初は箇条書きで構いません。順番なんて後から入れ替えてもいいんです。書きたいトピックスを、一度大きなテーブルの上に「散らす=発散」する。そんなイメージです。できれば具体的なエピソードと関連して書き出してみるのが良いです。これを、俯瞰して「分類方法を把握すること=整理」と考えます。尚、「自称クリエイティブ」な方々は、ポストイットに書いて、大きな紙やボードに貼って眺めては、「う〜ん...」と言いながら満足気になっています。このあとの「整頓」作業こそがクリエイティブなのであり肝心なのです。
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ちなみに、僕も「発散作業」を20分ほどでしたことがあります。デザインや音楽の話も書きつつ、アパレルのことや歌手・女優、嫌いな食べ物などへと派生しまいた。原本を見るともはや意味不明です。理論上、「アートディレクター」の話から「強気なコメディエンヌ」の話まで繋げて話すことが可能なわけです。DJみたいですね。笑
コレらは全て「共通点」が一つでもあったから繋げて書けるのです。下書き前の乱雑な、書き殴ったようなメモでも全然構わないのです。
さて、目次といっても雑誌や小説、そして皆さんが作成中の資料など、あらゆる「目次」がありますので、偏に「目次のデザインは絶対にコレだ!」なんてとてもじゃないですが言えません。
そこで、僕がこれまでに見てきた数多くの資料を元に、今回は一例を紹介します。
※他の例もご覧になりたい方は是非お問い合わせください。
【例】
「自慢できる結果・成果があり、その途中経過の努力や過程を伝える資料」の場合
いわゆる「作品」があるポートフォリオとは若干異なり、「○○大会出場」とか、「□□賞受賞」とか、「目に見えない成果」もこの部類に入ります。
※賞状やトロフィーなどは直接の成果物ではない、ことに注意してください。
仮に、「何にも自慢できる成果がない!」とお思いの方も、達成した「過去」の自慢でなくてもいいんです。これから達成しそうな「未来」の自慢だって構いません。これを「意識高い」と呼ぶらしいですが、大事なのは「意志を高く」持つことです。
では、この場合、一度書き出してみます。
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この箇条書きをする段階を「散らす」と呼ぶ以上、次は、散らした後の片付けをしなくてはなりません。「あと片付け」の能力が大学生や大人になっても問われるんです。ただ、元の場所に片付けるのではなく、まずは「整理」して、それから「整頓」の流れでデザインも考えていきます。
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ある時は、アイデアを出す前のコンセプト段階からデザインを想定した戦略を企画・支援するフリーランス策士。 ある時は、予備校・専門学校・企業研修で効果的な「伝わる」表現をロジカルにレクチャーする講師。