日本でのポピュリズム台頭
れいわ新選組は、所謂左派ポピュリズム的政党だ。そのれいわ新選組が今支持率を増やしている。少し前には右派ポピュリズム政党の維新の会や参政党が支持を伸ばしていた。欧州で起きた、ポピュリズムの波は、日本にやってきたのだろうか。
ポピュリズムとは?
そもそも、ポピュリズムとはなんだろうか。ポピュリズムとは、堕落したエリートを批判し、人民に訴えて政治変革を目指す運動を指す言葉だ。日本語では大衆主義と呼ばれる。
有名なポピュリズム政党も紹介しておこう。ここでは、ポピュリズムを右派ポピュリズムと左派ポピュリズムの2つに分けることとするが、ポピュリズムを具体的に分けることは難しく、ポピュリズムの境目も曖昧であるため、これが全てでは無いことはご了承頂きたい。
右派ポピュリズム政党
日本維新の会(日本)
参政党(日本)
インド人民党(インド)
ドイツの為の選択肢(ドイツ)
国民同盟(フランス)
立ち上がれフランス(フランス)
同盟(イタリア)
イタリアの同胞(イタリア)
オーストリア国民党(オーストリア)
オーストリア自由党(オーストリア)
統一ロシア(ロシア)
ロシア自由民主党(ロシア)
共和党(アメリカ)
左派ポピュリズム
れいわ新選組(日本)
五つ星運動(イタリア)
緑の党(ドイツ)
左翼党(ドイツ)
不屈のフランス(フランス)
ポデモス(スペイン)
民主党(アメリカ)(一部)
労働党(イギリス)(一部)
何故広まっている?
まずはヨーロッパに注目しよう。冷戦終結後、ヨーロッパでは二大政党が衰退し、そこにポピュリズムが入り込んだ形となる。ではなぜ二大政党が衰退したのか。それはソ連崩壊が関係している。
二大政党の片割れ、保守的な政党は反共主義を全面に押し出していた。しかし、ソ連が崩壊すると、ヨーロッパでは共産主義の脅威が無くなり、反共の保守政党は失墜。また、その反共主義に反対し、保守政党を批判してきた進歩的な政党も失墜し、二大政党が崩壊した形となる。
では、日本の場合はどうだろうか。日本はバブル崩壊後、失われた30年を経験した。リーマンショック直後には民主党が選挙に大勝したものの、長期間の自民党政権によって、民主党は実務経験が不足しており、悪夢の民主党政権とまで言われるほどの政権となる。この結果、民主党の支持は無くなり、いくつかの政党を経て立憲民主党、国民民主党、社会民主党に分裂することになる。
自民党についても、現状を打開するほどの成果を出せず、遂には不記載問題で支持を更に失った。結果として、日本でも自民党と民主党と二大政党が崩壊した形と言える。
更に、維新については大阪市政にて汚職を追求し、行政改革を達成したことで名声を獲得した形と言える。
ポピュリズムは良いとも悪いとも言えない。その思想は多種多様であり、講評が難しいのだ。しかし、ポピュリズムというだけで盲信してはならないのは確かだ。ポピュリズム的な思考は、全体主義的な政党が押し出すでもある。ヒトラーやレーニンもまた、ポピュリストだと言えるだろう。ポピュリズムという一括りで見る事はできる限り避けた方が良いだろう。