旅をするとはこういうことさ
#4 世界一周放浪記 カンボジア🇰🇭 コンポントム編
おはこんはろちゃお。世界はちょっとした心意気で回ってるなと感じる今日この頃です。シェムリアップで観光と日本語学校見学を終えた3人は、今回のカンボジア訪問のメインである、コンポントムへと向かいました。
「トラブル」こそ「トラベル」
相変わらずの酷暑の中、シェムリアップの拠点・BLANKゲストハウスを後にし、バス乗り場へと向かう。ただ現金の手持ちが小学生のお小遣いくらいしかないので、バス乗り場までのタクシーに乗れるかすら怪しい。バス乗り場に向かう前にお金を降ろしたいよね、ということで道にあるATMへ。ここでトラブル発生。某大学生がATMにキャッシュカードを入れた後、カードがそのまま吸い込まれてしまいました。我々ではどうしようもないので、ゲストハウスのなっつさんに電話。
「行ってらっしゃい」と見送ってもらった10分後くらいにこんなカタチでお世話になるとか本当に恥ずかしいんですが、恥を忍んでHELPを求めるとバイクですぐに駆けつけてくれる。なんてカッコいいんだ。。。
結果、直接銀行に行ったほうが早いということで、バイクに乗せてもらい、交渉までしてもらい、カードは無事に回収。コンポントムへのバスにもギリギリ間に合い、なんとか3人そろってバスに乗車出来ました◎本当にありがとうございました!皆さん、海外のATM(特に路上)を使う際はくれぐれも隠岐をつけください。
シェムリアップとプノンペンの中間地点・コンポントム
我々が向かうコンポントムは、カンボジアのちょうどド真ん中にあります。
カンボジアで有名なのは首都のプノンペンと、アンコールワットがあるシェムリアップ。ちょうどその中間地点にあるのがこのコンポントム州。ここまで来る人は観光客の中ではかなりレアで、カンボジア人ですら意外と行ったことがないという人がチラホラいるらしい。このコンポントム州の中にある、Sambor Village Hotel(サンボービレッジホテル)が今回の我々の目的地。
関係性の中を旅する
こちらのホテルを知ったきっかけは、島根県の離島、隠岐郡・海士町の居酒屋での飲みの席でのこと。飲みの席で隣に座っていた、海士町が世界に誇るホテル・Entôを経営する青山社長から、「カンボジアに面白いホテルを経営されている日本人がいるから是非行ってみてほしい」とご紹介いただき、今回の訪問が実現しました。
地域と共にあるホテル、自然と共存するホテル、関係性で成り立つホテルと、様々な共通点がありそうということで、東南アジア訪問の中でも間違いなく一番楽しみにしていた時間。青山社長、そして、オンラインで場を繋いでくださった佐藤さん、本当にありがとうございました!
旅の様子はこちらからも
今回、ご紹介頂いた青山社長からの「クエスト」のような形で、コンポントムのSambor Village Hotelに宿泊させていただきました。3人が別の視点からレポートをまとめておりますので、ご興味がある方はこちらも是非。
他の2人が滞在の流れを説明してくれているので、本記事では、より「ヒト」にフォーカスをあてた記事にしていこうと思います。
↑写真メインで、滞在の様子が描かれております
↑宿泊者視点で、文章メインのレポートになります。
コンポントムに愛された日本人
さて、Sambor Village Hotelを経営されているのは、日本人の吉川 舞(よしかわ まい)さん。学生の頃からカンボジアに足を運び、気付いたら無一文でカンボジアに移住して旅を創る仕事を始め、気付いたらホテルの経営者になっていたという、我々の大好物の「トンデモ日本人」です!コロナ禍でホテルが危機だった時には、クラウドファンディングで500万円以上を集め、見事にホテルを再出発させています。(差し出がましいかもですが、このクラファンに書かれている文章は、理屈抜きで読んでほしい。きっと、「なんて美しいんだ」「なんてカッコいいんだ」って細胞が踊り出すはずです)
超絶怒涛の圧倒的な人間力を兼ね備えた女性で、どこから形容すれば良いかは非常に難しいのですが、敢えて一つの側面から語るのであれば、「生きる」ということを丁寧にかつ最大限に楽しんでいらっしゃる方です。そして、その中でも「旅を共に創る」ということにエネルギーを注がれています。吉川さん自身についての紹介や、吉川さんがされてきたことについては是非以下のnoteをご覧ください。
ホテルまるごと村であり、村まるごとホテル。
「サンボービレッジホテル」と聞いて真っ先に思い浮かぶのが、ここは村かっていうくらいの自然に囲まれた風景です。「ホテルまるごと村」です。なんかドラクエに出てきそうな村。一軒だけご飯を食べたりお会計をしたりするメインの大きな建物があって、その周囲に沢山の宿泊棟がある。
そして、もう一つ。このホテルが、コンポントムという街の・周囲の村にとってのハブ的機能を持ちあわせている。というのも、地元のキッズ達とお母さんはホテル内の最高のプールに遊びに来るし、高校生達がホテルに来て、地元の街案内(ガイド)のコーディネーターさんと一緒に学んでいる。
吉川さんは村長さんをはじめとした様々な村の人達と関係性が出来上がっていて、スタッフさん達も周囲に住んでいて様々なネットワークを持っている。なので、なんかあったら「じゃあホテルで話しましょうか」みたいなこともある。
そして、そして、この村とのネットワークと関係性の質の高さがあるからこそ、宿泊者と共に旅をゼロから創るということが出来ます。
吉川さんは宿泊者に言います。「とりあえず手ぶらで身体だけ持ってきてください(Just bring yourself)後はなんとかなるんで」と。(海士町の「とりあえず日本海を超えてみたら分かるよ」になんかにている気がするw)
宿に来る前からあれよこれよと予定を立てるのではなくて、その人と直接お会いして、流れているエネルギーやオーラを感じて、その時のその人の気分や周囲の状況に合わせて最適なプランを共に創る。
なので、ホテルに宿泊する予定だったのが、「3日目は村の村長さんの家に泊まりましょうか!」みたいなこともあるそうです。我々の場合は、メンバーに釣り好きが多かったのですが、「ちょうどホテルで働いているヨンさんが副業的に漁師をやっているから、漁体験一緒にしようか!」となり、ホテルの眼の前の川で漁体験をさせていただきました。
滞在中も予定通りに予定変更が沢山ありました!(でもそれが最高に面白い)
街・村が持っている関係資本をフル動員で活用できるこのネットワークこそ、サンボービレッジホテルの最大の強みなのかなと思います。まさに、「村まるごとホテル」それは、このコンポントムという街に選ばれた吉川さんだからこそ、スタッフさん達だからこそ出来る業なのだと思いますが、これこそまさに、地域と共にあるホテルなのだなと納得をすることが出来ました◎
町の良さを本気で伝えたいと思っているかどうか
吉川さんとお話をしていると、本当に学ぶことだらけで、会話のすべてをこちらで紹介したくらいなんですが、その中でも特に印象的だったことをご紹介。「吉川さんの旅づくりの原体験にあるもの」とは
観光にお金は必要不可欠で、とても大切なものである。でも、旅本来が持つ「厚み」というか、旅がもたらす「豊かさ」をどれだけ大事に出来るのか。カンボジアのアンコールワットで有名なシェムリアップも、近年の観光爆発のせいで、昔は存在していたローカルならではのやり取りや、心温まるシーンが減ったと聞きます。どこが分水嶺になるのか。どうしたら二項対立ではなくて二項循環になるのか。お話を伺う中で、様々な問いが生まれました。
旅をするとはこういうことさ
最後に。青山さん、吉川さんを始め、我々が敬愛する殆どの観光関係者の口から出てくるのが「宮本常一さん」という方のお名前。
宮本常一さんは、日本中を旅して歩き、フィールドワークをしながら、どうしたら地域のエネルギーを高めることが出来るかを探究し続けた民俗学者です。
「宮本常一の観光文化論」
この方の「観光文化論」は、もはや観光以外に関わる全ての方(教育関係者とか特に)に読んでいただきたいのですが、その中でも一部抜粋。
地域を旅し、問いを大切にしながら探究を続ける我々にとって、この方はいまや旅の師匠でもあります。
きっと吉川さんのような、「風のヒトと土のヒトの中間にいらっしゃる」ような方に支えられながら、関係性の中を旅する。時にはゼロから熱をもって自分たちから関係性を創っていく。そして、学び・考え・問いを立て、探究をする。
これがきっと一つの旅のカタチであり、私達が大事にしたい旅のカタチでもあるのかなと思います。(勿論美味しいものを食べて、観光をして、何十時間も電車に乗って、ときにぼったくられてみたりといった要素も大事にしたい)
旅のあり方以外にも、「チームとしてどうあるべきなのか」チームの関係性について再考させられる、とてつもなく最高で最幸な時間でした。こんな体験が出来るホテルがカンボジアの地方にあることが最高で、まだまだ知らない土地を探究してみたいというワクワクと、隠岐・海士町が持つ素晴らしさ・ポテンシャルの凄さを再実感した次第です。特に今回のコンポントム滞在中に、「隠岐じゃん!」「海士町じゃん!」となったことだらけで、共通点だらけだったのはすごく嬉しかったです◎
引き続き、まだ見ぬ世界の素晴らしさを探究しながら、スプーンの油である隠岐の素晴らしさを忘れずに旅をしていきたいと思います。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?