流行りの「心理的安全性」のヒント、見つけてしまいました
流行りというと語弊があるかもしれませんが…ここ数年「心理的安全性」という言葉を聞くようになりました。
「心理的安全性」
自分の考えや意見などを組織のメンバーの誰とでも率直に言い合える状態。
もともとはハーバード大学のエドモンドソン教授が提唱したそうで、心理的安全性が不足していると、「無知だと思われる不安」、「無能だと思われる不安」、「邪魔をしていると思われる不安」、「ネガティブだと思われる不安」が引き起こされるとしています。
そして2016年にGoogle社が「心理的安全性が高い組織はパフォーマンスが高い」という研究結果発表をしたことをきっかけに急速に普及したそうです。
うちの部の心理的安全性はどうなんでしょう?
社内でも頻繁に話題に挙がるようになりました。
最近、心理的安全性についての社内ニュースが発行されたのですが…
あれ?ニュースに掲載されているNG例の言葉、たまに(結構) うちのS課長言ってますよね??笑
例えば「意味わからないんだけど」とか…
(ちなみにこれは「もうちょっと教えてくれないかな?」と言い換えるのが正解だそうです)
S課長もその自覚があるようで…NGワードを和らげるためか、話すときに不自然な笑顔を向けてくれるようになりました。
最近では課長の発言に対して「あ、それ心理的安全性を欠いていますよ」と指摘してするのがちょっとした楽しみになっています。
でもそんな風に楽しめるってことは心理的安全性が高い職場って証拠ですね、きっと!(とってつけた感が漂ってしまいました)
気づいた。私は心理的安全性の高め方を知らない。
そんな、心理的安全性というキーワードだけが頭の片隅に常にある状態で、
先日、社長と社員の座談会に事務局として同席しました。
この座談会の目的は、座談会の内容を社内報に掲載し、会社の方針や社長の考えをわかりやすく正しく社内に伝えること。
せっかくの機会なので普段聞きづらいようなトピックスにも触れて欲しいというのが私たち事務局の想いでした。
聞きづらいことを聞くというのは、まさに心理的安全性が求められる場面です。
とはいえ、
参加社員は入社1年目からベテランまで年齢・社歴はバラバラの4名。
部署や拠点も違うので、「はじめまして~」から始まる状態です。
そしてそこに社長!
心理的安全性を阻害すると言われる、「無知・無能だと思われたくない」という心理がめちゃめちゃ働く場面だと思います。
私は座談会を後ろから見守っていたのですが、ひそかにとても心配していました。
無言になってしまったらどうしよう…
「キレイ」な話に終始して深みのない記事になってしまったらどうしよう…
事務局として心理的安全性を高めるために何かしなきゃ…
はっ!そもそも私、心理的安全性の高め方なんて知らない…
でも心の中がとっ散らかっていたのは私だけだったようで、座談会は終始いい雰囲気で進みました。もしかしてこれが心理的安全性の高い場所なのかもしれないとぼんやり思っていました。
このままぼんやりしていてはいつも通りの私なので、私はビジネスなんとか資格とかもっているわけでもないフツーの素人会社員ですが、座談会後にどんな要素がこのいい雰囲気を作ったのか考えてみました。
ビジネス書いわく、一人一人が気持ちよく話せることが重要だそうです。
その点で見ると、この座談会では誰かが話しているときみんながうなずきながら話し手を見ていて聞いていました。
だれかが話を奪うでもなく否定するでもなく。
今まで心理的安全性って誰かが作ってくれると思っていたけど、参加している全員が作り上げるものなんだと気づかされました。
②分からないことを分からないと言える人と受け止められる人
社長が掲げている「打てば響く経営」という言葉があります。
参加者の一人からこの言葉について、「打つのは誰?響くとはどういう状態?」という質問がありました。
これに対して社長は、「打つのは社員。社員が打つ(伝えたこと)はちゃんと聞く、聞いたらそれに対する計画を作る、そして作った計画はちゃんと実施する、という意味。」
という説明をしたあと
「「打てば響く経営」という言葉は何度も言っていて、社員に意味が伝わっていると思い込んでいた。しっかり説明しないと伝わらないという反省につながった。言葉を大切にしようと思った。ありがとう」
と回答しました。
歳とともに知ってて当然と思われることが増えていって、分からないことを分からないというハードルが上がっていくんですよ。
「え?知らないの?」とか言われると心折れちゃって…。
(こんな中堅社員の嘆きに共感してくれる人はきっといるハズ)
だから今回、相手が社長だとしても分からないことを分からないと言える参加者のみなさんがまぶしかったです。
そして分からないと言えずモジモジしているような人(私です)がいたら、その人が「分からない」と言いやすい空気を作ることも必要なんですよね。
質問や意見に対して「ありがとう」という社長がそのお手本を見せてくれたように感じました。
私に必要なのはビジネス書を読むことよりも周りを見ることなのかもしれない…
1時間の座談会でみつけられた心理的安全性のヒントはこれだけでしたが(なんせ素人会社員な上に頭の中がとっ散らかった状態だったので)
きっと日々の生活の中ではいろんな人が話しやすい雰囲気づくりのための工夫をしてくれているのだと思います。
「今日の会議ではなぜか積極的に意見が言えた!」
ということがあったら、もしかして誰かが工夫をしてくれているのかもと思いました。
「心理的安全性」という言葉を通して誰かの行動を見ると、今までと違った面が見られるのかもしれません。
その人たちをマネすることが憧れの自分への近道なのかもしません。
私だって「カッコいい社会人」を目指してそれなりにビジネス書は読んでます。
そのたびに1年後の私はすごいことになっているのでは!?と淡い期待を抱いてるんですが、数週間後には学んだことが頭から消えています。
ヘンゼルとグレーテルぐらいに知識をボロボロ落としてきてるんですよね、どっかに。
でも人から学んだことは不思議となかなか消えません。
少なくとも「心理的安全性」についてはビジネス書から学ぶより、周りの人から学んだ方が私には合っていそうです。
お手本がたくさんいる環境に感謝感謝です。
もちろん、どんなに頭から知識が零れ落ちようとビジネス書を読むことも諦めませんが!