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【日常にアルプス_1月7日】スキルとリテラシー

Good Morning Alps!
おはよう伊那谷。

2023年12月 白馬村

2025年1月7日 火曜日

昨日、「地域おこし協力隊採用にスキルはどの程度必要とされているのか」ということを考えていて、「あまりスキルは評価されないけど、リテラシーは求められている気がするなあ」と思った。

私が小中学校で「情報リテラシー」の授業をするとき、最初にこれから授業内で使う「ルール・モラル・マナー」の定義から始めることが多い。ルールを当たり前化して、負荷を減らして、余白でどんどんリテラシーを身につけていこうと説明する。このとき、リテラシーについて「機能を把握して、どんな影響を及ぼすものかを理解し、機器やサービスを使いこなす力」というような説明をしている。

例えていうと、スキルは「素早く正確なタイピング」「iMovieの機能を駆使して動画を編集できる」といった「できること」
リテラシーは「正確なタイピングを武器に、自分の意見を的確に伝える行動」「iMovieの機能を駆使して動画を編集し、自分がやりたいことや定めた目標の達成を目指すこと」といった「できることの先」

行政による地域おこし協力隊の採用は(私が経験した長野県伊那市の場合、しかも私の個人的な感想でしかないけど)、採用時点でのスキルはあまり重視せず、活動を通じてリテラシーを身につけようという前向きな意志を評価しているように感じる。

そこが、民間企業の転職とは大きく異なっている気がする。この感覚は、民間企業やフリーランスで自分のスキルを磨いて世の中を渡ってきた仕事人には最初ピンとこない。スキルの棚卸しをして、採用された市町村で活かせるものはなにかと考えがちなのだけど、そもそもあまりマッチしない。それよりも、行政現場が求めているものを観察して、自分のスキルに引き寄せながら、できることの少しだけ先を目指していくことが、受け入れられやすいように思う。

企業勤めがそこそこ長い私自身、着任後に自分の「できること」と現場とのギャップを感じたことは何度もあった。初年度は特に「民間企業では〜」「一般的には〜」とかついつい口をついてしまいそうになるけれど、4年が経った今なら言える。

違う、そうじゃない。現場はおまえのスキルを求めているわけではないし、なんなら即戦力とは思っていない。そうじゃなくて、自分の技と現場ニーズの重なるところを自力で見極めて、2年目以降に成果を上げてくれることを期待しているのだ、と。

私は最初の半年間はピンときていなくてちょっと時間を無駄にしたスロースターターだったなあと、地域おこし協力隊時代を振り返って思う。

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