「妹分」の話①
日付変わって昨日、前のパートナー(あちらさん)が働いている飲食店へ出かけた。
うーん、この一行だけだと、ストーカーみたいである。あちらさんからは「また買いに来てね」と言われていた。
あちらさんがどうこうというより、店を経営している、あちらさんの同級生家族と馴染みになってしまったので(言い方)、「アルプラさん(なんて呼ばれているわけない)、来なくなったね。やっぱり…」と思われるのが、私的には「しんどい」と思ったので、1ヶ月ぶりに行くことにした。
電話で予約したら、珍しく店主が出たので、「あちらさんはいない可能性あるかも」と安堵(言い方)。しかし、店の引き戸を開けると、いらっしゃったよ、あちらさん。会うのは2ヶ月以上ぶりだったけれど、感想は「髪の色、明るい」。
結論。「アルプラさん、来なくなったね。やっぱり…」と思われるのはしんどいけれど、わざわざバスを乗り継ぎ、歩いて店に行くのは、よりしんどい。私の精神衛生に全くよろしくない。
2ヶ月半前、妹分と歩きながらしゃべっていて、「パートナーが前に私に言ってくれた『好きですよ』という気持ち、今どれだけパートナーに残っているかなぁ」とこぼしたら、横断歩道上で盛大に吹き出され、「愛が深くてちょっとメンヘラチックで本当にパートナーさんのこと好きなんだなぁと思っただけです」と返された。
今のあちらさんの心の内は分からない。分からないけれど、分かる。私への好意なんて、もうないってこと。そんな人を想い続けること、(たまたま出くわすならともかく)そんな人に会いに行くことが、私にはたまらなく、たまらなく、たまらなくしんどい。
それから知人の貴婦人が経営しているカフェで一服していたら、「アルプラさん、疲れているね」と心配された。感情を隠す、色付きメガネをかけていた意味がまるでない。
比較的私贔屓の貴婦人は諸事情を把握しているので、「行かんでよくない?」と繰り返し言われた。私だって分かっていますよ、そりゃあ。でも私は、流行の洋服のように気持ちを替えられない。
疲れた自分を奮い立たせ、遠く離れたショッピングモールで用事を済ませ、そこそこ歩き、駅のホームで電車を待っていたら、一回り以上年の離れた妹分から「お電話したいのですが」とLINEが。スマホにSIMカードを挿していない私だが、昨年11月、実行委員の一人として入ったイベント用にWi-Fiルーターを買っていてよかった。
妹分としては、彼氏との間に抱えたもやもやを、何でも話せて信頼できる兄貴分に「聞いてください!」といったところだったと思う。それ以外の話もずいぶんしたけれど。「手紙ってめちゃくちゃもらったら嬉しいよね」「相手が好きなものを自分も好きになろうとする努力って良いよね」「おはよう、おやすみのLINEって大事だよね。愛情表現でもあるし、お互いの生活リズムに改善につながるし」とかそういう話も。だいぶ気が合うから電話したいと思ってくれたのかもしれないな。
実の妹(東京在住、ここ20年でトータル10分も喋っていない)、弟(実は同居中、2025年が始まって3週間以上経って初めて家の中で出くわし、「おかえり」と一言言った)とは「何を話したら良いんだよ」と困惑せずにはいられない私。「おはよう、おやすみのLINEって大事じゃない?」みたいな話、お互いに生まれ変わっても、できない気がする。
ところで、あちらさんと2ヶ月前に会った直後、私はメンブレしまくったっけ。そのときも、妹分は「本当にアルプラさんはよく頑張ってると思います、、、」と励ましてくれた。嬉しかったな。というか、妹分に「あちらさんが働いている飲食店に顔を出そうか迷っている」と相談しておけば良かったと今更ながら思う。
もう、私がバスを乗り継いで、そこそこの距離を歩き、あの店に行くことは、ない。貴婦人や妹分と話し、自分の気持ちに正直になった末の結論。
独占欲強めの妹分が「妹分ポジション取られるのが嫌なので、20代中盤より下の女の子と仲良くしないでください」的なことをマジトーンで言ってきて、飲んでいた水を吹き出しそうになった。現在の友人勢は対象外として、その年代と絡む機会はなかなかないし、「妹分のやることなすこと言うこと、基本的に肯定し、愛でていきたい」と思っているので、そのあたりの心配は無用。
まぁ、私からすれば、「妹分がいる世界観」って、とても楽しいのだが、果たして「逆」はどうかな?と思う。妹分の彼氏が「36歳の姉貴分とごはん食べてくるね、長電話するね」と言い出したら、許容できる?と思う。私はバランスを取りたがる人間なので、興醒めするようなことも言うけれど、今の関係性が長く続くことを願っている。だって、楽しいから。
私もがんばろう。妹分が「私を気軽に呼び出せる権利」を行使できるように、時間の心配などまるでしなくていい長電話ができるように、メリハリある生活を送ることにしよう。妹分との関係性を理解できる、パートナーといつか出会えたらいいな。あちらさんとも妹分とも初めて出会った、「あの場所」がやっぱり舞台になるのだろうな。