#新選組ホロライブ! ~新選組とホロライブに相通ずる誠の魂!~(前編)
はじめに
はい、どーも! えーっと、皆さん、声は聞こえておりますでしょうか?
聞こえている訳がないですね(笑)。蒼玉亭アルファです!
まきえ「……前回も似たようなくだり、ありませんでした?😅 あ、皆さま! ようこそお越しくださいました! アシスタントの〇〇亭まきえと申します!😆✨ よろしくお願いいたしますね♡」
さぁ、満を持して! 今日こそ、僕が広めたい「#新選組ホロライブ」について語っていきたいと思います!
まきえ「よいしょー!」
……が、すみません💦 本題に入る前にちょっとだけ注意事項があるんです。それだけ先にお話しておきたいと思います。
※注意事項
まず、これは重要なことなので最初に言っておきます。
僕はVtuberが好きです。ReGLOSS含めホロライブのメンバーはほぼ全員好きですし、にじさんじ、VEE、あおぎり高校、ぶいすぽっ!、その他個人勢の方の配信(切り抜きが多めですが)もよく見ており、応援したいと率直に思います。
まきえ「ま、まぁ、それはね……。Vが嫌いな人がわざわざこんな企画を考えたりしないでしょうし。今更、ここで言うべきことでもないのでは?」
いや、実はですね。前回の投稿に関して、とてもありがたい意見を述べてくれた方がいらっしゃいまして。その方が言うには、「やりたいことの内容と『Vtuber界が幕末に似ている』ことは理解できた。でも、肝心の『新選組とホロライブの共通点』が述べられていないよ」って趣旨のご意見だったのです。
まきえ「まぁ、それは……。尺の都合で今回、紹介するつもりだったし」
いえ、僕はこの方のご意見を聞いた時、「鋭いな✨」って思いました。痛いところを突かれた……と言いますか。実は「新選組とホロライブの共通点」に関して解説を後回しにした理由は尺の都合だけではありませんでした。
僕が新選組とホロライブが似ていると思ったきっかけ。それは、ホロライブのマイナスなイメージから始まったものだったからです。
まきえ「え? マ、マイナスですか……?」
まぁ、そこら辺については後程しっかりと解説します。が、本題に入る前にきちんとお伝えしなければいけないと思いました。
僕の記事では「幕末の偉人とVtuberさんの共通点から見る人物考察」というテーマのお話をします。例えば、「土方歳三×星街すいせい ~夢を追い続ける鬼の副長~(仮題)」とか「中村半次郎×儒烏風亭らでん ~型破りな最強の英雄が抱く想い~(仮題)」とか……。
まきえ「おぉっ!✨もう、そこまでタイトルを考えているなんて凄いですね。どんな解説になるんだろう……」
まだ仮の内容ですけどね……。ただ、一つ注意がありまして、歴史上の人物を語る際、武勇伝や美談ばかりが出てくる訳ではありません。
特に幕末は混沌とした時代であり、理想を抱いた多くの人物たちの血が流れた時代でもあります。人間の醜い部分に触れたり、悲しいエピソードに触れる機会もあると思います。
まきえ「明るい話題だけ提供することはできない……ということですかね?」
仰る通りです。歴史には光の部分と陰の部分があり、それらは表裏一体です。今回も「新選組」の動乱の歴史に触れる上で、新選組好きにとってもホロライブ推しにとっても辛いお話に触れると思います。
でも、最初にお話した通り、僕はVtuberさん達が好きなので決して負の感情で(アンチ的な考えで)そういった話題を出しているのではない事をご承知おきください。
それを踏まえて、まず僕が皆様にお約束すること。
それは「善悪を語らない」ということです。
まきえ「善悪を語らない……ですか? どういう意味でしょう?」
例えば、僕が「歴史上の人物の〇〇さんにはこういう側面があるけど、それはこの配信者さんのこういう所にそっくりなので、この配信者さんは〇〇かもしれません」みたいな記事を書いたとしましょう。
でも、そこで「だから〇〇さんって悪人だよね」とか「こういう所は良くないよね」という事は絶対に書かないということを、この場でお約束します。
何故なら、そもそも論、「何が正義で何が悪か」なんて歴史を勉強する上でははっきりと言い切れないのです。
例えば、前回少しお話した「鎖国」について。これも歴史学の上では評価が分かれています。「西洋諸国では産業革命で国が発展したのに、日本は鎖国をしたせいで技術革新から取り残されたから悪!」と言っている人もいれば、「いやいや。安易に開国しなかったお陰で他国の植民地になることは避けられたし、日本独自の技術も育っていったんだから良い!」って言ってる学者さんもいます。
まきえ「あー! そういう例だったら『徳川綱吉』もそうですよね! 小学生でも彼のエピソードは知ってるんじゃないかな? 『人間よりも犬や生き物を大事にした生類憐みの令で町民に大迷惑をかけた将軍』っていう悪の切り口で書かれている本が昔は多かったですよね。ただ、最近は『綱吉の時代には戦国時代からの荒々しい風潮がまだ残っていて、人の命が軽い時代であった。そこで綱吉は人間も対象に加えた生類憐みの令を出すことで、捨て子や行き倒れの人、貧しい人の命も助け、武力よりも学問を中心とした平和な社会を築きたかった』っていう良い側面からも紹介されることが増えましたよね」
流石! 僕の心の中のらでんちゃんを魔改造しただけある! 詳しいですね(⌒∇⌒)
そう。このように何が善か悪かという基準は時代背景・立場によっても大きく異なります。坂本龍馬の視点で歴史を見れば討幕派を応援したくなるし、土方歳三の視点で歴史を見れば幕府軍を応援したくなりますよね。それは歴史だけに限らず、現在でも人にはそれぞれの考え方や価値基準がありますよね。
だから、この記事で歴史的事実は正確にお伝えすることは勿論として、ちょっとした推測を交えた妄想話を展開する機会もあると思いますが、歴史上の人物に対しても配信者さんに対しても、その人の善悪を述べることは決してしないと先に宣言しておきます。それは、この記事を読んだ方々の各々の判断や解釈に委ねます。
その上で、僕から皆さんにお願いしたいこと。
それはこの記事の内容だけで、話題に出した配信者さんに対する見方を決めないで欲しいのです。
勿論、この「#新選組ホロライブ」の内容が多くの人に広まるのは僕としても大変嬉しいです。ただ、僕がここで述べている意見はあくまで一個人の考え方であって、その人の僕が知らない魅力や僕の考えを覆すようなエピソードが幕末の英雄にも配信者さんにも存在するかもしれません。
なので、(勿論、この記事を読んでくださっている貴方は言われずとも、こういうスタンスだとは思いますが)僕がこの記事で書いているのは「ちょっと頭のいかれた歴史好きホロリスが書き殴っている妄想話」とでも思ってください。あくまで幕末やVtuberに興味を持ってもらう為の入り口であり、鵜呑みにしないこと。
何卒、お願い申し上げます。
まきえ「ということです! 私からもお願いしますね! この記事だけで安易に判断せずに、歴史の本を調べてみたり、その人の配信に行ってみたりして。自分の頭でゆっくりと考えてみてくださいね!☺」
長々とすみませんでした!<(_ _)> では、気を取り直して本題に入っていきましょう!
※そもそも「新選組」って何?
まきえ「ところで、アルファさん。いきなり、『ホロライブと新選組の共通点はこれだぜ!』みたいな話をしたところで、そもそも『新選組とは何か』を知らない方がいたら、また皆、寝落ちしちゃいませんかね? 音乃瀬奏ちゃんとかENの方々からホロのファンになった日本圏以外のリスナーの方とか、まいたけダンスとかマリ箱からホロに興味を持った小中学生のファンの方は『新選組』の名前すら知らないんじゃないかなぁ……」
まきえちゃんのご意見、ごもっともだと思います。
なので、ご安心ください! 日本圏以外にお住いの方、小中学生の方、それ以外にも日本史が苦手!サッパリ!という方にも新選組の魅力が伝わるように……。「新選組とは何ぞや」を1から説明していきましょう!
(最近は「青のミブロ」がアニメ化されましたし、意外と小学生でも司馬遼太郎先生の「燃えよ剣」を読んでいる方が多いと聞いておりますので、そういうコンテンツで「新選組?そんなの説明されんでも知っとるわい!」って方は飛ばして読んでくださいな🙇)
まきえ「ここから始めましょう! イチからーーいいえ、ゼロから!」
じゃあ、話を始める前に皆さんにお聞きします。
はい。こちらはいらすとやから持ってきた画像ですが、「この浅葱色(薄い青色)に白のギザギザが入った羽織、見たことある!」って方は手を挙げてください。「新選組」という名前や「新選組がどんなことをしたのか」を知らなくても、この羽織を見たことある人は多いんじゃないでしょうか。
隊士がこの羽織を実際に着用していた期間は2年ほどでしたが(あまりにも派手で目立って敵に気付かれるからという理由😅)、「新選組」というワードを聞けば大体の人はこの羽織と「誠」の文字が大きく書かれた旗を連想するでしょう。
羽織の白いギザギザ模様は「だんだら模様」といって、「忠臣蔵」で有名な赤穂浪士の討ち入り装束にもこの模様が入っていたと言われています。赤穂浪士をざっくり説明しますと、主君である浅野内匠頭がとある事情で切腹してしまい、その原因となった浅野の敵、吉良上野介を浅野の部下である大石内蔵助を含む47人の武士が見事、討ち取る。この47人が「赤穂浪士」と呼ばれ、「主君に忠実な武士の中の武士」と多くの侍から尊敬される存在となったのです。一方、羽織の色である薄い青色「浅葱色」は武士が切腹する際に身につけていた色だとか。そして、新選組の隊旗(その集団が掲げる旗のこと)に書かれた「誠」の字の意味には様々な説がありますが、説の一つに「元々は誠忠(せいちゅう)という文字が書かれていたのを略した」というものがあります。誠忠の意味は「真心や誠意から行う忠義の行動や心」らしいです。
武士として死ぬ覚悟を持ち、一切の打算や下心を持たず、大政奉還や王政復古の大号令を経て実権を失ってしまった幕府に忠義の心で仕え、最期まで信念を貫いて戦い続けた武士達!これこそが新選組なのです!
まきえ「なるほど!……と言いたいですけど、話がすごく抽象的なので、もっとこう……。具体的な話をお願いします😅」
あぁ、そうですよね!つい、熱くなってしまい失礼しました🙇♂️。
色々と新選組に関連する出来事はありますが、長々と説明すると10万字くらいになりそうなのでね。詳しいことは追々お話しますので、ここではざっくりとまとめます。
新選組はズバリ「京の治安を守る為の治安維持組織」です! 今の時代で例えると「警察」。その中でも「京都府警」に例えるのが一番正確かもしれません。(さらに正確に言えば、他にも京都見廻組という正式な治安維持部隊もいたので、新選組の担当地域は京都市内のごく一部でしたが……😅)
前回の記事で、少し「尊皇攘夷派」についてお話したと思います。幕末の京都では尊皇攘夷を掲げる維新志士たちが、「奸物殺し」と言われる、尊皇攘夷と異なる意見を唱える者、倒幕活動を行う志士を粛清する者を片っ端から暗殺する血生臭い事件を起こしていました。
まきえ「あぁ、幕末四大人斬りとか有名ですもんね。岡田以蔵とか、田中新兵衛とか……」
まぁ、暗殺で代表的なのはその二人ですね。
新選組はこのような事件を起こす尊皇攘夷派の過激派を取り締まり、京の治安を守っていたのです!
まきえ「へぇ〜。じゃあ、幕府が新選組っていう警察組織をいきなりぶっ立てて、そこに近藤勇や土方歳三が志願してきたってことですか?」
いえいえ、実は新選組はいきなり設立された訳ではありませんでした。
新選組結成までの流れを時系列に沿って、ざっくりと説明しますね。
元々、新選組の主なメンバーは「試衛館」という剣術道場の出身者でした。この試衛館は現在の牛込柳町駅の近くにあります。(僕が通っていた高校がこの近くにある……ということを成人してから知ったので驚きでした🫢‼️)
有名な近藤勇、土方歳三、沖田総司……。新選組で活躍する主な隊士はこの道場で「天然理心流」という流派の剣術を修行していました。
まきえ「天然理心流については後ほど、解説しますね!😉」
さて、いつものように剣術修行をしていた近藤たちのもとに思わぬ知らせが飛び込んできました。
1863年(文久3年)1月 試衛館にて
永倉新八(役:兎田ぺこら)「皆! そら先輩! 大変ぺこ!」
近藤勇(役:ときのそら)「ぺこちゃん、どうしたの? そんなに慌てて」
永倉(兎田)「ずっと言ってたでしょう! いつか武士になって、ご公儀(幕府)の為に立ち上がりたいって! その夢が叶うかもしれないぺこ!」
沖田総司(役:風真いろは)「ぺこら先輩、そんなに慌てないで落ち着いて話してくださいよ~」
永倉(兎田)「ござる! これが落ち着いていられるかってんだ! 14代将軍・徳川家茂公が上洛(地方から京都へ赴くこと)することになったぺこ!」
斎藤一(役:宝鐘マリン)「……それで?」
永倉(兎田)「それで?じゃねぇ! 最近、尊王攘夷派の荒々しい奴らが京で暴れまわってるだろ? そいつらから将軍様をお守りする警護役『浪士組』を幕府が募集してるぺこだよ!」
土方歳三(役:星街すいせい)「んなこと言ったって……。あたしらみたいな田舎者は門前払いだろ」
永倉(兎田)「すいちゃん。ぺこーらも最初はそう思ったけど……。実は!」(懐から紙を取り出して読み上げようとする)
藤堂平助(役:沙花叉クロヱ)「あー! 何ですかぁ、これ?(紙を奪い取る) なになに?『尽忠報国(じんちゅうほうこく)の志を元とし、公正無二(こうせいむに)、身体強健(しんたいきょうけん)、気力荘厳(きりょくそうごん)のもの、貴賤老少(きせんろうしょう)にかかわらず御召寄せ(おんめしよせ)に相成(あいなり)』。つまり、これって……どゆこと?」
井上源三郎(役:癒月ちょこ)「……😅。忠義を尽くして国の為に働く志があることが大前提。その上で、真面目で健康で気力があって、腕に覚えがある人ならば……」
山南敬助(役:桐生ココ)「身分に関係なく取り立ててくれる……ってことらしいですね! 今までのように身分にこだわっていられる状況ではなくなったという訳か。なんにせよ! これはまさに武士に成り上がる最大の好機!」
原田左之助(役:不知火フレア)「フフフ……。私の種田流槍術の腕前を披露する時が来たようだな✨」
阿比留鋭三郎(役:湊あくあ)「あ、あてぃしでも……活躍……できる……かな?」
永倉(兎田)「……ぺこーらが言おうと思ってたのに😢」
まきえ「何ですか……この寸劇……💦」
いやぁ、ここらで主な試衛館時代の新選組隊士を紹介しておきたいな……と思いましてね。(⌒∇⌒) ここで登場したメンバーは今後、新選組が見舞われる様々な出来事に大きく関わっていくことになります! いわば、レギュラーメンバーですね! 後々、芹沢鴨や伊東甲子太郎といった主要人物も現れますが、それは追々……。
ま、とにかく。新選組のスタートはここから語られる事が多いです。最初から新選組という治安維持部隊として活躍した訳ではなく、浪士(浪人の武士のこと)を寄せ集めた「浪士組」として将軍様をお守りする為に京へ向かった訳です。
しかし、京の都にたどり着いた彼らに、この「浪士組」を発案した清河八郎という人は真の思惑を突きつけるのでした。
清河八郎(配役:ツラニミズ ※元・イノナカミュージックプロデューサー)「諸君、よく集まってくれた。今日は皆に話したい事がある……」
(ざわめく会場)
清河(ツラニミズ)「実はこの浪士組。将軍をお守りする為に組織された……訳ではないのだ!」
浪士達「!?」
清河(ツラニミズ)「私の真の思惑はこうだ。この浪士組は今後は天皇の兵として活躍する。幕府の為ではなく、朝廷の為に尊皇攘夷の活動を行うのだ! という訳で、皆! 朝廷に提出する建白書に全員署名したまえ! 朝廷に認められ次第、我々は江戸に戻って尊王攘夷を成し遂げるぞ!」
近藤勇(ときのそら)「じゃあ敵だね」
清河(ツラニミズ)「え……」
近藤(ときのそら)「そういう筋が通らないことを言うなら、私たちはもう従えないよ! 朝廷に逆らう訳じゃないけど、私たちは将軍様を守る為に京に来たんだよ!」
土方歳三(星街すいせい)「あぁ、そらちゃんの言う通りだ。ここまで来て、本来の主君を裏切るのは武士じゃねぇな」
芹沢鴨(役:潤羽るしあ)「その通りだよ。ときの君、よく言った」
近藤(ときのそら)「う……潤羽先生!」
芹沢(潤羽)「君たち試衛館と私ら水戸浪士。出自は違えど、京の街で将軍を守るという志は同じ。こんな騙し討ちみたいな手を使う男の元で振るう剣は無いね」
近藤(ときのそら)「……という訳です。私たちは京に残って活動を続けます」
清河(ツラニミズ)「勝手にしろ! その代わり、もう我らとは何の関係もない! 正当な理由なく市中にいる浪士という扱いになるからな! 後悔するなよ!」
(後日)
松平容保(役:谷郷元昭 ※ホロライブCEO)「京都守護職に任命されたが、京の治安維持の為に一人でも多く人手は確保しておきたい。浪士組の多くは江戸に戻ったというが、この二組は幕府に尽くす為に京に残ったのか……」
山川大蔵(役:九条林檎 ※元Sony Music VEE所属 個人勢Vtuber)「では、谷郷殿。いかがなされますか?」
松平容保(YAGOO)「後ろ盾を失くしても志を遂げようとする気骨と心意気は見事! よし! 彼女らは我ら会津藩が預かるとしよう!」
という流れで、1863年3月12日。
京に残った近藤・芹沢たちは会津藩主ならびに京都守護職の松平容保の下、「会津藩預かり」という形で京の治安維持活動を任されることになりました。
まきえ「うわぁ! 色々と新キャラも登場してる! ところで、九条林檎さんが登場しているのは何でですか?」
実は僕はSony Music VEEを幕末で例えると「会津藩」だと思っていて、「#白虎隊VEE」というのもいずれは広めたいなぁ……と。
本筋からズレるので今は話しませんが、こちらも機会があればいずれお話しましょう。
まきえ「色々と考えてるんですねぇ。妄想力逞しいな! ……まぁ、とにかく以上が新選組結成の流れですね!」
いえいえ、ここまでは新選組の前身となる「壬生浪士組」結成までのお話です。
壬生に屯所(駐在所のこと。新選組の場合は宿舎や道場も兼ねている)を構える浪士達の集団ということで「壬生浪士組」ですね。
この壬生浪士組は次第に芹沢鴨が率いる「芹沢派」と近藤勇を中心とする「近藤派(試衛館派)」に分かれ、芹沢派が八木邸、近藤派が前川邸を屯所として活動を行っていました。
さて、壬生浪士組が結成されて少し後。
文久三年(1863年)8月18日。「八月十八日の政変」が起こりました。
まきえ「あぁ、八月十八日の政変ですか。あの辺りは色々な事件が多くて、どんな内容でしたっけ?」
ざっくりと言えば、会津藩と薩摩藩、そして公武合体派の公家が結託! 攘夷運動を推し進めていた中心核の公家達、三条実美(さんじょうさねとみ)ら7人。そして、長州勢力を一気に京から追い出した事件です。
まきえ「あれ? 会津藩と薩摩藩って戊辰戦争で敵同士だったのでは? それに公武合体って……」
……そうですね。この辺りは丁寧に説明した方がいいかな。争いが起こった背景を詳しく説明します!
まきえ「是非、お願いします!😊」
当時、京では御所(京都御所)の門を警備する為に特定の藩が藩士を一定数置いていました。
特に多いのは以下の三藩で、これらの藩にはそれぞれの思惑があったのです。
①長州藩……尊皇攘夷バリバリ推進派! 攘夷の意思が強い公卿たちを抱き込み、攘夷色に染め上げていて一定の勢力を築いていました。京の街で「尊皇攘夷」を掲げて暴れ回っている浪士は、この藩の人が多かったりします。
まきえ「なるほど。熱い信念を持ちつつ、暴れ回る問題児。例えるなら、『僕のヒーローアカデミア』の爆豪勝己くんみたいなタイプだと」
②薩摩藩……公武合体派。つまり、朝廷と幕府を結びつけさせよう!という考え方なので、この頃は幕府とは比較的、良好な関係でした。(この頃は「雄藩否定論」と言って、薩摩みたいな裕福な藩を幕府は危険視していたという背景もあり、心底仲が良かった訳ではないですけどね💦)
先ほど、まきえちゃんが「薩摩と会津は敵同士」みたいな話をしていましたが、薩摩が倒幕派になって会津と敵対するのは「薩長同盟」を経て「やはり旧態依然の幕府を倒した方が良い!」という考えが強くなってからなので、実はもう少し後の事なのです。
藩の方向性や立場を柔軟に考えて、必要とあらば変化させ、大胆に行動を起こす。幕末の薩摩は本当に強いのです。
まきえ「ふむふむ。『薩摩ホグワーツ』でも有名になった異質性。表向きは気さくに振る舞いつつ、心の中では何を考えているか分からない強者。例えるなら、『ようこそ実力至上主義の教室へ』の綾小路清隆くんみたいなタイプだと」
③会津藩……ガチガチの佐幕派。会津藩には藩祖・保科正之の代から伝わる「会津家訓十五ヶ条」というものがあり、その中に「一心大切に忠勤を存ずべし」という言葉があります。つまり、どんな時でも主君に忠実でなければいけない的な意味です。
(政事総裁職の松平春嶽にこの家訓の事を言われ、容保は京都守護職の任を断る事ができませんでした😭 本当は負担も多いし、容保もやりたくなかったと思いますけどね💦)
つまり、日本をどうすべきかみたいな思想云々より幕府と京の治安を守ることを第一として考える。The品行方正な優等生の風紀委員長タイプを連想してください笑。
まきえ「つまり、一度仕えると決めた相手に忠義を尽くす。真面目で謙虚で品行方正な性格に加え、侮れない戦闘力を持つ。武闘派の風紀委員タイプ。『魔法科高校の劣等生』の司波達也くんみたいなタイプだと」
……まきえちゃん。なんで先ほどから、藩をアニメキャラに例えているんです?
まきえ「わかりやすくなるかなぁと思いまして😁」
……説明を続けますね😓。
今は「どの県に住んでいようと、皆、同じ日本人」って感覚ですよね。
まきえ「当たり前じゃないですか。京都府に住んでいようが、東京都に住んでいようが、長野や山梨に住んでいようが皆、同じ日本人ですよ」
ところが、江戸時代は「他藩は他国である」という認識が当たり前でした。藩主というそれぞれの国を治める領主がいて、徳川はそれをまとめているだけ。
関所もあったし、勝手に藩を抜けることは「脱藩」といって重い罪になった時代ですからね。現代のように気軽に他所の県を行き来することも、できない訳じゃないけど(今の時代と比べれば)難しくはありました。
だから、幕末において他所の藩は他所の国という認識が強いのです。
そういう背景もありつつ、長州と薩摩は同じ勤王を掲げていたという事もあって競争意識が強い。
まきえ「バチバチにやり合ってたって事ですね。まさに犬猿の仲! さらに八月十八日の政変の後、禁門の変もあってコテンパンに長州はやられますからね。薩長同盟が結ばれるまで、本当にバッチバチ💥だったでしょうねぇ……」
あ、そうそうそんな感じ。
まぁ、禁門の変まで解説するとちょっとややこしくなるので、ここでは置いておきましょう。八月十八日の政変の解説に戻ります。
先程、長州藩は攘夷色の強い公卿を抱き込んだって言いましたよね。ある時、孝明天皇から薩摩藩に「孝明天皇は攘夷派の活動を喜んでいる」という知らせが届きました。しかし、結果的にこれは長州藩士と久留米藩の真木和泉という人物によって仕組まれたデマ! このデマに協力していたのは攘夷の考え方が強い三条実美らの7人の公卿だったのです。(本当は孝明天皇は攘夷自体には賛成でしたが、長州藩の過激な攘夷活動には不信感を持っていました)
ここで薩摩藩は会津藩に「最近、天皇の言葉の偽物が出回っていて、これは長州藩の仕業だろうから一緒に悪巧みしてる奴らをぶっ潰そーぜ!」って声を掛けます。会津藩はこれを承諾し、薩摩藩と会津藩の間で同盟が結ばれました。
そして、これらの事を朝廷の中で公武合体派だった「中川宮朝彦親王(なかがわのみやあさひこしんのう)」が孝明天皇に知らせます。それに対し、孝明天皇は8月17日に「力づくで国家の害になってる奴らを追い出しやがれ」(意訳)って内容の命令書を彼に授けました。
この命令を受けた薩摩藩・会津藩は御所の全ての門を閉じて兵士で固めました。最終的に三条実美ら7人の公卿には禁足が命じられ、長州藩も今まで担当だった堺町御門という門の警護の仕事を外されてしまったのです。この事件が起こったのが八月十八日なので、「八月十八日の政変」と呼ばれています。
まきえ「なるほど! 長州藩が京から一掃されたっていうのはこういう流れがあったんですね。で、この政変がどのように新選組に関わってくるんです?🤔」
あぁ、すみません。その話をまだしていませんでしたね🙏。
この事件では武力衝突の警戒がされていたので、壬生浪士組も会津藩の命令を受け、御所の警備を任されました。このお役目で活躍を見せたことから、壬生浪士組は「新選組」の名前を賜りました。(誰から貰ったのかについては諸説あり、朝廷から賜った説、松平容保から賜った説の二つが有力です)
まきえ「ここからが『新選組』としての本当のスタートってことですね!😆」
そういう事です。この後、筆頭局長である芹沢鴨の粛清、池田屋事件、山南敬助の脱走と切腹、伊東甲子太郎率いる御陵衛士と争った油小路の変……。
新選組は様々な事件や戦いに身を投じることになりますが、池田屋事件で活躍を見せた新選組はようやく幕臣として取り立ててもらえる事となりました。しかし、その最盛期もたった4ヶ月間。
4ヶ月後に大政奉還が為されてしまい、そのすぐ後に王政復古の大号令も発令された事で幕府の実権は完全に失われてしまう……。それに伴って、新選組も凋落の一途を辿ります。
1868年1月、新政府軍と旧幕府軍が衝突した「鳥羽・伏見の戦い」を皮切りに戊辰戦争が開戦。新政府軍が天皇側である証の「錦の御旗」を掲げた為、戦いは士気が上がった新政府軍側が一気に優勢となりました。
「朝敵」、すなわち天皇の敵側になってしまった旧幕府軍は次第に追い詰められていきます。そのような動乱の中、近藤勇は板橋で処刑されてしまい、沖田総司も病死。井上源三郎、原田左之助、山崎丞といった主要メンバーも次々と命を落としていきます。
函館に移り、榎本武揚と共に新政府軍と戦った土方歳三も戦死し、新選組最後の局長である相馬主計(そうまかずえ)が降伏した事でようやく新選組の戦いは終わりを迎えたのです。
明治以降、敗北した旧幕府軍は賊軍と見なされ、新選組は恐ろしい朝廷の敵と言われていましたが、新選組の生き残りである永倉新八が1913年3月に小樽新聞で新選組を語る記事を執筆。さらに新選組慰霊碑の建立にも尽力し、このような活動の甲斐あって次第に新選組の名誉は回復していきました。
そして現代、子母澤寛(しぼさわかん)の「新選組始末記」、司馬遼太郎の「燃えよ剣」を筆頭に様々な小説・漫画・ドラマ・ゲームで新選組の活躍は描かれ、「最期まで誠の忠義を貫き、信念を抱いて戦い抜いた英雄」として多くの人から愛され、讃えられる存在となったのです。
以上が新選組ざっくり解説でした。
まきえ「わー!パチパチ!👏👏👏 ざっくりでしたけど、新選組が本当に凄いってことは充分に伝わりました!🥹 己の信念の為に命を懸けて戦う……。今では、なかなかこんな人はいないでしょうねぇ」
いやぁ、本当はまだまだ語りたいことがあったんですけどね。
新選組にまつわる出来事は一つ一つがボリューム満点でなかなか一つの記事には収まりませんね😓。
新選組ファンの皆様にとっては、「何だよぉ!😕 新選組の肝心なところについては何にも説明してないじゃないかよぉ😩」と文句が出そうな解説だったと思いますが、あくまで今回は「新選組入門編」という感じで触りの部分だけ重点的に解説しました。
他の新選組のメインイベントについては、以下の記事で語ろうかと考えています!
(今後の記事執筆予定)※タイトルは仮題です
・芹沢鴨粛清について……「芹沢鴨×潤羽るしあ 〜二人は世を騒がせた荒くれ者なのか?或いは……〜」
・池田屋事件について……「近藤勇×ときのそら 〜隊を支える皆の希望! 二人に共通する強さの秘密」
・山南敬助の脱走と切腹について……「山南敬助×桐生ココ 〜隊士の心に刻みつけた散り様 その瞳は何を見る?〜」
・御陵衛士と油小路の変について……
「伊東甲子太郎×ラプラス・ダークネス 〜多くの隊士の支持を集めた動乱の世の風雲児〜」
「藤堂平助×沙花叉クロエ 〜剣・配信活動に青春を懸けた魁(さきがけ)の戦士〜」
・戊辰戦争と函館の戦い……
「斎藤一×宝鐘マリン 〜自由で型無き無敵の剣 流れるがままに辿り着く先は?〜」
「榎本武揚×轟はじめ 〜総裁と番長 頂きに立つ長の信念と心意気〜」
「土方歳三×星街すいせい ~夢を追い続ける鬼の副長~」
……などなど。
他にも様々なホロメン、他事務所・個人勢のVtuberさんの配信スタイル・配信活動における想いから、新選組や幕末を考察する記事を書いていこうと思います! 乞うご期待!
まきえ「わぁっ!🤩 これは凄い! どんな内容が語られるのか! 非常に楽しみです!✨ ……ん? ちょっと待って!🖐️ まだ、肝心の話をしてないじゃないですか!💢 新選組とホロライブの共通点! 前回、あれだけ引っ張って、解説しないんですか!👊💥」
ちょっと、ちょっと……💦 殴りかからないで、落ち着いてください!💦
今回、思いの外、「最初の注意事項」と「新選組ざっくり入門解説」に時間をかけ過ぎてしまいました。
なので、今回は「前編」。肝心の「新選組×ホロライブ」は「後編」でがっつり語っていきたいと思います!
まきえ「アルファさんのペース配分がダメダメ過ぎて、ぐだぐだになってしまい申し訳ございません🙇♂️ 私からも深くお詫び申し上げます」
まぁ、そう言わないで。「後編」では、まきえちゃんに最高のサプライズプレゼントがありますからね。お楽しみに!😁✨
まきえ「えっ! 何でしょう? 凄く気になる! これで飴玉一個プレゼントとか言ったら許しませんからね!」
そんな訳ないじゃないですか……。
それでは皆様! ここまでお付き合いいただき、誠にありがとうございました!😊
また、「後編」でお目にかかりましょう!
まきえ「それではみなさん! さようならでn……」
それは本家の決め台詞なんで駄目! 怒られちゃいますよ!😥
まきえ「😝」
まきえ「今回の内容は以上です。ご意見やご感想がありましたら、是非お願いいたします! 参考文献は以下の通りです」
参考文献
①「マンガ 面白いほどよくわかる!新選組」かみゆ歴史編集部(編者)・竹村ケイ(漫画)(株式会社西東社)2020
②「学研まんが NEW日本の伝記9巻 新選組」大石学(監修)・ひのみち(漫画)・こざきゆう(脚本)(株式会社 学研プラス)2017
③「漫画版 日本の歴史11 黒船と開国 江戸時代後期」山本博文(監修)・石川樹(漫画作画)(角川文庫)2018
④「八重の桜 1」梨月詩(作画)・山本むつみ(原案)(小学館 Cheese!フラワーコミックス)2013
⑤「ちるらん‐新選組鎮魂歌‐ 1巻」橋本エイジ(漫画)・梅村真也(原作)(ゼノンコミックス)2011
⑥「【最新版】新選組検定 公式ガイドブック」菊地明(著)・井澤豊一郎(編集)(世界文化社)2020
⑦「世界一よくわかる新選組」山村竜也(著)(祥伝社)2017
※また、本記事内に掲載している写真は著者自ら撮影した写真を使用しております。
また、見出し画像は
アツロー(@aturou3)様
が描いてくださった素敵なイラストを
前回に引き続き使用しております。
最高のAZKiちゃんとロボ子さんイラストを
ありがとうございます!😊