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とらふずく先生の授業
先日、森先生に紹介してもらい博物倶楽部が主催しているワークショップに行ってきました。タイトルは『動物のホネと暮らし〜たべる編』。都内の中学・高校で理科教師をされている平山先生が授業をしてくれました。(Twitter:理科教師とらふずく)
今回はこのワークショップの感想を書いていきます!
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ワークショップについて
ワークショップではタイトルの通り、動物の頭骨のつくりを見ながら、その動物が何を食べて生きていたのか、どのように生活していたのかを推察しました。一番の驚きは、机の上にダーーっと20個ぐらい動物の頭骨が並んでいたのですが、そのほとんどが本物で、しかも平山先生自ら骨格標本化したものでした。「これは奥多摩で死んでたタヌキなんだ」「鎌倉で拾ったリスだよ。リスを捕まえてきたら、この骨と交換してあげる」などと先生が言うと、子供たちがすごく盛り上がってました。
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特に面白かったお話
特に面白かった話をひとつ紹介します。ニワトリの胸骨の話です。ニワトリの胸骨ってすごい発達しています。
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赤い丸で囲った部分が胸骨
ケンタッキーでいうキールの部分です。胸骨が発達しているのは、その胸骨が大きな胸の筋肉の付着点となるからです。というのも、ニワトリはセキショクヤケイという鳥が家畜化されたもので飛翔能力がありませんが、家畜化される前のセキショクヤケイには飛翔能力がありました。飛ぶためには翼をはばたかせるために胸の筋肉が必要です。胸に筋肉をつけるために、その筋肉の付着点となる骨も必要ということで胸骨が発達したのです。では元から飛べない鳥、例えばキーウィやダチョウの胸骨はどうなっているのか。これらの動物はそもそも飛ばないため、胸の筋肉が必要ありません。そのため胸骨も発達していないのです。
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ニワトリのような発達した胸骨がない
では同じく飛ばない鳥で有名なペンギンはどうでしょう。
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ペンギンの胸骨はとても発達しています。
飛ばないのに。
これはペンギンが移動手段として飛ばずに歩くというだけでなく、海を泳ぐということが関係しています。ペンギンが海で泳ぐ時、羽を翼のように使ってパタパタと泳ぎます。つまり、飛ぶことはできませんが、海を泳ぐ時に、空を飛ぶ時と同じような動作をするのです。パタパタと泳ぐための筋肉が必要なので胸骨も発達しています。このように動物の骨を見るとその動物がどのような生活を送っていたかが分かるのです。
おわりに
それにしても、とらふずく先生の授業がとても面白かったです。初っ端の親父ギャグから始まり、声の抑揚や間も完璧で、体全体を使って自分のイメージを子どもたちに表現していました。ホワイトボードにさっと、本物そっくりのタヌキやコウモリを描いてしまうところも憧れます。色々な先生の授業を見る機会が少なくなっていた自分にとってとても良い刺激になりました。自分の授業にとらふずく先生のおもしろエッセンスを加えたい!この骨のワークショップを参考にアルファ実験教室でも今年の夏の実験デーで骨の授業をするために準備中です。お楽しみに!