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フリーランスの男性は産後うつになりやすい?― 増え続ける“家にいる夫”の危機

フリーランス男性の産後うつは、これから確実に増える

近年、「夫の産後うつ」 が社会的に認識されるようになってきた。
だが、特に フリーランスの男性 において、産後うつはより深刻な問題となる可能性が高い。

その理由は、「家で働くこと」 が、「仕事と育児の境界線をあいまいにする」 からだ。
そして、それは結果的に 「夫の負担感を増し、産後うつを引き起こす要因」 になりうる。

フリーランスの働き方は自由度が高い。
しかし、「家にいる時間が長いこと」 が、逆に精神的な負担を増やしてしまうケースもあるのだ。


「外に働きに出ている男」の方が、産後うつになりにくい理由

会社員の男性の場合、基本的には「仕事で外に出る」ことが当たり前だ。
つまり、物理的に家を離れられる というメリットがある。

🔹 職場にいる時間=育児の時間から“強制的に”切り離される
🔹 「仕事だから仕方ない」と思うことで、家事や育児の負担を一定程度免れる
🔹 職場という“社会的な逃げ場”があるため、家庭内のストレスを分散できる

もちろん、会社員の男性でも産後うつになるケースはある。
しかし、「物理的に育児から距離を取れるかどうか」 という点において、
フリーランスの男性とは決定的に環境が異なる。

「仕事と育児の両立ができる環境にいること」=「すべてをこなさなければならない圧力」
これが、フリーランス男性の最大のリスクなのだ。


「家にいるフリーランスの夫」は、責任感の塊になりやすい

フリーランスの男性は、「時間が自由になる」という理由で、家事・育児の負担を求められがち だ。

🔹 「家にいるんだから、家事もできるでしょ?」
🔹 「仕事の合間に、ちょっと育児手伝ってよ」
🔹 「あなたの方が融通が利くんだから、家のこともやってよね」

こうしたプレッシャーは、フリーランスの男性にとって “避けられない現実” である。

もちろん、パートナーを支えたい気持ちはある。
「できる限り家事や育児を手伝いたい」と思うのは当然だ。

だが、その 「できる限り」 のラインが曖昧になることで、すべてを抱え込んでしまう のだ。

そして、「もっと真剣にやって」 と言われた瞬間、自分の頑張りが全否定されたように感じる

「俺は何のためにこんなに頑張っているんだ?」
こうした思考が蓄積され、最終的に 産後うつへとつながる。


「育児を頑張ろうとするほど産後うつになる」矛盾

フリーランスの男性が産後うつになりやすい最大の要因は、
「家で家事・育児を頑張ろうとするほど陥りやすい」 という皮肉な事実にある。

🔹 責任感が強いからこそ、家事・育児を頑張る
🔹 でも、どこまで頑張ればいいのか、正解がない
🔹 「仕事があるから手伝えない」とは言えない(言いにくい)
🔹 その結果、育児・家事に巻き込まれすぎて精神的に追い詰められる

つまり、
「家事・育児を積極的にやろうとするほど、心が追い詰められてしまう」 という矛盾が生まれるのだ。

そして、何よりも大きな問題は、「夫の産後うつが理解されにくいこと」 である。


「フリーランスの夫の産後うつ」は理解されない現実

産後うつといえば、「母親がなるもの」というイメージが強い。

たとえば、フリーランスの夫がこんなことを言ったらどうなるか?

🗣 「育児のことで鬱っぽくなってる」
🗣 「家事と仕事の両立がしんどい」
🗣 「妻にキツイ言葉を言われて辛い」

おそらく、世間の反応はこうだ。

「でも、奥さんの方が大変でしょ?」
「仕事の合間に家事やれるなら、まだマシじゃない?」
「母親の方が、育児負担が大きいよ」

「夫の産後うつ」 は、まだまだ理解されない。
その結果、フリーランスの男性は 「どこにも相談できず、1人で抱え込む」 という状況に陥る。


「フリーランス男性の産後うつ」を防ぐために必要なこと

フリーランスの男性が産後うつを回避するには、いくつかのポイントがある。

① 「仕事と育児の境界線を明確にする」

「仕事の時間は、育児をしない」とルールを決める
「育児の時間は、仕事をしない」と切り替える

フリーランスは、時間の自由があるからこそ、
「何となく仕事しながら、何となく育児もする」という状況になりやすい。

しかし、これは どちらもうまくいかず、ストレスを倍増させる原因 になる。

仕事と育児の時間を意識的に分ける ことで、負担を軽減できるかもしれない。


② 「夫婦間の会話を増やす」

「産後は夫もメンタルがやられる」ことを伝える
「俺も辛い」と言える空気を作る

夫の産後うつが理解されにくいのは、そもそも 夫婦間で「夫のメンタル」を話す機会が少ない から。

「俺も大変なんだよ」と一方的に言うのではなく、
「お互いに辛いよね」 と対話をすることが大切。


③ 「家の外に出る時間を作る」

「家の中でずっと悩む」ことを避ける
仕事の一部をカフェやコワーキングスペースで行う

家の中にいる時間が長いほど、悩みは堂々巡りしやすい。
「外に出る」ことで、強制的に思考を切り替えることができる。


まとめ:「家にいる夫は、産後うつになるリスクが高い」

産後うつは、「母親だけのもの」ではない。
特に フリーランスの男性は、家事・育児と仕事の境界線が曖昧になることで、心を追い詰められやすい。

「家にいるからこそ、頑張りすぎてしまう」
そして、「頑張るほど、産後うつのリスクが高まる」 という現実。

これから、「家にいる夫」 は増え続ける。
だからこそ、夫の産後うつを防ぐ仕組みが必要 なのではないだろうか。

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