日本生まれ、日本育ち。性別、女。
昨日、乳腺科でエコーを受けた。
「悪性の所見はみられません」ということで今年も終わったんだけど、そのときのことを残しておきたくて、書きます。
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バンザイで横になる、あの数分間。
エコーを当てながら腫瘍を見つけて、大きさを測るためにマウス的な何かで検査技師さんがピピッと矢印を伸ばす動きを下から見ていた。
温度も確認していたようで、サーモグラフィーっていうのかな、薄暗い部屋の小さな画面に色とりどりの色が映ってた。
(バンザイ中)
・わからないけど、良性じゃないかもしれないよなぁ
・これ、数十分後に「悪性の所見があります」って言われるかもしれないんだよなぁ
・今この瞬間が「何も知らなかった最後の時間」になるかもしれないんだよなぁ
不思議なことにいつもはうるさい頭の中の言葉は静まり返り、モワッとした正体不明の何かが体を占領する。
「怖い」とか「いやだな」とか、そういうのともちょっと違って。
もし「あなたの命はもうすぐ終わるかもしれません」と超現実問題として言われたときに、私はどうするだろうか、と。
出産する機会に恵まれ子どもを生んで、
子育てという役割をほぼ単独で担い、
仕事との両立に破れて退職して、
おまけに胸というパーツがあるおかげで腫瘍までいただいてしまった。
私は、元気です。
元気なんだけど、なんか悔しいです。
いつか「女で生まれてよかったぜ」って威勢よく言い放ちたいと思ってるんだけど、まだカッコよく言えそうになくて。
「なぜこんなにもハードモードなんだ」と、正直なところ思っている自分がいます。
まだ図々しく生きていたい。
立派なおばちゃんになって「若いうちはたくさん迷いなさいよぉ〜、あとから振り返ったらどおってことないから大丈夫よー!ガハハー!」とかドヤ顔で言いたい。
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日本生まれ、日本育ち。
性別、女。
何と戦ってるのかわからないけど、負けたくない。
「私の人生、めっちゃハッピー♪」とあっけらかんと言える強さがほしい。
いつか、いつの日か、
「女に生まれてよかったぜ」って言いたい。
この気持ちを忘れませんように。