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RTC2024出場とジストニア

 こんにちは!「あるぱー」(@Alpaa_ca_)と申します。🦙

 突然、衝撃的なタイトルから始めてしまい申し訳ございません。
 詳細は本noteの後半でじ~~~っくりお話しますので、まずは前半のタイピング大会出場の所感だけでもご覧いただければ幸いです!!
(前半の話題は、後半の湿っぽい要素は一切ナシで明るくお届けします。)


 さて!今年も「REALFORCE TYPING CHAMPIONSHIP 2024」(以後、「RTC」)という、タイピングが日本一速い人を決める、いわばタイピング界の“最高峰”といっても過言ではない大会に出場してきました。

 RTCへの出場は2019年・2023年に引き続き、今回のRTC2024で3回目(3回連続)となります。

 昨年の感想日記はあまりに長すぎたので(約2万字)、今年はもっと簡潔にいきたいと思います!!


1.はじめに

 この記事は「初心者でも楽しめるRTCの魅力!」…みたいな、広く一般に興味を持っていただけるような紹介記事ではなく、昨年の日記と同様、あくまで私(あるぱー)自身が見た&感じた所感を綴った日記です。

 なお、簡単な自己紹介はこちら

 一応「RTCって何?」という方向けに参考記事を以下に掲載しますので、興味を持たれた方は是非ご覧ください。

 ↑今回のRTC2024に選手としても出場されたたのんさんによる、非公式観戦ガイドです。ルール説明、戦略、選手紹介など、多くの情報がギュッ!!とまとめられており大変読みやすいです。オススメ!


 ↑本大会の最終結果や、TOP3が決まった試合の経過などについてまとめられたレポートです。実況席の様子や試合が行われたステージなど、会場の状況が分かる写真も掲載されています。


 ↑REALFORCE公式YouTubeチャンネルによる、RTC2024当日配信のアーカイブです。
 コメント欄にて、Pasokatuさんが各シーンのタイムスタンプを作成してくださり、とても鑑賞しやすくなっています。是非ご活用ください!


2.予選(2024/02/06~2024/02/19)

 「今年もこの時期がやってきたか…」と、1月末くらいからソワソワし始めていました。そう、例年この時期になると、RTCの告知が行われるのです。

 毎年上がり続ける予選のボーダーに怯えながら、(予選を通っておきながら言うのもアレですが)e-typingという苦手な種目をやり込むことへの不安感…。
 予選に挑むのは3度目になりますが、毎回、気持ちに余裕などまったくありません!


 そんなこんなで、今年もRTCの開催告知が発表になり、予選はいつもと同じく2週間の期間でe-typingにて行われることとなりました。

 この1年間、一番心血を注いで打ち込んできたモノといえば結局はドラムマニアという結果になってしまったので、いつもながら、予選1週目はリハビリから始まるのでした…。


2.1 第1週目(バレンタイン)

 超長文となった昨年の反省を活かし、今年はより簡潔に、結果と簡単な所感のみ載せていきます!

 というわけで、1週目は835ptで予選落ちでした!(???????)
 1週目のボーダー(予選6位)は844ptという結果に。怖いですね…。

 リハビリは、それこそ本当にwpm700を出すことから開始(しかもミスはガン無視)という感じだったのですが、バレンタインは長文が多く、かつ短文や極端に打ちづらい文章が少ないため、比較的高いwpmが出しやすいお題でした。

 徐々にwpm700後半も出るようになり、自身としてはまだまだ珍しいwpm800超えも少しずつ出るように。
 最終日にはワード慣れも相当に進み、自身初のwpm850超えも飛び出す程になり、最終結果としては、先ほどのとおり835pt(wpm 878.78 - miss 6)という結果になりました。


 いやミス6って。wpm878って???そんなの見たことないんだけど…。
 というかそもそも、wpm850↑って自分にも起こり得る事象だったんですね…。神話の世界だと思ってました。いやホント。

 まぁ、元より1週目で通過できるとは思っておらず「どうせ延長戦(2週目)になるんだから、やり込むだけやり込んでおこう!」…の精神でとにかく打ち込んでみた、という感じの第1週目でございました。
 間違いなく、RTC2023以降で一番タイピングをやり込んだなぁ…。


 ちなみに余談ですが、今回の予選をきっかけに"タイピング配信"という初の試みを行っておりまして、これが我ながら中々に面白かったです。今後も不定期でやる… かも?
 ↓YouTubeチャンネルの「ライブ」からアーカイブも見られます!


2.2 第2週目(数のある言葉)

 まず、最終結果だけ。

 1週目も2週目も紆余曲折ありましたが、結局はe-typingでの高スコアのコツはとことんワード慣れだと思います。
 それこそ、文章がパッと現れたら意味を把握するよりも先に、指が「このワードが来たらこの動き!」というくらいになれるまで身体をワードに馴染ませるような、そんなイメージ。

 結果ですが、811pt(wpm 811.41 - miss 0)となっています。
 正直、自分のタイピング人生において「最高スコアかつノーミス」なんてモノは、まず出した記憶がありません。異常事態。

 上記の記録は「ミスが出やすいと思われる箇所でちゃんと減速する」という点(まぁ当たり前と言えば当たり前なんですが…)においても、ほとんど緊張もなく落ち着いて対処できたということも含めて、ポストで言い放った通り、自分史上過去最高のタイピングだったと思います。


 なお、2週目のお題は1週目より全体的に打ちにくく(というか1週目のお題が際立って打ちやすかった)、予選通過のボーダーとしては「770ptを出せばひとまず安泰かな?」という体感でした。

 そんな中での800pt台一番乗りでしたので、まずは「今年も無事にあの楽しい舞台に立てるぞ!」という確信を得るとともに、去年と同じく翌日からウキウキ気分で服を買いに出かけるのでした。(※ファッションにまったく無頓着でいつも同じ服ばっかり着てる)

 RTCに出場できるたび服が増えていくので、とても良いですね!!!?


3.本戦までの準備期間

 今年は昨年大会との大きな違いの一つとして、1回戦の対戦カードを決める事前の抽選会が2/26にオンラインで行われました。

 また、昨年大会では1回戦の抽選は予選結果に関係なく完全ランダムでしたが、今年はローマ字・かなの各予選1位・2位の合計4名がトーナメント表の対角にあらかじめ配置されたうえで、残りの12名についてランダムに抽選が行われるという形が取られました。


 抽選の結果、私は第1回戦でY-iさんと当たることになり……… なんとまぁ、こんなことってあるんだなぁ、と運命を感じてしまいました…。w
 おそらく、Y-iさんも同じ感想だったのではないかと。。

 というのも、Y-iさんと私は「ドラムマニア」という、タイピング以外の共通の音ゲー趣味を持っていたこともあり、個人的ではありますが、今回の出場選手の中では日頃から一番やり取りをしている間柄でした。(なお、Y-iさんはスキル9000乗っててメチャメチャ上手い…!!!!!!!!)

 さらに、同じ東北出身であることや、予選の1週目・2週目ともに隣り合った順位であったことなどなど、何かと似通っていることが多く、「これは間違いなく拮抗した試合展開になるな… いや、そういう"沸かせる試合"をしなければ…!!」と決意を新たに、3/9の本戦までの約2週間Weather Typing(以下、「WT」)の練習に励むのでした。


 …と言ったものの、この段階で本戦まで2週間を切っていました。
 また、正直に申し上げますと、、実はこの期間の前半は「これ本番で放送事故にならない??大丈夫??」って程に調子が激ワルでした…。

 打ち込み量の問題だったのかメンタルだったのかはさておき、結果的には本戦3~4日前くらいにようやく10ワード打ち切りで1000kpm前後だったり、正確性98%前後だったり、人様に圧をかけられそうな(?)リザルトが出始めるようになりました。

 本戦までの準備期間中、WTのリザルトをXへ投稿したのは本戦3日前(3/6)が初だったのですが、実は裏でこんな事情があり、人知れず苦しい時期を過ごしていたのでした。。

 最終的には本番前日にはかなり良い感じにコンディションを仕上げることができ、去年にはあまり無かった自信も少し得られるくらいにはなってきました。


4.本戦(2024/03/09)

 RTC2023から会場が日テレタワーとなり、今年で2度目。
 選手受付のあと会場入りし、今年ももちろん本戦ステージの大迫力に圧倒されたのですが、去年とセット配置が若干変更になっていた(※)ほか、このステージが2度目ということもあり、去年よりは落ち着いて打てそうだな、というのが最初の感想でした。

(※)去年はステージが「島」のようになっており、360度から観客の視線を受けるようなセットでした。これにはかなり緊張感を煽られた…。


 いつもの通りですが、選手控え室は今年も雑談が飛び交う和やかなムードでした。ちょっとした同窓会、オフ会のような感じで、私はこの雰囲気がとても好きです!
 この時交わす雑談や、控え室のモニターで他の控え選手たちとワイワイ言いながら観戦する時の雰囲気が好きで、毎年本戦出場を目指しているといっても過言ではないかもしれない。。w

 …っていうか、こんな穏やかな人たちがどうしてあんなバケモンじみたe-typingスコアを???という謎が尽きることはありませんが…。(人のこと言えないだろって思われてそう)


 こんな感じで控え室は楽しいんですが、何しに来たのかって、そりゃ試合をしに選ばれて来ている訳ですからね…。とはいえ、控え室に用意された練習用パソコンに向かうときは、ちょっと足取りが重く感じたり。。
 周りも猛者揃いなので、「誰とも対戦したくね~」って感想を持つ選手も少なくなかったのではないでしょうか。。w

 選手がこんなこと言っていいのかってのはありますがw 人間同士の戦いなもんで、中々1つだけの面からは描写しきれないところもある…。
 そこは日記ということで、正直な感想を述べてみました。


 ただ、当日の練習の段階では、昨日の良い感じで終えられた感触のままに好調と言ってまったく差し支えないコンディションでしたので、「このままの調子で、かつ緊張が必要以上に出なければ、今年はいけるかもしれないな」という自信も得られました。


4.1 1回戦(対 Y-i選手)

 まず、いっっちばん基本的な戦略として、「本番で常に95%キープしてたら、それだけで相当有利でしょ」という思いが(昨年と比較して)とてもとても強くありました。
 …まぁ、それは100人いたら100人が思い付く至極当たり前のことで、そう思うだけでは特にアドバンテージは無いのですけども。

 昨年は、相手が(今回優勝なさった)三山羊選手という強敵で、そんなことを考える間もなく、高い正確性と異次元の高速タイプで、戦略うんぬんとかではない次元で敗北を喫してしまいましたが、今回の相手はY-i選手ということで、本番でのスピードに関してはほぼ互角になるだろうと考えていました。

 私自身は正直、Y-i選手がRTC予選期間外にもほぼ毎週登録しているe-typingのスコアを見ていた限りでは、「Y-i選手のほうが地力は高いのだろうな」という印象をRTC前より持っていました。
 しかし、幸いにもと言いますか、Y-i選手も自分自身に対して同様に"「強敵である」というイメージ"を持ってくださっているな、ということは感じていました。

 Y-i選手のほうが地力が高いと感じている私の視点からすれば、それは必要以上(実態以上)に恐れられているものであり、ある意味「幻影」とも言えるものかもしれないのですが…。
 ただ、私はこれを逆手に取れるのではないか、と感じていました。すなわち、地力はY-i選手の方が実際は高いけれども、"相手に対してプレッシャーを与える"という点においては私の方に利があると思ったのです。(純粋に、"タイピング歴の長さ"という要素も「幻影」に影響を及ぼしていた… かも?)

 より具体的に言えば「両者とも正確性95%以上をキープし続ける勝負にはなりにくいだろう」「Y-i選手は多少正確性を犠牲にしても、ワードを取りにくるだろう」…と、そんな試合展開を予想していました。

 とても前置きが長くなってしまいましたが、ここで私が取ろうとした戦略は、次の3点でした。

  • いつも以上に正確性95%以上を意識する。(そのためには苦手ワードは減速、場合によっては捨てても一向に構わない)

  • ミスの可能性が低い得意ワードでは、高kpmを出して揺さぶりをかける。

  • 殴り合い(両者95%以下)になったら、全速力を出す。(純粋な殴り合いだったら、多分勝てる……かも)


 【1ラウンド目】ALLワード

 まず、試合開始直前における緊張の度合いとしては、昨年よりは格段にマシで、コンディション的にはかなり良かったなぁという印象です。単純に2度目ということで場慣れも大きかったのかも。

 1ワード目で早速ミスりそうな気配があったので、おとなしく減速。
 思ったほど悪影響を及ぼすほどの緊張は感じていなかったので「これは落ち着いて95%をキープできそうだな」と思っていましたが…。まぁ、中々うまくいきませんね(当たり前)。

 7-7となった次のワード「日本テレビホールディングス…」(※個人的には打ちづらいワード)で94%を保てていたので、このまま戻せると思っていたのですが、直後のワード「休日のおでかけに…」で普段あまり出さないミスを出してしまい、不本意ながらそこから先は殴り合いとなってしまいました。。

 ところで今アーカイブを見直しながら執筆しているのですが、1ラウンド目から9-9だったんですね!?!?!?ちょっとそこまで目に入ってなかったな…w(それでいいのかって話は置いといて)
 ともかく、この状況になっても緊張状態には陥っておらず、そこは結果オーライだったでしょうか。

 無事にこのラウンドを取り切ることができ、1ポイントを先取したことで多少気が楽になりました。


 【2ラウンド目】ALLワード

 まずY-i選手が選んだALLワードについてですが、これはむしろ歓迎の気持ちでした。
 練習で一番打ち慣れているし、心情的にも1ラウンド目の再現・改善ができそうだな、という前向きの気持ちを持つことができていました。

 4-1となった後の「青春18きっぷで行ってみた…」をノーミスで打ち切れ(※「18」がちょっと苦手)、正確性が98% vs 黄色(84%)になった段階で、「行けるな」というほぼ確信的な感覚を得られたとともに、「これ以上スピードを追い求める必要はない」というフェーズにチェンジ。

 その後も、自分にとって比較的ミスが出にくいワードが続いたことや、Y-i選手のミスが重なったこともあり、本対戦の中では一番余裕をもってポイントを取ることができたラウンドとなりました。


 【3ラウンド目】ALLワード

 早速1ワード目で詰まってしまいましたが、多少ワードを取られながらもその後97%まで戻せたところまでは想定通り。
 ただ、3-5となった後の「極主夫道」で大きくミスしてしまったのが決定的だったように思います。

 その後は殴り合いの展開となり、スピードで巻き返せるところもある程度までは想定通りではあったのですが…。
 ここは最終ワード「私が好きなスズラン」のレイテンシ・速度で純粋に負けたな、という印象です。1221kpmは速いな~。

 またも、9-9の試合で会場を沸かせてしまったのですね….。(?)


 【4ラウンド目】ライフワード

 私がライフワードを選択した理由は、ただ純粋に「一番ストレスなく打てるから」です。
 「打ちやすい」とも「スピードが出やすい」ともほぼ同義なのですが、こういう場においては、まず自分が安寧な気持ちでいられることが大事で、あえて奇をてらった日テレワードなどを選ぶ理由はないかな、と思っていました。

 特に緊張も変な高揚感もなく、むしろ「行けるかもな~」くらいの前向きな気持ちで臨めたのですが… なんで1ワード目あんなことになっちゃったんでしょうね??
 
別に苦手ワードって意識はなかったんだけどな…。

 中盤頃(3-3となったあたり)に正確性を確認したら、お互いに95%に戻ってこれないことを確認したので、あとはもう突っ走るだけだなと。(陸上のゴールラインを切るイメージ)

 意識的に1200kpm以上を出すこともできていたので、スピード負けの不安についてはあまりありませんでした。
 という具合で、最終的には殴り合いのスピード勝負を制し、1回戦を勝利することができたのでした。

 打ち切った後めちゃくちゃ驚いてるんですけど、これはマジでビックリしていて、1ワード1ワードを全速力で取ることしか考えてなかったので、「あれ!?10ワード取った??ホントに終わり???!!」…の顔です。w

 日テレ会場となってから始めて勝利を収めることができたということで、純粋に心の底から嬉しかったです…!


4.2 2回戦(対 goe選手)

 なんと、これもまた運命的なカードとなってしまいました…。
 goe選手とは4ヵ月前、2023年11月の調布祭におけるタイピング大会にて、決勝で争っていたのです…!(調布祭のまとめ日記はこちら

 その調布祭の決勝の場では、私が一向に緊張が抜けなかった一方で、goe選手は試合中にも「あ、緊張が解れてきているな」と私が感じられるくらいにどんどん調子を上げていき、初見ワードにもかかわらず1100kpm前後を連発され、敗北を喫していました。

 一度対戦した相手ということもあり、その意味での緊張はなかったという点と、今回は調布祭の時よりも緊張を遥かに抑えられていたため、「一度負けた相手」というマイナスの印象はほとんど感じていませんでした。

 goe選手はご承知の通り、他を寄せ付けない圧倒的な初速(レイテンシ)を武器に、今回のe-typing予選で900pt超も叩き出したという、タイピング界の歴史に名を刻むほどのプレイヤーであることは疑いようがないのですが、今回のWTの勝負においては、私は必要以上に"幻影"に恐れる必要はないな、という落ち着いた気持ちでいることができました。

 理由としては主に次の2つ。

  • WTはe-typingに比べ長文ワードとなるため、レイテンシの利が薄まる。

  • 瞬間最高速度においては、恐らく自分に利がある。

 予選結果について、傍目から見れば圧倒的すぎる差が付いているわけですが、自分としては、「本番一発のWT対戦においては、周りから思われているほどの大きい差はないだろう」という感触でいました。(まぁ… 心の中で思うだけならタダですから!!)

 戦略をきちんと実行できれば、勝てる可能性は十分にある相手だなというイメージでおりました。………いかなるシチュエーションでも、確実に正確性95%以上をキープできれば。


 【1ラウンド目】ALLワード

 早速、序盤から95%キープが難しい状況に。中々うまく行きませんね。。
 ただ、goe選手が中盤以降に95%を割り始めてきたことと、自分の想定よりも高kpm帯での勝負とはならなかったことが意外でした。

 goe選手は1ラウンド目は様子見ということで、かなりペースを抑えめにしていたのか、そこは分かりませんが。。終わってリザルトを見れば両者とも正確性94.8%、そしてgoe選手のスピードは828.5kpmという結果。
 うーーーーーん、勝てたなぁ……!


 【2ラウンド目】ALLワード

 Y-i選手との試合では、私は「打ちやすさ」を理由にライフワードを選択しましたが、ライフワードは比較的短いワードの割合が多く、goe選手が相手の場合、レイテンシの面で不利になってしまうデメリットが大きいと考えました。

 そこで、ライフワードの次に自分がストレスなく打てるであろう、練習で打ち慣れたALLワードを選択。
 1ワード目の「友達と一緒に…」をノーミスで取得し、かなり良い感触を掴めました。

 その後、goe選手が95%を割るシーンもあったのですが、1ラウンド目に引き続き、そのような状態になっていたことは少し意外に思いました。
 1回戦目でreally選手という超スピードを武器にする相手に、ポイントを取られても落ち着いて常に95%以上をキープし続けている姿がとても印象的だったので。
 もしかして、私の"幻影"がgoe選手にプレッシャーを与えることが出来ている…?などと考えていたり。

 終盤8-8となった後、私が正確性94%から95%へと戻し、そのまま2ポイントを取り切り、ラウンドを取ることができたのですが、この2ラウンド目は、まさにイメージ通りの勝ち方ができたと思っています。

 長文であることのレイテンシの利の"薄まり"、自分の瞬間速度力の利、そして多少ワードを取られても良いから95%をキープすること。
 これらの要素を特に大きな緊張もなく揃えることができ、「やっぱり、十分勝てる相手だ!」という前向きの気持ちを持つことができました。


 【3ラウンド目】ライフワード

 goe選手としては、恐らくレイテンシの利を高めるために選んだ意図もあったのかもしれません。一方の私は、ある程度は想定通りではあったのですが、気持ちが前向きになっていたこともあり、「スピードが出やすいワードだから、多分大丈夫!」という気持ちでいました。

 …まぁ、そこは一筋縄ではいかないのがRTC。
 1ワード目の「QOLが上がる枕」の一体どこに詰まる要素があるのだろう… と、今見返して思ってしまう。。

 でも、その後7-7で95%まで正確性を戻せたのは、我ながらよくやったと言いたい!
 この時、私が95%に戻すと同時に、goe選手は95%を割っていたのですが… これを見て必要以上に焦ってしまったのかなぁ。
 その後の展開をアーカイブで見返すと、十分取れるワードだったのに取り切れていなかった印象。特にラストの「表通り」。いや~~~~~勝てたなあ!


 【4ラウンド目】ALLワード

 勝てたよね???? アーカイブ見返して、今頃になってめちゃくちゃ悔しくなってきた。。w
 0-5(正確性 83% vs 96%)という状況まで来れたのに、このあと負けちゃったのか………と。本番は怖いですね…。

 全然スピードを追い求める必要はなかったし、それは頭の中で分かっていたはずなんだけどなあ。(まぁ、結果的にはその後goe選手は95%以上に戻してきた訳なのですが…)
 これはちょっと、反省すべき点がめちゃくちゃ多いラウンドでしたね。

 そして、改めてこうして4ラウンドを詳細に振り返ってみると、自分が思っていた以上に本当に惜しい試合をしていたんだなぁと…!!(私自身は試合直後、「1ポイント取れたのはよかったけど、その後ワンサイドゲームになっちゃって盛り上がりに欠けたかな…という感想でした。)
 …なんか物凄い悔しくなってきた!!!また来年もこのステージに立ちたいです!


5.おわりに

 RTC2024の結果は、1回戦勝利・2回戦敗退ということで、「ベスト8」となりました。
 会場が日テレでの開催となった去年大会では1回戦敗退でしたが、今回はこのステージで初めての勝利を収めることができ、純粋に心から嬉しかったし、この成功経験は今後も自分の中で自信に繋げられると思っています。

 ………ほんとにRTCって楽しいですね!!予選は地獄だけど
 今からRTC2025が待ち遠しいです!でも予選は辛い!!…と、毎度毎度のことながら、とても複雑な感情になるのですが。
 でも結局、RTCに出場するのが楽しくて楽しくて、それがいつもモチベーションになっています。(それに、今大会は「楽しんだ先の勝利」がありました…!)


 自分にとって「タイピング」は本当に特別なものなんだな、とRTCのたびに気付かされます。
 今回、対戦前にたくさんの応援の言葉をいただけたり、大会後にも、会場内のみならずSNSなどでも「接戦で面白かった」「激アツで思わず声を出してしまった」「アルパカ🦙が可愛かった」(←これ一番重要!!!!!!!!!!!)などなど、本当に多くのコメントをいただきました。

 ただ楽しくて趣味で続けてきたタイピングだけど、こんな自分の(ヘンテコな運指の)タイピングでも、見ている人の心を揺り動かせるほどの力があるのだと、これほど驚かされたことは今までありませんでした。


 余談ですが、私はタイプウェルを始めたのが2004年4月(記憶が正しければ…)なので、なんと来月をもって競技タイピング歴が丸20年となります!!なんてこった!

 RTC後の打ち上げの場で痛感したのは、「会う人、もはや8割がた年下だな(笑)」という感想…w
 タイピング界隈って、中高生といった若い方の参入が本当に多いですよね。それも、その年代ですでに相当な実力者の方も珍しくないような気がします。

 ワシもまだまだ若いモンには負けん……と言いたいところですが、、いつも音ゲーの話しかしてなくてごめんなさい。(※反省してない)
 それでも、なんだかんだ言いながら毎年RTCの時期になると何故か自己べを出してきているので、腐ってもタイ(パー)どころか、全然腐ってないのかもしれません!

 ともかく、参入者が多いということは、その1点だけでもこのコンテンツ持続・発展のポテンシャルになっていると思いますし、今後もRTCのみならず、競技タイピング界が発展していくことを願ってやみません。(毎年同じコメントになっちゃいそうなので、この話はこれくらいで)


 今からRTC2025の予選ボーダーのことを考えると身体に異常をきたしそうですが、RTCは本当に出るのも観るのもめちゃくちゃ楽しいので、凝りもせず次も本戦出場を狙い、さらに、もっと出番を増やせるよう頑張りたいと思います!

アルパカの魅力を世に伝えるためにも(?)、来年も本戦出場を狙います


 最後になりますが、RTC2024の開催・運営に携わってくださった関係者の皆さまに心より御礼申し上げます。本当にありがとうございました。

2024年3月17日  あるぱー(@Alpaa_ca_





(おまけ)

6.ジストニアの話

 えーーーーと、右手の指がですね、思い通りに動かせないんですよね。去年の11月くらいからずっと。

 …「ジストニア」とか「イップス」という言葉はご存知でしょうか?プロスポーツ選手や、音楽家が突然何の前触れもなく発症してしまうことのある、アレです。(人によっては、それによりアスリート・演奏家人生を絶たれてしまうほどに至ることも…)

 以降、ジストニアをご存知である前提で記事を書きますので、知らない方はググってみてください。

 この話題なんですが、正直、発症を自覚してから今に至るまでのこの約5ヶ月間、公表すること自体ずーーっと迷い続けていました。(後述しますが、一度は「墓場まで持っていこう」とも決意していました)
 公表を決めた経緯や、症状について、何から始めてどこまで書いていいのか考えてませんが、書いていこうと思います。

 なお、医療機関の診断を受けたわけではありません。でも、これほどの症状なんだから、ほぼ確定で"ソレ"だと思います…。
 正直、今こうして打ってる時とか、検索ワードに打ち込む時とか、日常的なシーンでもバリバリ発動してます。


6.1 一番最初に言いたいこと(超重要)

 以下の5点だけ把握してくだされば、あとはページを閉じていただいても結構です。

  • 「ジストニアだけど勝った」って言いたいんじゃないよ(RTC2024で掴むことのできた1勝は、そんな単純な話じゃない)

  • 「ジストニアだから負けた」って言いたいんじゃないよ

  • 症状の改善策を提示するものじゃないよ

  • いつでも誰でも発症するかもよ(だから、今を大切にね)

  • 引退宣言じゃないよ

 まぁ、症状改善策の提示が無い以上、このあとの記事内容はぶっちゃけ私の人生お悩み相談みたいなもんです。
 生き様ってほど立派なものではないけど、舞台裏(悩みもがき苦しんだ姿)に興味がある方は是非。


6.2 発症の経緯

 最初に違和を感じたのは、goe選手との対戦の節で述べた調布祭タイピング大会での予選を打っていた、2023年11月の初旬頃です。

 大会の予選種目は「タイピング測定」でしたが、(いつもながら)そもそもタイピング自体をほとんどやっていなかったため、リハビリも兼ねて「寿司打」も打っていました。

 予選の結果自体は、タイピング測定は491打(結構すごい)で無事通過し、また、寿司打の方でも一体何が起こったのか、お手軽コース歴代2位(しかもノーミス)という怪記録を出してました。(当時のポスト


 「もしや今、人生で一番タイピング上手い!?」と上機嫌になっていましたが、数日後、あらためて寿司打を打ってみると、途端に右手に違和感が。

 簡潔に言えば、右手の人差し指と中指が、思った通りに素早く動かせない。具体的には、例えば、「O」(中指)→「U」(人指)の繰り返しの際、1回目はいいけど2回目はなんか詰まって失速するみたいなイメージです。失速どころか、指が動かず止まってしまい、キーを押し込みきれないなんてことも。

 指を上げ下げするにあたっていちいち引っかかるというか、突っかかるような感覚がありました。その結果、スピードは落ちるし、変なキーを巻き込んでしまったりするので正確性もものすごく落ちます。

 調布祭の本番はRTCと同じくWTを使用することとなっていたので、「ひょっとして長文なら大丈夫かな?」と思ってWTを打ち込んでみるものの、症状は変わらず。

 この時点で、ある嫌なことが脳裏によぎりました。
 "右手が思い通りに動かせなくなる"(それも不可逆的で、何をやっても治らない)という症状は、実は以前に音ゲーで経験済みの出来事だったのです。。


6.3 14年前の出来事との関連性

 自己紹介の記事や、SNSなどでも事あるごとに言ってきたことではあるのですが、私は以前beatmaniaIIDXという音ゲーを趣味にしていたのですが、2010年に本当に何の前触れもなく、ある日突然右手にジストニアが発症してしまい、引退を余儀なくさせられた過去があります。

 症状は、前述のタイピングと同じく「右手が思い通りに動かない」というものですが、音ゲーにおける具体的な症状もほぼ同じく、

  • 右手の人差し指・中指の筋肉が意図せず突っ張ったような感じになる

  • 手首の角度がおかしい(スクラッチの回し方もおかしい)

 といった具合。いずれも、「以前と比べておかしい」「やりづらい」「変だな」と頭では理解できるものの、分かっていても制御できない。以前の形を再現できない。…というような状況です。
 その結果、以前は☆12でフルコンを狙うような腕前でしたが、本当に簡単な譜面(例えばゆっくりめの8分単押し)でも、6・7鍵で暴発BADを連発してしまい、ゲームにならない… といった状況に陥りました。

 そして、この症状は14年経た現在もまったく改善せず、当時から一切変わらないままです。

 

 今回タイピングで感じた右手の違和感は、14年前に音ゲーで感じたそれとほとんど同じ感覚でした。「左手側には一切問題が生じない」という点においても同じ。
 ですので、2024年11月初旬に違和を感じた時は、「恐れていたことが起こってしまった」「タイピングにも"来て"しまったか…」という、それはもう、とんでもない絶望感に襲われました。

 だって、音ゲーの方はどうやっても治らなかったんだもん…。(その結果、2011年より弐寺からDDRへとメイン機種を転向)


6.4 症状の公表に至った経緯

 11/25に、調布祭タイピング大会の決勝がありました。
 決勝までの期間は、「これ以上練習しても悪化するだけかも…」と思い、WTの練習をやめようかとも思っていたのですが、どうも症状のひどさは日によって波があるようで、比較的打てる日もあったので、練習は継続していました。

 しかし、決勝当日になってもなお、違和感が完全に消えるということはなく、結局は「以前の自分だったらもっと打てていただろうな」という感覚は消えることはありませんでした。


 調布祭大会の結果は準優勝だったのですが、、、この結果を受け、「このタイミングで"実はジストニアです"って公表するのは、それってどうなの?」という迷いが生じました。

 私は、できることなら今後も競技タイピングを続けたいと思っていたし、約3ヶ月後に開催告知がされるであろうRTCにも出場したいと、この時点では考えていました。(もしかしたら、2~3ヶ月放置したら症状が無くなるかもしれないし…)

 それで、大会で準優勝という結果を残しておきながら「ジストニアでした」と公表するのは、大会で対戦した選手(また、これから将来対戦する選手)の方々に対して失礼ではないのか、という気持ちに苛まれました。

 私と対戦し、負けた相手からすれば「俺は本調子ではない人に負けたのか」となりますし、勝った相手からすれば「本調子でない人に勝ってもな…」となるでしょう。
 なお、これは仮定の話(自分の頭の中で思っただけの話)で、実際に誰かからこのような感想を聞いたということはありません。今後対戦するであろう方の全員が全員、このような感じ方をされるとも思っていません。(少々、極端な仮定の話をしてみました)

 しかしながら… やはり、相手が勝っても負けても、上記のような気持ちがどうしても多少は拭いきれないというか、スッキリしないものが相手に残ってしまうのではないか…。

それくらいだったらこんな話はしない方が良くて、別にこの話をしたからといって誰かのためになる訳でもないんだし、「墓場まで持っていこう」と。
 公表するタイミングがあるとしたら、大会で完膚なきまでボロ負けして、ジストニアの症状も進んでめちゃくちゃになって、完全引退を宣言する時かな…、などと思っていました。


 そんなモヤモヤを抱え続けたまま、結局症状は改善せず、RTC開催の告知があり、予選があり、その間色々あって本戦があり、1回戦勝利(ベスト8)という結果になりました。

 予選での苦しみからベスト8に至るまでの経緯については、後ほど詳しく述べたいと思いますが、とりあえずそれなりの努力はしたんだよ、とだけ…。
 それは「やっぱりRTCに出たい」という思いと、「出る以上は相手のためにも大会のためにも、一方的なゲームになるようなことがあってはならない」という気持ちから来るものでした。

 本戦までの練習中も、常に右手の違和感に悩まされ続けましたが、様々な工夫を重ねた結果「なんとか行けるかも」どころか、最終的には「かなり良いコンディション」と思えるまでに状態を持っていけたこと、そして、本戦で1勝を収められたこと。

 …この結果を受け、「ジストニアでもまだなんとかなるじゃん…?」という気持ちになれています。現段階では。
 今後は分かりません。でも、他のジストニアの方々の例などを見ていると、"改善"の方向はあまり期待できないかも。


 ジストニアはある日突然、誰にでも起こり得るもののようです。(実際に自分がそう)
 そして、原因も分からなければ決まった治療法があるわけでもなく、実際に改善したという例のほうが少ないように思えます。

 症状の程度にも大小があるとは思いますが、自分がこういう悩み・症状を抱えたまま本戦を迎えたという経験を記録に残すことは、それはそれで意味のあることではないかと、本戦後に思えるようになりました。
 それが今回、症状を公表するに至った経緯です。

 いや、それは2割くらい本当なんですが。
 なんかね、人に喋らないで今後ずーーっと一人で抱え続けるってのが、辛くなってきたんです。こっちが本当です……。
 単なる私のエゴと言われたら、それはそうだと思います。甘んじて受け入れます。でも最終的には、自分の人生だから、(自分の責任で)好き勝手やらせてもらおうかな、と思ってしまいました。


6.5 本戦までにしたこと

 実は、予選の段階までは比較的症状が軽かったのか、そこまで違和感はありませんでした。今思うとだいぶ不思議ですが。
 紆余曲折ありましたが、結局はe-typing自己最高wpm・最高スコアを叩き出すという結果に。

 「このまま何事もなく、良い調子のまま行けるかな?」と思っていたのですが、その後、無事本戦出場が決まり、さぁWTの練習を… という段階で、途端に症状がひどくなってしまい、再び絶望のどん底に。いや、2週間後本番なんだけど…。どうしろと???


 もう、運指を変えるしかなかったです。
 これまでは「人・中」メインでしたが、この肝心要の2本がどうにも動かせなくなってしまったので、「中・薬」メインへと、だいぶ運指改造しました。特に、薬指をめちゃくちゃ多く使うようになりました。

 本番の運指表や、実況・解説のお2人にも「人差し指と中指がメイン」と繰り返し紹介していただいてたのですが、もしかしたら、本番をご覧になった方の中には「あれ?なんか運指表と違くね?」「去年と変わってない…?」と気付かれた方もいらっしゃるかもしれません。

 実際、会場で表示された運指表と、本番披露した運指は相当に異なっていたと思います。これについては、正直申し訳なさもあります。
 言い訳をさせていただくとしたら、運指改造を行ったのがRTCへの運指表提出より後の時期に行ったものだったということ…。(それこそ、本番10日前くらいから。)

 まぁ元より、ジストニア以前であっても自分の運指は日々少しずつ変化していくものであったということと、あの運指表作成サイトが「1キーあたり指2本までしか設定できない」という時点で、従前から完全再現は不可能だった訳でして…。 「まぁいいや!えいっ!」の精神で、今年も去年とほぼ同じで提出しちゃいました。


 それと、本戦の実況・解説で右手親指をキーボードの下側面に押し付けている「親指アンカー」の話がありましたよね。あれ、ジストニアの影響の一つです。
 お暇な方は、私が予選期間中に行っていたタイピング配信のアーカイブを見てみてください。多分、その時点ではそういう指にはなっていなかったと思うので…。

 まぁ、ジストニアの影響というよりは、「症状に対抗するために、試行錯誤を経て取った対策の一つ」というほうがより正しいかもしれません。
 なぜか分からないけど、「この形をとるとミスが出にくくなるようだぞ」みたいな。

 本戦中、「元の場所に戻りやすくしている」という解説をしていただいたところ、申し訳ありません…。でも、確かに言われてみればそういう効果があると感じられます!やっぱり解説は正しい!!


 さて、運指改造について色々書いておきながら、従前からフィーリングで運指変更を行っているので、「具体的に何をどれくらい変えたの?」と言われても、上手くまとめられそうにないです。(それが一番重要な点かもしれないのに…w)

 細かく見ると書ききれないくらい色々あるんだとは思いますが、とにかく今まで「中→人」「人→中」だった箇所を、ほぼすべて「薬→中」「中→薬」に入れ替えてると思います。多分。(症状が出にくかった箇所は変えてない、というパターンもあるかも)


 でも実は、これにはメリットもあったと思っていて、「薬指を使った方が楽だったじゃん!」という、新たな気付きを得ることができた場面も多くありました。「/」(スラッシュ)を薬指で打つとか、その他諸々。

 その結果、実は運指改造前よりもミスが減ったり、速く打てるようになったというケースもあるにはあるんですよね…。こんな絶望的な状況になっても希望はあるんだな… と、少し救われた気持ちになりました。


 「3.本戦までの準備期間」で前述していた、「これ本番で放送事故にならない??大丈夫??」っていう調子激ワル期間が、この運指改造を行っていた時期にあたります。超苦しかった…。

 2月末頃は、人差し指・中指の動きが11月頃よりも悪化してしまい、従来の運指ではまったくと言っていいほどまともに動かすことができず、平均600kpm台&正確率70%台みたいな放送事故必至のヤバいリザルトを連続で叩き出しまくり、失意のどん底の真っ只中にいました…。

 「もう、本戦を辞退したほうが良いかもしれない」とまで思っていました。

 でも、あんな楽しいRTCにまた出られることになり、対戦カードがY-i選手という運命的とも思える相手になり。そして、予選第2週で、唯一800pt台の1位という、そこに対する見えない期待というプレッシャーも感じつつ…。
 実際にどれほど期待されてたかは私には分かりませんが、少なくとも、私のことを応援してくださる方からのコメントもいただいていましたので。

 話がまとまらなくなってきた!いや、もう感情ぐちゃぐちゃでしたよ。
 「RTCに出るの自体は楽しいから、この崩壊した運指を本番で晒してボロ負けしちゃってもいっか♪」みたいな、破滅願望にも近いような感情にも陥ってしまったり…。(これはさすがに大会に対するマナーとしてダメ!)


 練習の甲斐もあってか、幸いにも運指改造に少しずつ効果が見え始め、本戦3日前になりようやく人に圧をかけられそうなリザルトが出、2日前・前日になると平均1000kpm、正確率98%みたいなリザルトも出るようになりました。
 最終的に「あれ?これ本戦いけるんじゃ…?」という自信を得るまでに至るという。

 本戦当日には、「自分はジストニアだから…」みたいな感情はほとんどありませんでした。色々あったけど、むしろ今が人生で一番WTが得意かも、とまで思えていたかも。


 1回戦で当たったY-i選手との試合での勝利は、このような状況下で得られた1勝であり、私の中では特別… という言葉ではとてもとても言い表せないくらいの、本当に特別な勝利でした。
 本編で述べた「日テレ会場での初の勝利」ということより、比べ物にならないくらい深い意味がありました。

 だから本当に泣きそうになったんですよね…。普段、ガッツポーズみたいな感情を外に出すことってあまりしないんですけど、そういうことです。
 このY-i選手との一戦も、「公表しても良いかな」と思えるきっかけの一つだったかもしれません。胸を張って「勝てた」と言えるだけの努力はしたと、自分の中では思っています。


 なお、公表にあたって一番ショックを与えてしまうかもしれないY-iさんに対しては、実は試合後に、この一連の出来事について打ち明けさせていただきました。

 私は文章書きがあまり得意ではないので、冒頭の「一番最初に言いたいこと」の1点目のように、真意が歪んで伝わってしまってはいけないと思い、その点だけは直接1対1でお話したかったのです。
 そして、Y-iさんからはこの件について全面的にご理解をいただくことができ、その上で「2人で良い試合ができて本当に嬉しかった」「心から楽しかった」という声までかけていただきました。
 思い出したら涙出てきた…。Y-iさん、寛大な心で話に耳を傾けていただき、本当にありがとうございました。。


6.6 今後のこと

 正直、症状が今後どうなるのかはさっぱり分からないです!
 薬指を多用するよう運指改造もしてしまったので、今更元に戻すっていうのもそれはそれで難しいかも?

 それこそ、1年後のRTC予選どころか、それより前に引退を余儀なくさせられるレベルにまで悪化することだって有り得るでしょうし。数ヶ月放置したら嘘のように完治してe-typing 1000pt出してるかもしれませんし。(??????)


 でも、少なくとも現段階ではRTC2024で実践した運指改造が功を奏しているので、あまり悲観的なことは考えないようにしたいと思っています。その時はその時で。

 ジストニアや運指改造、色々あったけど、結局言ってしまえば、単に速い人から順に強い・弱いが決まっていくってことで!数字って良くも悪くも残酷なので、順位というもの自体に感情が入る余地はありませんよね。
 まぁ、人間同士の対決となればそこに感情が入ってくるから、試合を見る側もやる側も楽しさを感じられるのだと思いますが。

 来年のRTCも頑張りたいと思っていますが、予選のとき強ければ勝ち抜けて、弱ければ負けるっていう、それだけかなと思っています。
 というわけで、ジストニアを免罪符に掲げるつもりは更々ありませんし、引退する気はありません。(今のところ)

 このnoteの前半で語っている来年に向けての抱負に関しては、一切の嘘偽りはありませんよ!


 そして、ここまで読んでくださった酔狂な(?)画面の前の貴方、脅かすつもりはないけどジストニアはいつ誰に起こるか分かりません!!

 今回の私のタイピングの場合、運指改造で何とかなれたのは本当に幸いだったと思うけど、弐寺の方はもうダメだと思います。

 私が皆さん(タイパー・音ゲーマーに限らず、身体を使う何らかの特技を持っている方)にお伝えたいこととしては、今、発揮できているスキルを大切に、毎日を送ってください。競技を楽しんでください。現状が維持できてるのって、当たり前のことじゃないです。

 ある日突然、長年培ってきたスキルを瞬時に失ってしまった自分から言える言葉として、そのように書き記しておきたいと思います。


 ジストニア、怖いね!こんな嫌な病気、絶対ならないほうが良いよ!!
 そして、症状に悩んでいる多くの方々のためにも、改善策が見つかることを心から願っております。

 おわり


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