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第12話 ボンジュール、マリアちゃん
語り手: ねこのキナコ 挿し絵: 猫野 サラ
ボクとマリアちゃんは相思相愛。
これって凄いことだよね。マリアちゃんは人間にはモテないらしいけど、動物には人気がある。動物っていってもね、小さいヤツだよ、虫とかハエとか、ふふふっ。
この間も、ギャ〜〜〜って叫んでるから駆けつけてみると、、彼女の体をカメムシが這い上がってたんだ。大袈裟だなあって見てたら、彼女の偉いところはね、そっとベランダの葉っぱへ逃がしてやるんだ。そんなマリアちゃんがボクは大好きだよ。
この間も、雨の日に、彼女が土手沿いを歩いてたら、長〜いミミズがね、雨のせいか、土から這い出して、道路を横断してたらしい。放っておくと車に轢かれてしまうから、彼女はそいつを土手へ返してやったんだって。優しいんだけど、間抜けなのは、ヌルヌルするミミズが気持ち悪くて、触った瞬間に、悲鳴をあげたらしい。その日はなんと!三匹も助けたんだって、ふふふっ。
ある日、この大きな悲鳴で事件が起きてしまったんだよ。
マリアちゃんがお湯を沸かしていたとき、ボクはカウンターで彼女を観てたんだ。別に食べ物を触ったり、食べたりしないで、そこにいただけなんだよ。でもね、鉄瓶の近くにいるとほわっと温かくてね、コンロの火を見てたんだ。すると突然、ボクを見たマリアちゃんが、
きゃあ〜〜〜〜〜キナちゃん!!!
ビックリするような悲鳴をあげたんだ。変な匂いがしてきてね、、
ぎゃああ〜〜〜〜キナちゃん、、ぼ、ボンジュール!
はあ??? なに、なに?
そのときから、ボクは、ムッシュ、キナコと呼ばれてるんだ。
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