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海の側の生活の柄

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海から遠い場所にずっと住んでたんです。
日本海に行くにも太平洋に行くにも
車で3〜4時間かかる場所に生まれ育ったわけです。

海への海水浴は家族の年中行事の中の最大のイベントでした。
成人して、海へ自力で行けるようになっても、
友人や恋人と夏に向かうのはいつも海でした。
その夏の一番素敵な思い出を作ってくれるイベント会場。
海とはずっとそういう場所だったのです。

海から遠くに住んでいた頃は、
過ぎ行く夏が今よりもっと惜しくて淋しくてたまらなかったものです。
海の側で暮らす今は
夏が終わってしまう淋しさ自体がDNAに刻まれてしまってはいるものの
昔のそれほどには悲しいものではなくなっています。
海辺での日常を手に入れているということ。
夏以外の海も楽しみ味わうことが日常となっているという日々。
いつでも浜を散歩出来る日々。
一年の最大のイベント会場に住むという喜び(笑)。
大地震が来て、大津波が来て、
もしかしたら死んでしまうかもしれないことを普通にゆるーく覚悟する生活。
それでも、そんな覚悟を凌駕するいつでも海が側にいてくれるという安心感。
こんな景色が続いてくれると信じながら、
潮の香りを感じながら日々を送る生活は、
もう何物にも代え難いなと思うわけなんです。
海はいつもそこにあるというゆとりのような時間との付き合い方が、
海の側で暮らすという、生活の柄なのかも知れませんね。



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