妄想シチリ
2000年の春。
もう20年以上も前のこと。
京都から湘南に引越して来た当初は、とにかくどこに行くにもすべてが観光になりました。
まったく全然知らない土地。
関東圏における湘南のステイタスも見所もまったく何も知らずに茅ヶ崎にやってきましたから。
でも休みの度に出掛ける探検ドライブは毎回新鮮で、始まったばかりの新生活に言葉にはできないほどの大きな喜びを与えてくれました。w
海辺を走る「優越感」にも似た爽快感。
一体誰に対しての「優越」なのかはさておき(笑)、R134を中心に箱根から三浦半島辺りまでウロウロしまくっていましたね。
その頃から「シチリ」は憧れの場所のひとつでした。
そう。
「シチリ」は「シチリア」の「シチリ」ではなく「七里ガ浜」の「シチリ」です。笑
特に鎌倉方面から稲村ケ崎を越えて七里ケ浜へ出るあのルート。
「〜♫江ノ島が見えて来た〜俺の家も近い〜♪」
と思わず鼻歌っちゃう光景です。(笑)
長く続くビーチ。
その向こうに江ノ島。
そして富士山。
右には江の電。
何と言っても稲村寄りの国道沿いに建つ家々や
江ノ島寄りの山の斜面に立ち並ぶ家々。
「いつかここに家を建てたいなぁ」
身の程知らずの妄想は限りなく自由に
七里ケ浜の波間を漂っていたというわけでございます。(笑)
*****
あれから20年。
茅ヶ崎の海辺で11年過ごしたボロい借家豪邸(?)を経て、今では小さいながらも自分の一軒家に住む僕ですが、もう多分一生、この茅ヶ崎から離れることはまずありません。
それはここで過ごした子供達の生活に生まれたコミュニティーや、自らが家を持ち住みながらにして生まれてきた根のようなものがその理由ではありません。
そうは単純に、茅ヶ崎の海が好きだからなんですね。w
僕のマイ・ホーム・ビーチは茅ヶ崎なんだと。
つまり僕は一生、この海の側で生きてゆくし、死んでゆくんだなと自然に思えるようになったからなんですね。
だから、七里ケ浜の海辺や山間の斜面に家を建てられるくらいの稼ぎがある自分を妄想することはもうなくなりましたから(笑)。
なので七里ケ浜のビーチがマイ・ホーム・ビーチになることはもうありません。w
それでも、いや、だからこそ、
この七里ケ浜は永遠の憧れの場所のひとつとなるのかもしれませんね。w
今でもここを通るたびに、湘南に住むようになった頃の感覚を思い出します。
「素敵な場所に自分は住んでるんだなぁ」
湘南のいい雰囲気が満ち溢れた場所のひとつなんでしょうね。
「シチリ」の海側の駐車場にあった1stキッチンがPacific DRIVE-INになっても、あの場所とあの海は今でも大好きですから。w
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