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[2/4]▶鈴木慎一郎 (BLOOD) ✖ NATCHIN (21g) =インタヴュー [前編 part-2]

 2018年3月25日=高田馬場club PHASEでの“21g presents「21st Century JOY」chapter4”で競演をはたす21gBLOOD。熱いロックをまきちらす両バンドの激突ライヴに先がけて、NATCHIN (B.)と鈴木慎一郎 (Vo.)によるトーク・セッションが実現。思考も含めた共通項が多い両者が、さらなる“魂ノ邂逅”を見せた。(2/4) text:yoshinobu matoba [almighty wings]

声が良くて21gの全体像が飛び込んできたから、
あぁ、素晴らしいなと思った。(鈴木慎一郎)

——音楽的な指向を考えると、それぞれの状況こそ違えど、対バンの相手はけっこうムズカしいと感じていたわけだね。今回いっしょにライヴをするにあたって、それぞれに音源を渡したけれども、あらためてお互いの音や曲を聴いてみてどう思った?
慎一郎 俺はまず、21gはヴォーカルのGenoくんの声がいいなと思って。
NATCHIN そう言ってくれるのはスゴく嬉しいな。俺も声にひかれてGenoといっしょにやろうと思ったのがキッカケだから。
慎一郎 俺がヴォーカルだからっていうのではなくて、音楽を聴く時にポンッて飛び込んでくるのって歌だから。それが自分のフィーリングの何かと波長が合うかっていうので、まず(興味を)閉ざすか開くかじゃないですか。それで曲うんぬんじゃなくて、声が良くて21gの全体像がポーンと飛び込んできたから、あぁ、素晴らしいなと思った。
NATCHIN 俺は、最初にまっとんさんから「BLOODはどう?」って紹介された時、音はどんな感じ? って聞いたんだよね。そうしたら、まっとんさんの説明のひとつとして「キチンとメロディが成立していて、NATCHINの好きそうな感じだよ」って言われて。それでデータを送ってもらって、まず『定番』と題してまとめてくれたパッケージを聴いてみたら、1曲めが「Dear my friend」だったんだけど、もうスッと入ってきて、あっ! と思った。メロディが立っていてビート感も強くて、まっとんさんが言っていた意味がわかった。次に最新作『GLOWING WILL』を聴いてみたら、けっこう攻撃的な面もあるんだな、と。いろんなヴァリーションの曲があって、曲によってぜんぜん印象が変わってくる。楽曲の振り幅が広いなっていうのが印象的。
慎一郎 (2000年に)CRAZEを脱退して、最初に走り出した時っていうのは、ファンの人が求めていることをまずやろうっていう思いがあって。CRAZEからの流れの雰囲気を持った曲をやるように意識していたけれども、ここ10年は、テーマ的には人間の全部を出そう、と。喜怒哀楽を全部出すから、アルバム1枚をとおして多重人格というか、聴く人によっては、どれが本当の鈴木慎一郎なの? って言われるようなものを出そうと思っている。それがやっぱり、人間だと思うから。
NATCHIN アルバムを作るとそうしたくなるよね。同じような曲ばかりだと飽きられちゃうかなとか。それでやっぱり、いろんな要素を入れたくなるし、チャレンジもしたくなるし。ライヴでみんなが盛り上がることができる曲も必ず入れたくなるから。そうなんだろうなっていうのは、BLOODのアルバムを聴いて、同じようには感じていて。
——NATCHINは、21gのサウンドのヴィジョンっていうのを今はどう考えているの?
NATCHIN 21gの曲は今のところ、Genoの曲が8割。ギターのmi-yaの作った曲をメンバー全員でアレンジしたのが3曲かな。4月にリリースする2ndアルバムでようやく、俺も久びさに曲を書いてみようって思ってね。それで「何だったら、加入したばかりだけどyoshi(Dr.)も曲を書いてみる?」って聞いたら、曲を書けるっていうんでyoshiの曲もアレンジしているから、全員の曲が入るアルバムになる。
慎一郎 それは21gのヴァリエーション的におもしろいですね。
NATCHIN 俺は個人的にはアマえて育ったっていうか……。SIAM SHADEには軸となる作曲者が3人いたから、役割として、曲を書かなきゃっていう境遇には立たされていなかった。BIG BITESでも、俺はちょろっと曲を書いてはいたけど、ANCHANG(Vo. & G.)が軸で書いていて、21gはGenoがほぼ書いてるじゃない? だから、曲を書くことはここからかなぁっていうか。曲を書きたいじゃなくて、自分でも書かなきゃなって(笑)。個人的な話で言うと、べつに曲は浮かばないわけじゃないんで。浮かんだものは形にしていかなくちゃいけないのかなっていう時期が来たんだろうね。↙

鈴木慎一郎 (Vocal / BLOOD)

——曲の話になってきたけど、アレンジの面ではどうやっている?
慎一郎 俺はだいたい、ギターを持って曲を作るんだけど、作った時に全部頭に鳴っちゃっている。ゴールが見えてるっていうか。そこに向かって行ける曲は使うし、途中で何かちょっと違ったなっていう曲はボツにするし。作った時にポーンと歌詞までだいたい浮かんでいるから。
NATCHIN ギターのリフがけっこう複雑な曲も、ギタリストに丸投げじゃなくて、「こう弾いてもらえる?」みたいな?
慎一郎 そうですね。ほぼほぼ決めていますよ。もうクセですね。(ソロの)デビュー当時から、そういう教育を受けちゃったから(笑)。
NATCHIN 自分でギターも弾けるの?
慎一郎 弾きますよ。ライヴでも何曲かは弾きますし。
NATCHIN 俺はギター弾けないからなぁ(笑)。俺は弦は5本までしか弾けないから、6本は弾けないんだよ(笑)。今なんか、弦は4本でも多いと思っていて、もう3本にしようかなって思っているぐらいだから(全員爆笑)。
慎一郎 ベースの弦3本ってスゴいですね(笑)。
NATCHIN 極端な話で言うとね(笑)。でも、ギターを弾けるっていうのは強いなぁ。今、いちおう俺は21gでアレンジ担当みたいになっちゃっているから……。
——Genoはどういう形で原曲を提出するの?
NATCHIN Genoは自分の頭の中に鳴っている音を鍵盤でデモに入れてくる。メロディはもちろん自分で歌うんだけど、ギターを鍵盤でミャーンみたいな音で入れてきて(笑)。それをギターのmi-yaが弾くじゃない? mi-yaがギターで弾いた音が違うと、Genoはギターを弾けなくてコードを言えないから(笑)、「いやいや、そのフーンの音が、フーン(半音下がった音)なんだよ」って歌って説明するの(全員爆笑)。mi-yaも「あぁ、○○ね」ってコードを鳴らして、Genoも「そう、それそれそれ」みたいな(笑)。
慎一郎 自分はMTRとか使わないんで、デモはギターで弾き語りの一発録音でアナログなんですけど、それもそれでスゴい手法ですね(笑)。
NATCHIN (笑)。俺もギターは弾けないから、「ここのアレンジは、あの曲のあんな感じで」っていう言い方になっちゃう。ふつうだったら、「ギター貸してみて。こんな感じで」って弾いて示すんだろうけど、「あの曲のBメロみたいな感じだよ」って言って(笑)。でも悲しいかな、Genoはまだそうでもないけど、mi-yaとはジェネレーション・ギャップがあって、「そのバンド知らない」みたいになることが多々(苦笑)。それで「YouTubeで調べといて」みたいな(笑)。そういう感じで、ギャップを感じながらね。曲作りでも、ふだんのトークでも(笑)。ドラムのyoshiもmi-yaと同じ歳だし。
慎一郎 (歳を聞いて)平均年齢が若いですね。
NATCHIN そうなんだけどね。慎一郎くんが手伝ってもらっているメンバーって、逆に歳上ばかりなんだよね?
慎一郎 いや、俺はけっこう、最近はバランスよくしていますね。歳下も引き上げるようにしていて、それで自分もアグラをかきたくないから、先輩もつねにいてほしいなっていう。ちょうど年齢的に上も下もいてくれる年代に、自分もなってきたから。
■後編に続く(2018年03月19日 00時公開予定)

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ライヴ “21g presents「21st Century JOY」Chapter 4”
 2018年03月25日(日) 高田馬場club PHASE
■出演:21gBLOOD
■OPEN 17:30 / START 18:00
■前売3,500 / 当日4,000 / D代別600
■チケット発売日:2018年01月10日(水)
■購入ページURL(パソコン/スマートフォン/携帯共通)
 http://sort.eplus.jp/sys/T1U14P0010843P006001P002248503P0030001
■入場順 プレイガイド→店頭販売→当日

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