神田昌典の日経MJコラム『副業解禁の功罪』から考える日本社会の行方とは?
この記事の掲載元である『日経MJ』は、日本経済新聞社が発行している消費と流通、マーケティング情報に特化した専門紙。
その中で神田昌典が、2017年より『未来にモテるマーケティング』というコラムを連載中です。
本日は、その中の『副業解禁の功罪』というテーマの記事をご紹介します。
米国一流大学卒で、英語・中国語に堪能な金融プロフェッショナル。
大手IT企業の創業当初から成長を担ってきたベテラン広報部長。
先進的なベンチャーや伝統的な商社でキャリアを積んだ起業家……。
目をみはる高学歴・高スペックの人材が、私のもとに急速に集まりはじめた。副業人材の採用に力をいれ始めたからだ。
今、大企業や有力企業の有能な人材が、社外に活躍の場を探し始めている。
政府の副業解禁に加え、コロナ禍でリモート環境に移行したのが、その理由だ。
今まで優秀な人材を採用できなかった中小ベンチャー企業にとっては、優秀な副業人材を雇うチャンスだ。
私の知り合いの企業は、あるユニコーン企業のマーケッターを一人雇ったら、
そのチーム全体が副業をしてくれるようになったという。
しかも直接競合しなければ本業の顧客を紹介しても構わない、と本社から言われているそうだ。
情報や技術の漏洩に厳しいアメリカ企業ではありえないがその点、日本企業は寛容だ。
米国モデルが創造的管理だとしたら、日本モデルは破壊的自由といえるだろう。
副業禁止の米国企業と副業解禁の日本企業、どちらが成長力を失うかといえば後者かもしれない。副業を解禁すれば、企業はバラバラに解体されるからだ。
ただすべての会社がそうではないだろう。
政府の狙いは大企業と中小ベンチャー企業が組み、ダイナミズムを起こすこと。
ビジョンのある大企業は、うまい形でベンチャーとダイナミズムを起こせるのではないか。
そうなれば日本では、世界でも珍しい労働モデルが生まれるかもしれない。
大企業は、給料を払って学ばせてあげる大学院のようなもので、
社員は企業に貢献しつつもインターンのような形で、中小ベンチャーに実習にでかける。
社員は本業で安定的インカムと教育を得ながら、リスキーだがやりがいのある中小ベンチャー企業で経験を積む。
大企業も中小ベンチャーもそれぞれ労働対価を得られるので、
大企業とベンチャー企業、働き手にメリットがあるわけだ。
正直、私は「二足のわらじで、キャリアなんて築けるはずがない」と思っていた。
しかし副業人材を面談した時に「私は副業に割く時間を全体の30%と考え、まだ10%しか使っていないので全然余裕がある」という答えを聞き、実際に、巧みなスケジュール管理で仕事を両立しているさまを見て、考えを改めた。
これからは二足のわらじでキャリアを積む時代になるだろう。
中小ベンチャーがそんな人材を引き寄せるにはどうすればいいか。
彼らのような人材が喜んで働きたいと思うのはビジョンが面白く、
目標を達成するためのプロセスを完全に自由にできる会社だ。
いわばゲームのような仕事だ。
会社はやりがいのあるゲームのルールを決め、達成までの舞台を用意し、強烈な一体感や高揚感を提供することだ。
そう考えると、次の時代を爆発的に成長したい企業は、副業人材が夢中になれる冒険の舞台を創り出すことが不可欠だ。
ほとんどの企業はゲームシナリオの台本を書き直すべき時だ。
『副業解禁の功罪』から考える日本社会の行方とは?
この記事からわかるように、副業が解禁となった今、多くの優秀な知識や技術を持つ人とってこれまでにない大きなチャンスが訪れています。
それは、これまで優秀な人材を獲得できなかった中小企業にとっても同じこと。
こんにちは!アルマ・クリエイション若手マーケッターの水落です。
今回紹介させていただくのは、副業解禁がもたらす企業や個人への影響についての記事。
副業と聞くとなんだかネガティブなイメージを持つ方もいるかも知れませんが、実はこれ、多くの方々にとって大チャンスなのです。
日本でいま盛んに叫ばれている『働き方改革』という言葉は、2016年の安倍晋三内閣時代に計画され、2018年に正式に『働き方改革法案』として成立。
その内容は『一億総活躍を実現するための改革』と銘打たれています。
働き方改革の概要はさておき、この法案の成立によって多くの企業が副業を解禁し始めました。
これまで日本企業や社会構造の根底にあった『終身雇用制度』はここ十数年の長引くデフレ不況により崩壊。ひとつの会社で新卒から定年退職まで一生涯勤め上げるといった考えが通用しなくなったいま、この改革は自然な流れともいえるでしょう。
では、この『副業解禁』によって、これからの日本の企業はどのような方向へ進んでいくのかを考察してみたいと思います。
長引く不況がもたらした技術の流出
今まで多くの企業が就業規則で副業を禁止してきたのは、技術や情報漏洩を防ぐため。
また、労働者側もごく当たり前のようにそれを受け入れて来たのは、日本の企業風土にあります。
それは「一生お世話になる本業の会社に申し訳ない」と考える終身雇用制度と、「国が提示したモデル就業規則に皆が則っているから」という集団心理によるもの。
日本経済が急激な成長を続けていた戦後の昭和から平成初期にかけての約50年の間、日本が持つ技術力の高さもあって、国内外で日本企業は安定した経済活動を続けて来ました。
しかし、長引くデフレによる経済不況に陥った平成以降、企業はリストラなどで人員削減を断行。
そんな中、高い技術力を持ったエンジニアや研究者が海外の企業にヘッドハンティングされ、様々な技術の流出が起こりました。
そして今回の副業解禁によって、更なる技術や人員の流出が止まらなくなるのではないか?と考える人も少なくありません。
しかし、神田昌典は、この副業解禁によって今後の日本企業の慣習や常識が大きく変わるのではないか、と考えるのです。
副業がもたらす企業への功罪
副業が解禁になることによって考えられる大企業のデメリットとしては、企業が持つ人材や技術、顧客の流出があります。
実際にこの3つは、企業にとってヒト・モノ・カネの『三種の神器』であり、流出すれば大きな痛手になることは間違いありません。
しかし、大企業の大きくなりすぎた組織のなかで実力を発揮できない優秀な人材と、中小企業という組織の縛りが少なく、フットワークの軽い機動力を活かせる会社が組めばどうなるか?
もしかすると、そこでは大企業と中小ベンチャー企業によるビジネス変革が起きるかもしれないのです。
これからの時代を生き抜く企業に必要なこと
このように考えてみると、これからに時代を生き抜く企業に必要なことは、優秀な人材の確保と活用の仕方にあると言えます。
優秀な技術や知識を持ちながらも企業の枠内に押し込められる人は、我慢するか会社を辞めるかの選択を強いられます。しかし、会社が副業を許可することで、少なくとも退職して優秀な人材がいなくなるという損失をなくすことができる。
大企業には、優秀な人材を集めて育てるプラットフォームがあります。また中小企業には、リーダーシップのある経営者と、面白いことにチャレンジできる機動力があります。
しかし、この両方を持つ企業をすぐに作ることは現実的に考えて極めて難しい。
なぜなら、大企業は株主や組織に影響されやすく、思いついたことをすぐに実行するには時間がかかり過ぎるから。そして、中小ベンチャー企業には技術力と資本が少ないという致命的な欠点があります。
そこで大企業の優秀な人材と、自由な社風のベンチャー企業が組んで仕事をすれば、副業をした本人はもちろんのこと、大企業にもベンチャーにも大きなメリットが生まれるのです。
プロジェクトが成功すれば、ベンチャー企業は大きく飛躍できるでしょう。大企業は業務提携や資本提携を考えるかもしれません。また、副業として参加した人も報酬というリターンを得られるだけでなく、ベンチャーの経営に参画したり、独立の勉強もできます。
このように、ここでいう副業は『サイドビジネス』のことではありません。
ひとつの会社ではフルに実力を活用しきれないほどの『アウトプットできる人』が、思う存分に活躍できる舞台で仕事をできるかがポイントなのです。
このように考えると、やはり「できる人」と「そうでない人」の『格差』がより開くと考える方もいるでしょう。
しかし、『一億総活躍を実現するための改革』であることは事実。それぞれに出来ることに尽力すれば、社会は大きく変わります。
今こそ、あなた自身が『自分の得意な分野』で活躍するチャンスかもしれませんよ!
もしもあなたが、この記事を読んで『自分のスキルをもっと活かしたい!』とか『自分の会社にも優秀な人材が欲しい…』と思ったら。
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