神田昌典の日経MJコラム『営業のAI化で適材適所』から見るAI技術の多様性を探る
この記事の掲載元である『日経MJ』とは、日本経済新聞社が発行している消費と流通、マーケティング情報に特化した専門紙。
その中で神田昌典が2017年より『未来にモテるマーケティング』というコラムを連載中です。
本日は、そのなかの『営業のAI化で適材適所』というテーマの記事をご紹介します。
営業のAI化で適材適所
営業分野にAIを活用する実証実験を、私が所長を務めるマーケティングの研究組織「リブ・グローバルマーケティングエックス(GMX)」で始めた。
その中で、突出して営業成果に結びつきやすく、
営業スタッフの幸福度アップにもつながる結果が見いだされたので、お伝えしたい。
この実験は、営業活動で集めた多種多様なデータをAIで分析。
何が顧客の獲得につながるのか、その結果を元に、AIによる営業予測モデルを作るのが狙いだ。
その結果、見落としがちだったが重要な項目がわかり、予算達成を実現するキラーパスが見つかった。
まず分析データに加えたのが「営業スタッフの個性」だ。
傾聴傾向や感情配慮、楽観性などのパラメーターから、人材特性を「実務家」「起業家」「組織人」などに分類。
その個性データと今までの受注データを連動し、AIに分析させるとスタッフにより合う業界と合わない業界が判明した。
さらにその結果を見込先の企業情報に連動させる。
具体的には、社員が持っている名刺情報や、売上規模、収益状況、会計年度、社員数、社歴、
さらに役員変更などのデータだ。
これらの多くは公開されているが、統合的に把握・分析できる「人間」はまずいない。
このように、社内部署間でバラバラに散らばっているデータを横断的に組みあわせて、「AI」で分析すると、どうなるか?
将来的に実現するのはアマゾンのレコメンデーション機能の営業版だ。
例えば営業スタッフがパソコンを立ち上げると、「今日のあなたにおすすめな開拓先は!」とAIが提示してくれる。
画面には顧客の詳しい情報や、初めに提案すべき商品候補が表示される。
それを元に商談すれば成約率が格段に上がるわけだ。
さらに会社全体の売上高を上げるには、どんな人材を採用すべきか、どのような研修を行うべきか、などをデータ化する。
部署を超えて連動させることで、最小努力で売上高があがるようになる。
実際のところ、営業分野へのAI活用でどれほど生産性があがるかは、まだ実験段階で明言できない。
ただ軍隊に例えれば、統率の取れた精鋭部隊と、バラバラの野武士集団ほどの違いは出てくるだろう。
実験したところ営業成果との相関が特別に高い変数があった。
顧客の創業年数と営業スタッフの年齢だ。
要は年齢がいった会社は、年齢がいった営業スタッフが担当すると、開拓しやすい。
考えてみれば当然だが、アナログ社員だからこそ役に立てるアナログな顧客がいるわけだ。
つまり、アナログ社員は無理にデジタル化せず、アナログな能力がいきる企業を担当してもらえば皆ハッピーだ。
つまりAIは、適材適所による社員の幸福化と直結していることが見えてきた。
営業のAI化は技術的には難しくないので、これから一気に進むだろう。
だからこそAI化に向けて準備が整った企業と、そうでない企業の差が一気に開く。
営業のAI化は、社員の削減につながらない。
むしろ、AI化に遅れた企業が、業績悪化により、社員削減に追い込まれるのだ。
『営業のAI化で適材適所』から見るAI技術の多様性を探る
いかがでしたか?AI技術と聞くと、多くの方が『人の代わりをするロボット』を想像するかもしれません。
しかしここでのAI技術の使い方は、あくまで人の行動を『効率化』するための『道具』としてAIを使うという点において、他とは大きく異なります。
こんにちは!アルマ・クリエイション若手マーケッターの水落です。
今回紹介させていただいた記事は2021年の年初に掲載されたもので、今後ますます導入されるであろうAI技術を、営業という最もAI化しにくいと思われる分野で『最大限』に活用することの重要性を説いています。
この記事にみる『営業のAI化』とは、AIがデジタル機能を使ってターゲットとなる顧客に商品を売り込むということではありません。
もともと会社にいる営業担当と顧客の特徴をAIで分析しながら、相互にベストなマッチングを行い『効率化』すること。
当然のことながら、営業を行う社員や顧客には、それぞれの『個性』があります。
その個性をデータ化しAIと連動させることで、商談の成約率が格段に上がるのです。
社員の個性を把握することは、その企業にとって非常に大きなメリットがあります。
ひょっとすると、大きな人員の配置転換が起こるかもしれません。
これまで横断的に行ってきた人員の配置や社員研修などを、社員の個性をあらかじめデータ化することで、最初からその社員に合った部署に配置して、効率よく人材の活用をすることができます。
この社員とAIのデジタルマッチングは、これからの会社運営には大きな力となるでしょう。
なぜなら、大量雇用や終身雇用が終わった現代の経営では、少数精鋭の社員でいかに大きな売上と収益を獲得できるかが焦点となります。
これは営業職だけではなく、企画・製造から販売促進に至るまでの企業のマーケティング戦略において、必要なときに必要な人員だけを補充するジャストインタイムを可視化し、また可能にするということ。
これからも、営業や企画をあくまで人間がアナログ的に行うことに変わりはありません。
しかし、その人間の個性をデジタル化して有効活用するとで効率よく事業が進行し、しかも社員のやる気と幸福度も増す。
AIによって社員を削減するのではなく、AIによって社員の活躍の場をさらに大きく開拓していくことが21世紀の事業成功に直結するのです。
もしもあなたがこの記事を読み『自慢の商品が売れない、伸び悩んでいる…』とか『もっと効率よく営業で成果を出したい!』と思ったら。
また、このnoteでアルマ・クリエイションや弊社代表の神田昌典について興味をもっていただいた方は、ぜひアルマ・クリエイション公式ホームページや、神田昌典公式ホームページを覗いてみてください!
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最後までお読みいただきありがとうございます。
それでは、また次回をおたのしみに!