自分を責めないで
妊活や不妊治療で、いつの間にか自分を責めていませんか?人の幸せを素直に喜べなかったり、よい結果が出ないのは自分の体のせいだと思ったりすることが多々あり、わたしは妊活を意識したときから長い間自分を責めてきました。今も自分が醜く感じてとても苦しむことがあります。
今回は、妊活をしている人が自分を責めてしまう原因について、実体験を振り返りながら整理してみたいと思います。
※shinsukesugieさんの素敵なイラストを使用させていただきました。心のなかの天使と悪魔をイメージしました。使用させていただき、どうもありがとうございます!
■妊活中に自分を責めてしまう原因
妊活をしていると、無意識のうちに自分を責めていることがあります。自分を責めてネガティブな気持ちになってしまう原因を書き出してみたいと思います。
・友だちや知り合いからの妊娠報告
わたしは妊活を始めて6年ほど経ちます。この間に、後から結婚した友だちや知り合い、親戚がどんどん妊娠していきました。
初めて他人の妊娠報告にドキッとしてしまったのは、ほぼ同い年の知り合いの妊娠報告でした。結婚より先に妊娠が決まったケースで、ご本人も早いうちに出産したいと前々から話していたのでおめでたいことです。この時、わたしは妊活を始めたばかりでした。正直、彼女とはもともと近い関係ではなかったのですが、素直に嬉しい知らせだなと思えなかった自分に、「あれ?」と初めて思ったのでした。
これが幕開けで、妊娠報告は次々と続きます。年下から年上まで、ありとあらゆる人が妊娠していきます。数を重ねていき自分の妊活歴も長くなっていくうちに、心が擦れてきました。いつの間にか、「なんでわたしだけできない?」と思うようになってしまいました。そして、親戚などかなり身近な人の妊娠には、どのような顔をしたかも覚えていないほど動揺しました。正直、その日のことを思い出すのが苦しいほど、変な気持ちになってしまいました。
わたしは、こうして他の人の幸せな知らせを素直に受け止めて喜べない自分を責めてきました。
・努力したのに結果がなかなか実らない
勉強や仕事などは、ある程度努力を積み重ねればたどり着けるゴールが多いように思います(深堀すればそうでもないかもしれませんが)。わたしは作業も遅いし頭脳明晰でもありません。しかし、目標達成に向けて努力をするのは好きです。学業や部活動、就職活動など、全て思い通りの人生を送ってきたわけではありませんが、それなりに努力と挫折を重ねながら最終的にはよい結果を得てきました。
しかし、不妊治療は自分でできる努力に限りがあるのではないかと思っています。最新の技術に頼っても、妊娠するのは人間の体です。どうしても乗り越えられない何か、その何かがわからなかったり正しい努力の方法がわからなかったりするのです。
規則的な生活や体質改善などを行い、痛い注射を我慢しても結果が出ない。高い治療費を払っても結果が得られない。そのような状況の中で、自分の体の何かがおかしいのではないか、とネガティブな思考になってしまうことが多々ありました。
・パートナーに申し訳ない
不妊治療をしているうちに自分たちも年齢を重ねていき、夫が本当に子どもを欲しがっていることを感じます。治療結果を得るたびに、「自分が妊娠できなかったせいで夫に悲しい思いをさせてしまっている」、「他の人だったら問題なく今頃パパになっていたのではないか」などと思ってしまうことがあります。
■自分を責めない考え方(模索中)
正直にいうと、年月を重ねて落ち着いてきたものの、わたしは今も自分を責めてしまうことがあります。実践は容易ではありませんが、自分を責めないように取り入れている考え方を記してみたいと思います。
・誰の子どもが欲しい?
他の人の妊娠がうらやましく思ったり、嫉妬したりしてしまうこと。妊活をしていれば多くの人に起こり得ることかと思います。知り合いから妊娠の報告を受けたら、わたしは「Aさん(女性)とBさん(男性)が妊娠した」という具体的な事実を受け止めるようにしています。
当たり前ですが、生まれてくるのはAさんとBさんの子どもです。わたしが妊活しているのは、AさんとBさんの子どもを授かるためではありません。わたしと大切なパートナーの子どもを授かるためです。一瞬うらやましいなと思っても、それはわたしの欲しいものではないのです。
・アプローチは十人十色
周りの人を観察してきた経験からいうと、どんなに酷い食生活をしていても、不規則な生活をしていても、浮気をしていても、妊娠する人は妊娠します。
「わたしはこんなに努力しているのに、簡単に妊娠したAさん(女性)がうらやましい」と思うこともあるでしょう。当たり前だと思います。仕方ないんです。しかし、人間は全てをコントロールすることができません。妊娠には生命の神秘的な部分が大きく含まれているとわたしは思います。そのため、十人十色でアプローチの仕方は異なります。
簡単に妊娠した人は、他のテーマで悩みを抱えているかもしれません。今、妊活ができるということは、大切なパートナーに恵まれた結果である、と冷静に目の前のことに感謝するようにしています。
・ダークな感情も、仕方ない
それでも、他人のおめでたい報告にドス黒い感情を抱いてしまう。例えば、自分が精一杯マラソンをしている横で、スイスイとゴールに興味もなかった人たちが自分を追い越して行ったらどうでしょう。少し気がそれてしまうのも、「たまには仕方がないよね」と自分に言い聞かせてあげます。悪気があってダークな感情を抱いているわけではないのです。
悪魔な自分を少し客観的に観察しながら、気分転換にコーヒーを一杯飲みます。
・辛い環境から距離を置く
可能であれば、ダークな感情を抱いてしまう環境から距離を置くのも手です。逃げてもいいとわたしは思っています。
不妊治療は、容易なものではありません。身体的な負担に加えて精神的な負担が大きいものです。治療以外の人間関係などで自分を痛めつける必要はないと思っています。本当に大切な人なら、今は距離を置いても、いつかわかってくれる日がくるのではないでしょうか。
仕事や友人、親戚付き合いなど、自分が嫌な気持ちを感じることがあるならば、できる範囲で遠慮させてもらうのも1つの方法だとわたしは思います。
自分を責めないで
今回は、妊活や不妊治療をしている女性が自分を責めてしまう原因や、自分を責めないための考え方を書いてみました。まだまだ模索中の身です。妊活をするすべての女性やパートナーの皆さま、流産を経験されたご夫婦、そして過去の自分と未来の自分に「自分を責めないで」とエールを送りたいです。
妊活はそもそも、夫婦の幸せなプロジェクトのはずですから。
お読みいただいたあなたに、1日も早くこの上ない幸せが訪れますように。心から願っています。
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