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大学・総合型選抜入試で“不合格者”に多い「間違いな面接試験対策」


noteを久々に更新する

毎夏8〜10月は総合型選抜入試(旧AO入試,自己推薦型入試)の出願が集中する。あっという間に蒸し暑い夏が過ぎ、秋が来たなと、長袖ばかりがクローゼットを満たす頃には面接対策も中盤。受験生によっては一次試験の合否が出始める。

そんな秋の夜長に、ふと、久々にnoteを更新してみようと思いまして。

別にYouTubeでラジオ仕立ての収録・編集が面倒くさいわけではないんです(ええ、言い訳です)。
口頭言語による音声情報を主とした思考の整理ではなく、書記言語を通して思考することで、自分自身の「遅考力」を確認してみたくなったのです。

本来は、紙にペンで書く/描くことで現れる線や文字のスピードが、脳内の思考に追いつかないことから、速度重視ではない「遅く考える」ことでのパワーやトルクを効かせる思考方法を指すようです。

現代では、予測変換機能や音声入力機能なども駆使すれば、目に見える形での言語出力(文章化)は、30年前と比べればスピードは向上しているはずです。その一方で、あえて遅く出力することで、強制的に遅考する姿勢こそが、大学の面接試験には重要なのだと、毎年大勢の受験生の面接対策をする度に気付かされるのです。

大学の面接試験は、概ね就職活動での入社試験の面接とも同様のことは聞かれます。例えば下記のような「定番 of 定番」な質問です。

・これまでで(高校生活で)一番●●●(頑張った/嬉しかった/悔しかったなど)だったことは何ですか?
何で当校(当社)を志願したのですか?
入学(入社)したら、どんなことをまずはしてみたいですか?
卒業後(将来)は、どんな理想や希望がありますか?

当たり前の話ですが、
「これまで」どんなことをしてきた人が、
「これから」どんなことをしていきたいのか、を確認する。
シンプルな話なのです。

もちろん大学/学部/試験形式/業界/業種によっては、圧迫面接やケース面接、口頭試問、グループ面接、ディスカッション形式、プレゼンテーションと質疑応答など、様々なオプションやスタイルが組み合わさることも頻繁にあります。
しかし、基本的には、受験生(志願者)の「過去・現在・未来・その先の将来」に関する質問や疑問を面接官が伺い、志願者が口頭で回答する。このコミュニケーションが中心です。

想定問答集という甘い罠

そうなると、多くの志願者が「想定問答集」なるものを作成し始めます。質問を想定できてしまうからです。そりゃそうだ、誰だって予想できることならしておきたくなるでしょう。気持ちはわかります。さらに、予備校や塾、学校の先生の多くが「想定問答集**問分作りましょう」などと安易に指導する場合も多いです。受験生自身も、信頼できる大人たちも、関係する全員が「想定問答集をつくろう」を合言葉に、何回も何回も、「想定」された質問に対する「答え方」を、一問一答形式で反復練習する。時には一字一句微調整しながら、時には狂気じみた演技もしながら。

だから、合格できないんです。

一見、至極真っ当な面接試験対策のようにも思えますが、私は、この「想定問答集」が「不合格の引き金」になる可能性を長年危惧しています。

正確に言うと、「想定問答に対する回答を『文字』で書きながら思考し、『目』で覚える」ことと、「一つの問いに対して、一つの答えを用意すること」が、多くのリスクを生み出していると考えられます。
これはつまり、学校のテスト勉強などでもお馴染みの「答えを暗記」している状態なのです。

暗記科目が得意だったり、学校のテスト勉強全般も得意な人は、大学の基礎レベルの情報や知識も記憶し、整頓された言葉をスラスラと復唱できることでしょう。しかし、総合型選抜入試の特性上、学校の勉強に苦手意識のある受験生は少なくありません。当然、自分で書いたはずの志望理由書の内容も覚えられない人も一定数います。

従来の面接対策が有効だったのは昭和、いや、平成の中盤まででしょうか。
その時代を生きた教員や保護者の方々がアドバイスしたくなる気持ちもわかりますが、もう少し未来を見据えたサポートを、生徒やお子様にはしていただきたいものです。

「暗記型」の面接対策をしている受験生を、見抜くポイントはさまざまあります。特にどのような点で気付くかというと、「即答」「早口」かつ、「短文」で回答する受験生にこの傾向が多いのです。
さらに、想定外の質問をすると長めに沈黙し、細かいところを指摘すればその指摘自体を否定する。

その結果、面接対策や準備の段階で、「この受験生は不合格になりそうだ」と直感的に予測した通りになることがほとんどです。
大学・学部によって基準は変わりますが、AllWriteでは大抵の合格ラインを予測・把握できるようになり、合否予想の的中率が年々高まっています。

「耳→脳→声」で思考・表現することの重要性

AllWriteが提供している「トーク力」を鍛えるメソッドの一つに、「聴覚思考」があります。「視覚思考(ヴィジュアルシンキング)」とも関連するのですが、「耳」でインプットした情報(面接の場合、面接官の質問)をどのように脳で処理し(考えの整理)、アウトプット(発言/発話)するか。
そして自身のアウトプットを、自ら耳で確認し、軌道修正や補足情報を追加するか。
口頭試問もプレゼンもない面接試験は、前提として視覚情報(文字)は目に見えず、聴覚情報(音声)のみでコミュニケーションが成立する試験です。
日本のTV番組やYouTubeにも多い「テロップ」は当然表示されません。

それにも関わらず、文字で対策をしている時点で効率も良くないのです。

大脳生理学では、「話し言葉(音声)」と「書き言葉(文章)」の脳の使い方が異なることがわかっています。話す際は、ブローカ野やウェルニッケ野が活発になる一方、書く際には前頭前野や左頭頂葉が使われると言われています。

小論文試験や志望理由書作成と面接試験では、脳の使い方が異なるとも言えるわけです。

『一問一答』は、時代遅れの面接対策

VUCAだとか、答えのない時代だとか言われていますが、答えはあるのです。ただし一つではない。名探偵コナンの決め台詞「真実は、いつも一つ!」じゃないんです。複数の真実(正解)があるのです。

じゃあ何故「答えのない時代」と言うのか。
我々の解釈ですが、「最適解を選びにくい時代」なのだと思います。

一問一答は、「一つの課題」に「一つの解決策」しか提示できていない思考に陥る可能性があります。実際、回答の候補を複数挙げられない受験生の多くは、先述の通り、思考力も弱く視野も狭くなっている傾向があります。

従来、面接試験の直前まで、想定問答集を片手に何度も何度も復習確認をしてきた受験生はかず多くいらっしゃることでしょう。その効果を否定するつもりはありません。しかし、この10年ほどの早稲田や慶應レベルの総合型選抜入試(AO入試)で不合格になりやすい受験生の傾向に、この「丸暗記」スタイルで面接に挑む方が実に多いのです。

とある大学教授にお話を伺うと、「覚えてきたんだな、と思った瞬間に合格させたい意欲が下がってしまう」と仰っていました。
先述した「即答」型の受験生も、怪しまれています。「あー、練習したきた質問は即答できるけど、少し視点を変えると詰まったり、言い訳が多くなるな」と面接官を経験した複数の教員からの声もあります。

「あれだけ覚えて練習したのに!」と憤慨したくなる気持ちもわかりますが、その「練習」のやり方が間違っていたことに、「不合格」の文字を見て、ようやく後悔するのです。でも、それじゃ遅い。
後で悔やんでも、過ぎた時間は戻りません。
本番を迎えるまでに、一度でも「悔しい」を味わう必要があるのです。

『多問多答』型の思考が求められている慶應SFC、
合格のコツは『DJ思考』

複数の問題に対し、万能な一つの解決策はそもそもありえない時代である。
それにも関わらず「これ一本で全部解決できる美容クリーム」や「推薦入試対策はこれ一冊!」のような情報弱者向けプロモーションが氾濫し続けています。
All in One(オールインワン)のメリット以上のデメリットに気付けない消費者がいる限り、このよろしくない流れは止まることはないのでしょう。

逆に、一つの問題に対し、複数の解決策は考えられます。最適解は比較検討の余地がある状態ですが、どれかしらは正解になり得ます。

この考え方は、日々学校生活や家庭での過ごし方を、ひと工夫するだけで身につきます。
簡単に言えば、1+3=?を求めるのではなく、4=◯+△?を考える習慣があるか。複数の途中式を考えることができるかのトレーニングなのです。

面接対策を例にすれば、
(Q1)「本学を志望した理由は?」の問いに対し、(Q2)「入学したらどんな具体的な研究方法を検討しているか?」や、(Q3)「幼少期はどんな子供だったか?」など、様々な問いの回答を用いても答えられることが重要なのです。

(Q1)に対する回答が(A1)だとしたら、(A2)、(A3)...のキーワードや要素も混ぜたり、入れ替えたりしながら、文脈に応じてその場(面接中)で繋げ方を変更していくのです。
この思考が、我々が以前からX(Twitter)やYouTubeなどでお伝えしている「DJ思考」の「ミックス」や「サンプリング」の組み合わせなのです。

予定調和(暗記型の一問一答形式想定問答集)では、聴衆(面接官)を満足させることはできません。退屈してしまうのです。フロア(面接)の空気(文脈)を読むことで、その状況で最善策となるエピソードトークやキーワードの連鎖によって、受験生(話者、表現者)のペースで語りたいことを話す。相手の興味・関心の言葉をヒントに、意外なエピソードに違和感なく繋げる。
まさに、音楽フェスやナイトクラブでDJがブースで試行錯誤している思考そのものなのです。DJは多くの偏見や誤解を招きやすい職業の一つですが、我々が評価しているのは「複数の情報処理を通じて音の組み合わせを瞬時に決断し加工する芸術家」としての側面です。
AllWriteでは、「大学受験対策にもなるDJトレーニング」も提供しております。おそらく日本唯一、いや、世界で唯一の「DJ講座のレッスンもできる予備校講師」がいるからこそ、実現可能なメソッドなのです。

言語化(文章化 or/and 音声化)できれば、
年功序列も割り込める

上場企業や社員数何万人規模の大手企業でも、社員研修を多数外部に委託している現状があります。有名大学を卒業したいわゆる「エリート」と呼ばれる層でも、文章化などの言語化が苦手な人もいれば、スピーチやプレゼンなどの音声化や、会食での雑談などに苦手意識を持つビジネスパーソンは大勢いるのです。

ここでは割愛しますが、多くの「仕事ができる人(通称、シゴデキ)」に共通することは、「言語化」が上手いことが挙げられます。
(もちろん、言われたタスクをこなすのが正確で速い人も、シゴデキと呼ばれている可能性はありますが、本校を通じて伝えたいスキルとは異なります。)

一方で、与えられたタスクもうまくこなせず、会議でも発言しない・企画書も出さない・建設的な議論もできないなど、いわゆる窓際のオジさん的ベテランが、先頭グループに留まり続けてしまう「年功序列」。
この渋滞を抱えたまま、改善できない古き悪き企業も日本にはまだまだ多いのです。国会議員をはじめ、地方行政の記者会見やウェブサイトの役員写真などを見れば一目瞭然です。相対的に考えても、上場企業に憧れや繋がりを持っていると日本式社会システムや資本主義の悪影響を多分に受けてしまいます。各自で距離感を定めることが重要です。

特に、テクノロジーやクリエイティブな発想に苦手意識のあるベテラン世代は、大企業ほど上に詰まっているにも関わらず、古い慣習の現状維持を好む「日本式社会システム」が体現されており、追い越していくには知識と知見、そして知恵(戦略)も必要です。
この知恵を出す習慣・能力こそ、言語化によってアウトプットされない限り成長しないのです。言語でも非言語でも、「何も表現(アウトプット)していない」となれば、すなわち「思考していないこと」と同じなのです。

言語化から始まる視覚化、さらには資料化まで実行するのが苦手なビジネスパーソンは、どんな業種にも企業にも、必ずいるのです。

AllWriteでは常々、「年功序列は割り込める」を本気で受講生の皆様に意識してもら得るよう、ロジカルシンキングや資料作成術など様々なアドバイスを提供しております。

大学在学中に、いや、大学入学前に、
少しでも将来を見据えた「予習」として、文章化と音声化の両面から思考するハイブリッドな言語化能力を高めることを目指してみましょう。

小学生でも中学生でも、早過ぎることはありません。
来年受験を迎える高校2年生でも、まだまだ間に合います。
数日後に面接を控えた高校3年生や受験生の方も、思考方法を身につけることができれば、これまでの準備不足をカバーできる可能性が高まります。

スピーチトレーニングはプレゼンに、
トークトレーニングは面接に活きる。

流行りのスピーチトレーニングは、プレゼンテーション型の面接には確かに有効です。しかし、慶應SFCや早稲田の各学部などは、「用意周到」な回答がそもそも難しかったり、逆に大人の入れ知恵を怪しまれている傾向があります。だからこそ、大学受験に限らず、ビジネススキルとしても効果的な「トークスキル」をトレーニングする必要があるのです。

ただのお喋りや雑談ではなく、アカデミックな視点で語ることができるか。
面接対策に重要なことは、面接の練習ではなく、良質な雑談・対話経験です。

専門家からのフィードバックはもちろん、AIでは読みはかることのできないニュアンスや非言語表現、話題の転換方法、ネタの収集方法などを網羅できるようなコンサルティングをAllWriteでは提供しています。

思い立ったその日が、最も早い決断のタイミングです。
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『ゆるゆる話すAO入試のウラ話』ラジオ、のメモ帳|AllWrite
ある時は、アイデアを出す前のコンセプト段階からデザインを想定した戦略を企画・支援するフリーランス策士。 ある時は、予備校・専門学校・企業研修で効果的な「伝わる」表現をロジカルにレクチャーする講師。