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美容室で置かれる雑誌
先日、高校の同窓生である女性4名で食事に行った時のこと。「年とったな~と感じるのはどんな時か」という話題になった。老眼で字が読みづらくなった時、立ったままストッキングを履こうとしたら足がふらついた時、娘の推しアイドル達が日本人なのか韓国人なのか全くわからない時、など自虐ネタを披露される中、一人が言った。「美容室で出される雑誌が変わった時」。その瞬間、「わかる!あれ、結構 ”来る” よね~」と全員が大きく肯いた。
その友人は、大学生の頃からかれこれ30年以上、地元の同じ美容室に通っているそうだ。通い始めたころに彼女のヘアカットを担当していた美容師さんが店長となり、その息子さんが今ではカット・パーマ・ヘアダイをやってくれているらしい。まさに、「親の代からのお得意様」である。
髪を切る間、大学生だった彼女の前に置かれた雑誌は「non-no」や「CanCam」「With」「Olive」(懐かしい!)だった。その後、「CLASSY」「Ray」「Vogue」「Very」などに移っていく。彼女曰く、「どうも、40代になってからいろんなコンセプトの雑誌が混在してきた」らしく、「Oggi」「Story」「Marisol」等のファッション誌だけでなく「クロワッサン」「からだにいいこと」「天然生活」等が置かれるようになった、というエピソードはなかなか味わい深い。50代になった今では「ecla」「Precious」「GLOW」そして「ハルメク」なんだそうだ。
置かれる雑誌は「何かのタイミング」で変わる。それが何のタイミングか、(誕生日?見た目の変化?)美容師さんに聞いたことはなく、聞くのも怖い気がする。自分で「もうこの雑誌に興味はないから変えてください!」と言える人もいるんだろうが、私たち4人は全員その部類ではなく、「なんとなくそのまま受け入れちゃうよね」と言っていた。前出の友人は独身子無しだが、もし結婚・出産していたら、違う雑誌が登場していたかもしれない(「たまひよ」とか)。今では紙の雑誌ではなくタブレットを提供する美容室も増えているが、この「どの雑誌をおくか」という選択や気遣いは、客と店側の無言のコミュニケーションなのだろうと考えると、興味深い。ちなみに、男性もこんな体験をしているのだろうか。
この件に関して、教えてくれる美容師の方、ぜひコメントください!